21.再開、そして・・・
雪原でもたもたしていると、何かが飛んできた。
「レイ―。」
それは僕の名前を叫んでいた。
たぶん、知らない人だな。うん、知らない人のふりをしたほうがいい気がする。
それは、僕の近くに大きなクレーターを作って落ちてきた。そして、舞い上がる粉雪の中から、一人の女性が出てきた。
彼女は瞳、髪ともに紺色をしていて、白いワンピースを着ていた。うん、服が微妙いな。似合ってはいるけど。
「レイ・・・久しぶりかしら。」
彼女は照れながら僕に近づいてくる。
「このしゃべり方・・・レヴィアタン?」
いや、まじでくそ可愛いな。何でこんなに可愛いんだよ。まあ、ライちゃんの方が百倍、いや、一万倍くらい可愛いけどさ。
『すでに浮気ですか?』
いや、これは浮気じゃないでしょ、
「そうよ・・・進化おめでとうかしら。」
「ありがとう。で、何でその姿でここにいるの?」
「ただ、おめでとうを言いに来ただけよ。別に全然会えてなくて悲しかったとかではないかしら。」
「絶対違うけど、認めないんだろうな。それに何で人化してるの?まあ、大体想像はつくけどさ。」
「先生にスキルをもらったのかしら、そして、レイが進化したから会いに来てほしいって言われたから来たのよ。」
ふーん、レイさんがそんなことをね。
「久しぶりに会いたかったからいいんだけどね・・・」
「それより、どうやって龍に進化したのかしら?龍に進化なんて聞いたことがないわよ。」
「それはトカゲに進化した後、龍を一体倒して百レべになったら、強制的に進化したよ。」
「龍を倒す・・・かしら?」
「何か問題でも?」
「なんの龍種を倒したのかしら?」
レヴィアタンが珍しく神妙な顔つきになっている。何か、あるのだろうか?
「氷龍だけど・・・」
「これは困ったことになったかしら。」
「えっ、なんで?」
「氷龍王カタラードは黙っていないかしら。」
カタラードって確かこの単調な世界の諸悪の根源だったよね?
『はい、そうです。』
あっ、なるほど。僕がその子分の一人を倒しちゃったから親分のカタラードが激おこぷんぷん丸になるってことね。カタラードって世界最強で誰も勝てないんだよね。ステータス化け物だったよね?
「やばくね。」
「やばいかしら。」
「ああああああああああ、何でレイさん先に言ってくれなかったの。こうなることくらいわかってたでしょ。」
僕は顔面蒼白になっていた。
『気が付いていないマスターが悪いですよ。こうなることくらい、すぐに想像つくでしょう。はあ・・・』
あああ、めっちゃ呆れられた。確かに気が付かなかった僕も悪いけどさあ、僕の性格を把握してるんだったら言ってくれてもいいんじゃない?
『マスターは何も考えなさすぎなんですよ。』
ああ、ド正論すぎる。
「どうすればいい。やばい、やばい、まじでやばい。」
「下手したら、氷龍全員で攻めて来るかしら。」
「ほんとにピンチじゃん。」
「私が力を貸してあげてもいいかしら。ただ、水龍は動かせないわ。個人として力を貸すだけかしら。」
「うん、ありがとう。レヴィがいたら百人力だよ。」
「そうかしら・・・」
レヴィはにやけていて嬉しそうにしていた。
とりあえず、レヴィがいればどうにかなる。うん、絶対そうだ。僕はそう自分に言い聞かせたのだった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
久しぶりにレヴィが登場しました!