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どうして僕が単細胞に?  作者: 稗田阿礼
第三章 多細胞編
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16.氷龍ベリーズ1




 雪原は相変わらず地平線まで続いており、太陽の光を反射させて純白の世界を造り上げていた。そこに現れた異物。


 純白の雪原に突如として、黒い球のようなものが現れる。その玉は一瞬にして大きく成長して質量を増していく。

 氷龍はその異物を見た瞬間にその危なさを理解したようだった。そして、即座にその場から離れようとする。


 しかし、魔法の展開の方が氷龍の反応速度よりも速かった。そのブラックホールは氷龍の右の翼を飲み込む。


 ただし、氷龍はそれだけの損害でその魔法を回避できたということだ。もう少し遅ければ、氷龍は自らの死因を理解せずに死んでいっただろう。しかし、そうはならなかった。


『位置がばれました。』


 でしょうね。この奇襲をした時点で魔力を探られて場所がばれるのは当たり前のことだ。


『困りましたね。』


 いや、何で他人事?

『だって、他人事ですから。』


 ん、レイさんと僕は一心同体、一蓮托生でしょ。

『マスターが死んでも私が死なないことが分かったんですよね。』


 突然の裏切り。これって、映画とかでよく書かれるAIの反逆ってやつか・・・実際起きてたらまじでどうしようもない。


『嘘ですよ。』

 こんなときに冗談を言うなー―――。本当にレイさんの扱いは難しい。困ったものだ。


 こんな話をしている場合ではない。レイさんがご親切に思考加速を使ってくれているから悠長に話していられるけど、それでも、氷龍が着実こちらに向かってきている。


 こうなったら、真剣勝負?


『そうですね、今相手のステータスをお見せします。』


「個体名:氷龍王 ベリーズ LV.132 

スキル:異常状態耐性(中)、魔法耐性(中)、物理攻撃耐性(上)、自然影響無効、氷魔法(上)、光魔法(下)、水魔法(下)、雷魔法(下)、鉄壁、剛腕

称号:覇者

ステータス:HP-670/1,540 MP-563/1,090 PA-4,200 MA-1,100 PD-1,000 MD-1,500 SP-2,300 LP-3,400」


ステータス全部4桁じゃん。勝つの厳しくない?

『厳しいですが、HPとMPは削れているので状況は最悪ではありません。その時は逃げるつもりでしたから。』


 うん。前向きに頑張らないと。


 それに対して僕のステータスは。


「個体名:原始の生物トカゲ レイ LV.80

スキル:レイ、下剋上、雲散霧消、難攻不落、自然回復、怠惰、暴食、傲慢、嫉妬、蘇生、系統、探知

称号:怠惰の王、暴食の王、傲慢の王、嫉妬の王、単細胞の王、野心家、蘇りし者、再生の支配者、闇の支配者、強運、殺戮者、覇者

眷属数:1,869,300,000

ステータス:HP-201 MP-100/187 PA-243 MA-82 PD-100 MD-94 SP-77 LP-286」


 うん、雑魚じゃね?トカゲだから仕方ないけどさ。あれと比べると雑魚にしかみえん。大体三桁か二桁だよ。やばい、これはほんとにあかんやつや。


『勝つ方法は一つです。隙を見てブラックホールを発動させることです。魔法の構築はできますが、位置設定から魔法が実際に発動するまでタイムラグがあります。それを悟られないように相手を魔法発動までに食い止める必要があります。』


 要するに時間稼ぎかつこちらの魔法の発動をわからなくすればいいってことね。


『そうです。暗黒球は二回まで発動可能です。これでどうにかしてください。私は魔法の準備をしますので。』


 おいおい、注文が多いな。まあ、とにかく頑張るよ。


『お願いします。三分間時間稼ぎをしてください。』


 わかった。


 そして、僕とレイさんはそれぞれの仕事を始めたのだった。



 氷龍はまず遠くからブレスを放った。それは一瞬にして周りの空気をも凍らせながら、僕の方に向かってきた。

 いきなりブレス!心の準備がまだできてないんですけど。


 しかし、ブレスは待ってくれない。距離があったので僕は避けられたが、これは厳しそうだ。むしろ厳しすぎる。ていうか無理。


 ブレスが走った後には氷の刃が連なっていった。


 いやー、龍とか戦い挑むものじゃないだろ。


 そして、氷龍は僕の目の前に立ちはだかったのだった。



いつも読んでいただきありがとうございます。

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