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どうして僕が単細胞に?  作者: 稗田阿礼
第三章 多細胞編
37/106

14.短期集中特訓2日目2



 字面からすると大きなクマとトカゲが対峙していたが、あまりにもサイズが違すぎた。


 でっかいなー、それが第一声。おっきいなー、これが僕第二声だった。しかし、森のくまさんはそのサイズ差にも関わらず僕を認知していたのだった。


『来ます。』


 レイさんがそう言った瞬間にクマの右腕が動きだす。そして、それは僕の尻尾をかすめた。


 大きいくせに速くね?


『危うくリアルトカゲの尻尾切りになるところでしたね。』


 そんなこと言ってる場合か!僕はすかさず闇魔法の暗黒球を放つ。物理攻撃ができない以上魔法に頼るしかないのだ。できたとしてもクマは蚊に刺された程度の痛みしか感じないだろう。


 その暗黒球はクマ目掛けて飛んでいったが、クマがその右手をぶん回すと、消えてしまった。


 えっ、何で・・・


『恐らく風魔法を使用したものと考えられます。』


 そして、クマはその左手をぶん回した。始めは届かないのに何やってんだ?と思ったが、ぶん回した瞬間に左手からエアスラッシュが放たれる。


 僕は辛うじてそれを避けたが、その後ろ木がエアスラッシュによってなぎ倒される。


 ダメ、絶対。環境破壊。


『ブーメランですよ。』


 ブーレランだよ、レイさん。


 そんなことを言っていると、クマが目の前にいた。文字通りに。


 いや、死ぬほど怖いんですけど。命の危機を感じるんですけど。


 僕は目の前で暗黒球を発動させる。それはクマを直撃してクマは体勢を崩して倒れそうになる。


 しかし、クマは踏みとどまり僕の目の前でエアスラッシュを発動させる。


 あっ、これ避けるの無理くね?


 それは僕の尻尾を直撃する。


 あいた―――――――。

 激痛が尻尾に走る。そして、血が地面に流れる。しかし、僕はその痛みを歯を食いしばり我慢して暗黒球を発動させる。それは、クマを直撃し、ついにはクマを後ろに倒れさせる。


「個体名:森のくまさん LV.75

スキル: 剛腕、敏速、風魔法(中)、HP自動回復(上)、物理攻撃耐性(中)、魔法攻撃耐性(下)、毒耐性(上)

称号: 覇者

ステータス:HP-165/346 MP-173/223 PA-408 MA-483 PD-313 MD-102 SP-107 LP-223」


HP半分くらいしか減ってないじゃん。しかも、HP自動回復持ってるから時間稼ぎはできないし。尻尾痛すぎるし。とにかく早く終わらせたい。


 早く終わらせないとこっちがやられてしまう。


「個体名:原始の生物トカゲ レイ LV.67

ステータス:HP-46/186 MP-89/165 PA-209 MA-56 PD-74 MD-60 SP-47 LP-248」


HPがもうほとんどなくなっている。MPも半分くらいだ。これはやばい。


 クマの方は漸く僕を敵と認識したようだった。ちょっとした間食のつもりがこんなにHPを削られてはたまらないだろう。


 でも、僕はやらないといけない。痛みを我慢して、暗黒球を撃ちまくる。


 クマはエアスラッシュを発動させて相殺しようとするが、すべてを防ぎきれるわけではない。


 僕が撃ち切ったあと、クマはまだ立っていた。

「個体名:森のくまさん LV.75

ステータス:HP-25/346 MP-46/223 PA-408 MA-483 PD-313 MD-102 SP-107 LP-223」

「個体名:原始の生物トカゲ レイ LV.67

ステータス:HP-46/186 MP-8/165 PA-209 MA-56 PD-74 MD-60 SP-47 LP-248」


 クマは満身創痍だった。僕も同様だ。しかし、相手はまだMPも残っている。僕は最後の一撃分しか残っていない。絶対に倒せなさそうだ。


『ダメージ計算が完了しました。暗黒球を至近距離で頭に撃ち込めば倒すことが可能です。』


 リスクが高い・・・でも、やるしかなさそうだな。


 僕は覚悟を決めた。


 クマはエアスラッシュを撃ち込んでくる。僕はそれを見極めて避ける。今までのパターンだと次に・・・


 やはり、僕の睨んだ通り距離を詰めてきた。狙うは物理攻撃が来てからできる隙。そのタイミングで飛び上がり頭に魔法を直撃させる。


 クマは僕の目の前に来ていた。さあ、どちらの手で来るか・・・


 クマの右手が若干動く。僕はそれを見逃さなかった。


 僕はそのタイミングで飛び上がり、見事に物理攻撃を回避した。そして、頭に魔法を撃ち込もうとしたその瞬間。クマの左手が空中の僕に迫って来ていた。今、回避するとクマは倒せなくなる。僕は荒業で暗黒球をクマの顔面に撃ち込んだ。そして、その瞬間にクマの左手が僕をかすめる。


 痛すぎ―――――。それで、僕は地面に着地して、クマはドスンと大きな音を立てて、倒れたのだった。


「経験値が一定に達しました。

  ・・・         」


 ふう、やっと終わった。僕はそうして一息ついたのだった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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