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どうして僕が単細胞に?  作者: 稗田阿礼
第三章 多細胞編
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12.短期集中特訓1日目


 一日目


『とりあえず雑魚をいっぱい殺りましょう。』


 急に物騒だな・・・

 僕は海岸の砂浜に来ていた。で、ここあんま動物いなそうだけど?


『何言ってるんですか、いっぱいいますよ。』


 どこにいるのさ。僕は何もない砂浜を見て愚痴る。


『そっちじゃないですよ。海の方ですよ。』


 あっ、海か・・・確かにこの砂浜に来るまでいっぱい魚みたな。軍隊ザメとはもう金輪際関わりたくないけど。

 嫌なことを思い出してしまった。でもさあ、僕今泳げなくね?


『別に海に入る必要ありませんよ。こっから発動すればいいんですから。』


 そもそも攻撃手段が魔法か・・・なんも考えてなかったわ。そもそも素手?は無理か。


 そう言えば僕はまともに魔法使ったことないような気がする。大体他人の魔法の時は気絶してるし、自分が使っても気絶してるし、他人の魔法で殺されるし。魔法にもいい思い出がない。


 しかし、不思議と魔法を使うのにわくわくしている自分がいる。やっぱ異世界と言えば魔法でしょう。ようやく異世界転生している感が出てきてるな。いやー、魔法か。小さい頃は憧れたな。箒で空飛ぼうとしてまたがって念じたこともあるな。


『マスター、』


 何さ、どうせからかうのだろう。


『可愛すぎませんか。』


 レイさんの言葉が予想外で僕の思考は一旦止まってしまった。

 いいいいいや、全然可愛くないし。ていうか小さいころの話だからね。


『動揺してますね・・・まあ、それは置いといて。そろそろ発動させましょうか。私のあとに続いてください。』


 はい。


『銀河の端で、すべての光を飲み込む漆黒の闇よ。顕現せよ、ブラックホール。』


 銀河の端で、すべての光を飲み込む漆黒の闇よ。顕現せよ、ブラックホール。


 これさ、念じる必要あったの?ダサいんだけど。


『別にないですよ。』


 いや、じゃあ何で言わせたん?


『異世界感出るじゃないですか。』


 確かにそうだけど・・・


 いらぬことを考えている間に、目の前の海の中に大きな黒い球のようなものが現れた。それは新月の夜よりも、黒猫瞳よりも黒かった。


 それはたちまち周りの海水を飲み込んで大きくなっていった。


 ん?なんかこの魔法やばくね?


 ブラックホールはさらに大きくなっていく。それは海水を飲み込みまくり成長している。そして、成長とともに魔法を発動した場所には大きな渦が出来ていた。


「経験値が一定に達しました。

 経験値が一定に達しました。

 経験値が一定に達しました。

 経験値が一定に達しました。

 経験値が一定に達しました。

・・・・  」


 僕の脳内に大量の天の声(仮)さんが聞こえてくる。未だに慣れる気配がない。


 そして、気が付くと僕の目の前には大きな渦が渦巻いていた。それはあらゆるものを飲み込み僕の経験値となっていったのだった。


 いや、これ環境破壊でしょ。


 最後には周りの海水はなくなってしまい。海底が見えていた。しかし、その海底には岩盤が見えているだけだった。


 そして、ブラックホールが完全に消滅すると周りの海水が津波のように流れてきて海は晴れているのに大荒れとなっていたのだった。


 おーい、環境破壊ですよ。怒られますよ。レイさん。


『さあ、次行きますよ。次はこれより少し北の海岸で同じことをやりましょう。』


 僕は良心を痛めながらも、レイさんの言うことに従う他なかった・・・


 環境破壊・・・・よくない。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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