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どうして僕が単細胞に?  作者: 稗田阿礼
第三章 多細胞編
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9.いざ上陸!



「個体名:原始の生物 (マイワシ) レイ 原始の生物 (トカゲ) ヘと進化を開始します。」

 なぜか今回は意識がなくならなかった。そして、天の声(仮)さんが聞こえる。

「個体名:原始の生物 (マイワシ) レイ 原始の生物 (トカゲ) ヘと進化が成功しました。

 各種ステータスが大幅に上昇しました。

 スキル:レイ の能力が上昇しました。

 スキル:難攻不落を獲得しました。

スキル:トカゲ を獲得しました。

スキル:トカゲ がスキル:下剋上 に統合されました。

 スキル:雲散霧消 の能力が大幅に上昇しました。

 スキル:空間魔法(上)、再生魔法(下)、光魔法(下)、水魔法(下) がスキル:雲散霧消 に統合されました。

 スキル:全魔法耐性(下)、全自然影響耐性(上)、物理攻撃耐性(下)、精神攻撃耐性(下)、全異常状態耐性(中) がスキル:難攻不落 に統合されました。

 スキル:HP自動回復(上)、MP自動回復(上)がスキル:自然回復に統合されました。

 スキル:系統(両生類) を獲得しました。

 スキル:系統(爬虫類) を獲得しました。」


「個体名:原始の生物トカゲ レイ LV.1

スキル:レイ、下剋上、雲散霧消、難攻不落、自然回復、怠惰、暴食、傲慢、嫉妬、蘇生、系統、探知

称号:怠惰の王、暴食の王、傲慢の王、嫉妬の王、単細胞の王、野心家、蘇りし者、再生の支配者、闇の支配者、強運

眷属数:1,784,300,000

ステータス:HP-78 MP-84 PA-87 MA-10 PD-10 MD-14 SP-19 LP-128」




 僕は四本の脚をじたばたさせながら、砂浜へとたどりつく。夢にまで見た陸地。それを自らの脚で踏むという心地よさ。僕は感動していた。


 恐らく、航海に出て嵐に会ってやっと陸地に上陸できた船員もこのような感動を覚えるだろう。もしかしたら、浦賀に来たペリーも陸地を踏みたくて上陸したかもしれない。


 ああ、太陽って素晴らしい。僕は大きな尻尾を地面に引きずりながら四本脚で我が物顔で歩いている。砂のざらざらとして、尻尾にまとわりつくのが鬱陶しいが、尻尾を上げようとすると疲れるので仕方がない。不思議と手足に砂が付くのは気にならない。これは、進化のおかげかな。

 ここはとある大陸の熱帯地域であるはずのところ、少なくとも数千年前は熱帯だったらしい。今は、体感気温的には15度くらいかな。普通に温帯やんけ。


『まあ、本来ならここも凍っているはずなんですけどね。』


 凍ってないならいいじゃないか。少なくとも今は大丈夫だ。これからまた凍ったら困るけど。


『後ろからバコウドリが迫っています。』


 まあ、感知でわかってたけどね。


『これからは何も言わなくてもいいんですね?』

 レイさんが威圧してくる。声だけで威圧できるのは正直すごいと思うが威圧されている側は心地よい気分はしない。


 いや、そう言うわけじゃないけど・・・


 なんかレイさんが面倒くさくなってきている気がする。まあ、そんなことは置いといて・・・


 僕は闇魔法で迫りくる体長二メートルくらいのバコウドリを闇魔法で葬る。この鳥、名前で馬鹿にしてはいけない。嘴には鋭い牙のようなものがあり、物音を立てずに後ろからそーっと飛んできて食べようとする。実際何匹かのカニや亀がこいつになすすべもなく食べられているのを僕は見てきた。


 しかし、こいつはいくつもの苦闘を乗り越えてきた僕の敵ではない。探知によって僕は接近を感知できるし、レイさんが自動で迎撃してくれることもある。決して僕が無用心にも身を隠すことができない砂浜を歩いているわけではないのだ。


 そして、進化してからいろいろなことがあったが、一番大きなことはスキルの獲得だった。


「究極スキル:難攻不落・・・一定の時間の間、あらゆる攻撃を防ぐことができるが、その間SPが百分の一になる。取得条件:HP1で五分間以上生存すること。」


 すべての攻撃が通じなくなるっていうのがすごすぎる。でも、取得条件厳しすぎない?HP1で五分間は無理すぎ・・・


『マスターが必死に軍隊ザメと戦っていた時のHPが1でした。』


 うん、グッジョブ自分。いやーまじで一生分頑張った気がする。まだ、トカゲだけど。


しかし、今までの悲惨さに比べて大分ましになった。そう、単細胞生物に転生したときは天地がひっくり返った感じがしたからな。実際に天地ひっくり返ってたみたいなもんだし。それから多細胞生物まで長かったし、そっからも思うようにいかないしなあ。ほんと、自分をほめたい。そして、ほめたたえたい。これはもうノーベル賞もんだろ。頑張りました部門なんかないけどさ。


 しかし、まだまだ人間までの道のりは遠そうだ。トカゲが人間になるって結構無理あるしなあ。でも、鰯がトカゲになった世界だ。何が起こるかはわからない。


 ということで、レイさん。そろそろ人間に近づいてきたことですし、人間になれる最短の方法を教えてください。


『最短の方法は龍に進化してそこで人化のスキルを獲得することです。』


 ん?イマ、ナンてイッタ?


『龍に進化して人化のスキルを獲得することです。』


 なんか、提案がファンタジーなんだけど。まず、人化のスキルって何?


「特殊スキル:人化・・・人の姿になれる。取得条件:LPの消費。」


 いや、説明が雑!まんまやな・・・でも、それだったら今取得することもできそうだけど。


『このスキルの習得にはLPを1万消費する必要があります。』


 へ?10万・・・無理くね?普通に人間目指したほうが早そうだけど。


『それがそうでもないんですよ。まず哺乳類ネズミに進化するのに必要なレベルが50で、そこから霊長類サルに進化するのに必要なレベルが50、さらに人に進化するのに必要なレベルは100です。』


 へー、百レべのサル=一レべの人間なんだ・・・不思議な世界だな。そもそも進化と言う概念があるのがおかしい。


『それに対して龍への進化条件は龍を倒しかつレベル100になること。ね、簡単でしょ?』


 ん????

 龍を倒す?んなこと一介のトカゲに過ぎない僕にできるわけがないだろ!それは一寸法師が鬼を倒すような話じゃないか。

 こんな例えをしているとできなくはなさそうに聞こえるが、たぶん無理だろ・・・


『何を弱音を吐いているんですか。諦めたらそこで試合終了ですよ。』


 なんかレイさんどっかの熱血コーチみたいなことを言ってる。でも、無理なもんは無理ですよ。


『まあ、最悪死んでも蘇生でどうにかなりますし、やりましょう!』


 僕は死にたくないのだが・・・でも、レイさんがここまで言うのならやってみてもいいかもしれない。なんせ、レイさんが言うのだから。彼女にメロメロな馬鹿な男のような思考をしているが気にしない気にしない。レイさんがいないと僕はここまで来れなかったのだから。


『信じてくれるのですね。』


 なんだかレイさんが嬉しそうだ。まあ、これでレイさんの機嫌がとれるならそれはそれでいいのかも・・・

 ということで、僕は龍退治をすることになったのだった。


<豆知識>


最初に陸地に上がった植物は?


 これの答えは単純明快でクックソニアと言われています。古生代のシルル紀に陸上に進出したと言われています。その頃にはオゾン層がすでに形成されており、生物に有害な紫外線を吸収していた。そして、生物が陸上に進出するおいて必要なのは乾燥への耐性と重力への耐性である。(水中では浮力が働くため重力の影響が少ない。)クックソニアは数センチメートルほどの高さだったらしく、表面にクラチラ層を発達させて乾燥を防いでいたとされている。



いつも読んでいただきありがとうございます。



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