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どうして僕が単細胞に?  作者: 稗田阿礼
第三章 多細胞編
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5.またもや・・・


 僕は今死にそうだ。事の発端はレヴィた。そうこれはすべてレヴィのせいだと言っても過言ではない。

『それは言いすぎだと思われます。』

 レイさんが何か言っているが無視しよう。今はそんな場合ではない。



 そう、あれは経った一時間前の話だ。レヴィが立ち去った後、僕は群れに戻ろうとしたのだ。しかし、どこを探しても鰯の群れは見つからない。ヴレヴィを恐れて他の生物が逃げて行ってしまったのだ。それは仕方のないことだと思う。何せ、食物連鎖のトップオブトップが来たのだ。


友達じゃなければ、僕だって速攻逃げ出している。ゆえに、逃げ出した者たちに罪はない。すべての罪はここに来たレヴィにあるのだ。


 レヴィが去ったあと、僕は広大な海を彷徨っていた。鰯は単独行動するのは危険だ。それを知っていたからこそ群れていたのだ。そうして、迷っているうちにある生物の縄張りに侵入してしまった。



 ここ全然生き物いないじゃん、ここなら狙われずに済みそうだな。そう思って、生物がほとんどいない岩礁に入り込んだ。これが運の尽きだった。大きな岩礁がいくつも立ち並び、薄暗かったので気味が悪い。


 逆に静かすぎて何かがおかしい。

これは何かある。


ただ、感知には何も反応しない。僕は自分のスキルを過信していたのだった。そして、知らなかったのだ。隠密というスキルの存在を。


 その岩礁へと恐る恐る泳いでいくと、背びれに激痛が走った。そうまるで何かに食いちぎられたような・・・


『背びれの辺りが損傷し、大量に出血しております。再生魔法を使用しますか?』


 もちろん、ていうか早くして――――――――。まじで、死ぬほど痛いから。僕はこころの中で叫んだ。

 どうしてこうなっている?兎に角、ここから逃げたほうがいい。僕はそう思って全速力で岩礁から脱出しようとする。しかし、振り返るとそこには巨大なサメがいた。


「個体名:軍隊サメ 名前なし LV.30

 スキル:軍隊サメ、隠密、熱源感知、高速遊泳

 ステータス:HP-400 MP-200 PA-110 MA-500 PD-200 MD-400 SP-600 LP-500」



・・・は?



 化け物?まあ、見た目からしてやばいけどさ。軍隊サメと呼ばれたサメは全長四メートルくらいで黒い体表に覆われていた。鋭い金色の目をしていた。


『軍隊サメ・・・サメの上位個体。海の覇者ともいわれる。普段は岩礁に縄張りを持ち、出てくることはほとんどない。軍隊サメと呼ばれる通り、群れる習性があり、一度縄張りを侵されると相手を倒すまで追い詰める。一つの群れには約百匹くらい存在し、血の臭いで仲間が集まってくる。』




 あのーレイさん?やばくないっすか?


『やばいっすね。』

 いや、それで済む話じゃないから。


『スキル:隠密 の解析が終了しました。これで、隠密を使っていても敵を補足することができます。』


 その瞬間、僕は軍隊サメの群れに完全包囲されていることに気が付いた。僕を中心とするようにグルグルと回っている。

 あ、終わったなと思った。サメたちはだんだんと間合いを詰めてくる。そこにレイさんが救いの手を差し伸べる。


『闇魔法:ブラックホール を使いますか?消費魔力9/10です。』


 ほとんど、全部じゃねーか。でも、レイさんはここでの最適解を出しているのだろう。だから、僕は迷わず承諾する。


『かしこまりました、ブラックホールを発動します。』


 なんか物騒な名前だよな。しかも、闇魔法だし。なんて呑気なことを考えていたが、発動するとそこは地獄絵図と化した。

 僕を中心として、黒い塊が渦を巻き始めた。そして、それはすぐに巨大化した。そして、それは一番近くの軍隊サメに接した。そう見えた瞬間にその軍隊サメは黒い霧となった。そして、ブラックホールはさらに大きくなっていく。

一匹一匹逃すことなくそれは飲み込んでく。異変に気が付いたサメたちが逃げようとしていたが、ブラックホールに引き寄せられて悉く消滅していく。

 


そして、また周りが静かになった。

 ふう、とりあえず一安心だと僕はひと時の休息を堪能する。


『マスター、早くここから立ち去ってください。新手のサメが来ています。』


 えええ!もう懲り懲りなんだけど。そんなことを思ってもサメは空気を読んではくれない。というか空気がない。

 


さながらステータスの確認を行う。ステータスはLP以外は変動するのだ。

「個体名:原始の生物マイワシ レイ LV.25

スキル:レイ、下剋上、熱耐性(上)、毒耐性(上)、高圧耐性(上)、痛覚耐性(下)(new)、怠惰、暴食、傲慢、嫉妬、蘇生、再生魔法(下)、闇魔法(極)、系統(古細菌、真正細菌、原生生物)、遠視、超音波

称号:怠惰の王、暴食の王、傲慢の王、嫉妬の王、単細胞の王、野心家、蘇りし者、再生の支配者、強運

眷属数:1,526,800,000

ステータス:HP-7/11 MP-0/12 PA-13 MA-2 PD-4 MD-5 SP-7 LP-18」

MPゼロかいな!


やばいよ、やばいよ。


<豆知識>


結構久々な気がします。


動物の進化


 この前の豆知識でお伝えしたように動物では細胞の分化が行われます。分化の仕方が単純なものが最初の動物とされており、それに近いのが今の海綿動物だとお伝えしました。この次に二胚葉動物(つまりは細胞の分化が大きく分けて二つになっている動物)が現れます。二胚葉動物は刺胞動物であるクラゲやイソギンチャクなどが含まれます。そして、その他が三胚葉動物です。三胚葉動物とは発生の過程で三つの胚葉ができる動物のことです。


 海綿動物→二胚葉動物→三胚葉動物


という順で進化してきたと言われています。

胚葉や発生については今後の豆知識でお伝えするつもりです。

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