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どうして僕が単細胞に?  作者: 稗田阿礼
第三章 多細胞編
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4.サミットってなあに?


「それで、その会議は何をするの?」

「大体は龍種間の争いの調停とか、領土決めとか、新しい龍王の紹介とか、協定の改正とかかしら。今のところ龍種の政局は安定してるから、特に何もすることがないわね。」


 前世の国連の龍バージョンみたいなものか、力は結構強そうだけどね。それにしても、レヴィは本当に行かなくていいのだろうか、聞いた感じ重要そう。まあ、僕が気にするところではない。


「そうなんだ。ああ、そう言えば今地上ってどんな感じ?」

 このことは僕にとっては重要なことだ。魚類から両生類に進化したときに環境が安定しているほうがいい。氷に覆われているのなら進化しても死に絶えるだけだ。それなら、いっそ進化しないほうがましなのだ。


『マスターには熱耐性があるので、多少は耐えしのぐこともできます。』

 あ、ゆうて関係なかったかも。

『しかし、食料は存在しないと考えてよいでしょう。』


「相変わらず、真っ白かしら。氷龍王カタラードも健在だしね。ここの海域と魔大陸の一部以外は氷に覆われているの。正直、奴が世界を治めていると言っても過言ではない状況よ。奴が強すぎて誰も何も言えないの。だから、サミットに行っても行かなくても変わらないかしら。」

 レヴィはその巨体を動かしながらつまらなそうに言った。


 氷龍王カタラードねえ・・・・厄介そうだ。少なくとも彼がいる以上僕は魚類脱出を試みることさえできない。迷惑極まりない。他の生物もそう思っているだろう。カタラードってどれくらい強いの?


『検索します・・・・検索結果を表示します。』


「個体名:氷龍王 カタラード LV.382 

スキル:全異常状態無効、全魔法無効、物理攻撃無効、自然影響無効、氷魔法(極)、光魔法(中)、闇魔法(上)、水魔法(下)、風魔法(極)、雷魔法(下)、空間魔法(上)、龍王、鉄壁、剛腕、威風堂々、絶対零度、強欲、憤怒

称号:強欲の王、憤怒の王、覇王、氷の支配者、威風堂々、絶対零度、神徒

ステータス:HP-9,800,000 MP-11,200,000 PA-54,300,000 MA-12,000,000 PD-10,600,000 MD-13,500,000 SP-88,000,000 LP-76,500,000」


・・・いや、化け物、チート?そこらのレベルじゃない。正真正銘の化け物だ。

『化け物って最初言ったじゃないですか。』

 何か聞こえた気がするが放っておこう。

「強いな。」

 思わず、念話してしまう。

「何?私のことかしら?」

「ん?ああ、まあ、レヴィも強いけど、カタラードってやばくない?やばいよりのやばいだよね?」

「何言っているのかわからないけど、奴は私よりも強いわよ。」

 そりゃ、誰も挑もうとしないわけだ。挑んでも待つのは死のみ。まあ、元からこの世界終わってる気がするけどさ。

「何でカタラードってあんなに強いの?」

「それは私も不思議に思ってたのよね。私と同じで古の龍の一柱ではあるけど、ほんの数千年前まではわしと同じくらいの実力だったかしら。」


 そうなると、何かのスキルか称号?強欲と憤怒はあるけど、ヴィレンドも傲慢持ってるしあんまり関係ない気がする。とすると怪しいのは威風堂々と神徒かな?


「称号:神徒・・・神の使徒。神によって選ばれた存在。すべてのステータスが十倍になる。闇魔法以外の魔法が通用しなくなる。取得条件:不明。

 究極スキル:威風堂々・・・弱者の攻撃が通用しなくなる。取得条件:不明。」



 なるほど、大体理解した。レヴィのステータスの十倍以上になっているのは神徒のせいだな。しかも、闇魔法以外通用しないってやばい。しかし、神に選ばれたってね。いくらファンタジーでも神はいないでしょ・・・


『否定はできません。情報開示請求をしたところ、神に関するものはいくつかヒットしました。』


 そう言えば、そんなスキルあったな。でも、それでヒットするって神様無用心すぎない?


『情報開示請求を使えるものはほとんどいません。このスキルは知能系スキルであるレイや叡智、賢者などを媒介しないとできません。両方取得できる確率は限りなく低いです。』


 限りなく低いのに持ってるんだ・・・運がいいものだな。

『私が率先して取得しましたからね。』

 そうですか、あざす。





 カタラードの強さの秘密はわかったとして、なんで、神様はこんな迷惑な奴を神徒認定してるのかな?

『わかりません。』

 流石にわからんよな。まあ、わかったこととしては神様の性格はくそっていうことだ。


「あのさ、レヴィ。」

「なにかしら?」

「神様っていると思う?」

「はあ?何を言っているのかしら、人間じゃないし私はそんなものを信じていないわよ。」

「だよねー。」

 これ以上レヴィに聞いてもわからなそうだ。もちろん、僕もいないと思っているがレイさんは嘘をつかない。だから可能性はあるのだ。




「ねえ、カタラードって話が通じる相手なの?」

「通じてたら、この氷河期もとっくのとうに終わってるかしら。奴は人間に仲間を襲われてから怒り狂っているの。だから、サミットにも出席せず北極に引きこもっているの。」


「じゃあ、サミットには?」

「奴の妻が来てるわ。正直、当てにならないかしら。」

「ふーん、じゃあ潰すしかないか。」

「潰す?カタラードを?」

 レヴィが驚いてそう言った。


「うん、だって邪魔だし。」

「レイは野心家かしら。」

 ここで否定しないのがレヴィいいところだ。何もかも否定していては何もできないことを知っているのか、ただ僕を信頼しているのか。


「人間目指しているくらいだからね。」

「でも、倒せるのかしら?」

「それはレイさんと相談するよ。」

「おーほっほほ、私に何か協力できることがあれば遠慮なく言うのかしら。」

 そう言ってレヴィは去っていった。当分の目標は決まった。強くなってカタラードを倒す。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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