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どうして僕が単細胞に?  作者: 稗田阿礼
第二章 魔女編
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4.拉致られたのは私じゃない・・・


 それ、私にどうしろというのさ。


 そう思った瞬間に目の前に砂埃が舞い上がった。そこから、二人の人影が現れた。

「ねえ、テラ。最後ぐらい減速してよ。もう、服が汚れちゃったじゃない。」

「うっせ、さっさと探し出すぞ。長居すると面倒だしな。」

「レヴィが言うには十七歳の少年だって。いい男かな?」

「いい加減に黙れ。キレるぞ。」

「もう、テラはすぐ怒らないでよ。だから、憤怒になっちゃうんだよ。」

「うっせーな、てめーも、色欲だ。同じようなもんだろ。」

「もう、全然違うって。こっちのほうがお、と、め、だし。」

「ああ、もう、探すぞ。」


 砂埃が晴れ上がった。私は何とか耐えきることができたが、周りにいた人は腰を抜かして驚いていた。とにかく、鑑定してみるか。私はクレーターのようになっている中央にいる二人の女性を鑑定してみた。


「鑑定不能。」


 は?もう一回。


「鑑定不能。」


 え、嘘。叡智じゃないの?だって叡智だよ。何でも知ってるんじゃないの?


「あれー、そこのお嬢ちゃん私たちを鑑定しようとしたでしょう。」

 金髪で美しいドレスを着た少女が私に話しかけてきた。

「はい・・・」

「安心して、別に殺したりするわけじゃないから。リラックスして聞いてよ。」

 殺したりするっていう時点でおかしいでしょなどと思いつつも私の体は動かない。こいつはやばいやつだ。私の本能がそう告げていた。長年、いろいろな人を殺してくると、相手の技量がなんとなくでもわかるようなってくる。まあ、勘が外れることも多いけどね。


『鑑定に成功しました。』

 ここで、叡智さんが話しかけてくる。


 今更?もう話しかけてるから意味ないよね?


「個体名: 色欲の王 ベル・カラカス LV.178

 スキル:色欲、全魔法無効、自然影響耐性(上)、物理攻撃耐性(上)、全異常状態無効、闇魔法(極)、水魔法(上)、火魔法(上)、光魔法(下)、風魔法(上)、雷魔法(上)、重力魔法(極)、空間魔法(中)、結界魔法(中)、氷魔法(中)、飛行魔法(中)、威嚇、魅惑、淫乱、思考誘導、洗脳、鳩胸、鑑定、解析、思考加速、並列思考、高速演算、HP自動回復、MP自動回復

 称号:色欲の王、魅惑の王、淫魔、頑張り屋、闇の支配者、覇者

 ステータス:HP-68,746 MP-209,458 PA-3,783 MA-13,009 PD-45,879 MD-87,680 SP-100,890 LP-85,600」


「色欲?」

 私は思わず声に出してしまった。そして、慌ててしまう。変に目を付けられて、あの世ゆきは勘弁してほしい。


「あれれー、なんでわかったのかな?」

「てめーがさっき言ったからだろう。それより早く怠惰の王を探すぞ。」

「だ、か、ら、私がこのお嬢ちゃんに聞こうとしてたじゃん。」

「うっせ、早くしろ。」

「ということで、そこのお嬢ちゃん、ふむふむ、名前は来葉ちゃんか。じゃあ、来葉ちゃん、おねーさんたちさー、怠惰のスキル持ってる男の子探してるんだけど、知ってる?」


 鑑定って、個人情報丸出しだよね。元の世界でもあったら便利だったろうに。ただ、プライバシーの問題とかあるからいろいろ難しそうだけどさ。


 それにしても怠惰?なんかどっかで見たことがある気がする。


「おい、ベル。見つけたぞ。あそこで寝てるやつだ。」

 もう一人の黒髪のちょっと露出がある服を着ている少女が床で寝ている津田浩二を指した。

「おお、流石テラ。やるじゃん。」

「てめーが、ちんたらしてるからだろ。」


 テラと言われた人は目に見えない速さで津田君のところに移動し、彼の体を担いだ。津田君は起きない。

「つー訳で、こいつ連れて行くは。」

「もうちょっといてもよかったじゃん。この子面白そうだし。なんか時間魔法持ってるよ。」

「ちょっと珍しいからって、勝手に連れて行こうとするな。どうせ、この子を壊れるまでおもちゃにするだけだろ。」


 怖くね?この人はもう一生会いたくないわ。金輪際関わりたくない。物騒だし。私も大概だけどさ。


「てへ、ばれちゃった。」

「今回の任務は怠惰の回収だ。もう、行くぞ。」

「あらら、じゃあ、またね。来葉ちゃん。」

 そして、二人は津田浩二を連れて、飛んでいってしまった。

 しかも、またねってもういいから・・・・会わなくていいから。


 一体何者だったのかな。ステータスとスキルがバグってたけど。

『もう一人の鑑定にも成功しました。』

「個体名:憤怒の王 テラロッサ・キーレ LV.160

 スキル:憤怒、全魔法無効、自然影響無効、物理攻撃耐性(上)、全異常状態耐性(上)、闇魔法(上)、水魔法(上)、火魔法(極)、光魔法(極)、風魔法(上)、雷魔法(上)、重力魔法(上)、空間魔法(極)、結界魔法(中)、氷魔法(中)、飛行魔法(上)、防御魔法(上)挑発、魅惑、剛力、馬鹿力、城壁、気配遮断、加速、剣術、分身、鑑定、解析、思考加速、並列思考、高速演算、HP自動回復、MP高速回復

 称号:憤怒の王、魔術士、剣星、覇者、修羅の道

 ステータス:HP-58,400 MP-9,400 PA-103,758 MA-213,006 PD-395,800 MD-190,480 SP-167,240 LP-205,400」


・・・とにかくやばい。これ、鑑定が間違ってるとかじゃないよね?


津田君かわいそうだな。




短いので、もう一話投稿します。

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