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どうして僕が単細胞に?  作者: 稗田阿礼
第二章 魔女編
13/106

2.召喚・・・?

章を追加する機能があったのでやってみました。一応、前話からライちゃん視点の物語を書いています。




体が動かない。しかし、それ以外はできた。目を開くとそこには満点の星空が広がっていた。そして、その光景がだんだんと移り変わっていく。

 ここは、どこ?私はどうなっているの?なんでもいい、誰か教えて。


「人間 個体名:近重(このえ)来葉(らいは) により、世界の情報へのアクセスが要求されました。

 失敗しました。

代替として、究極スキル:叡智を獲得しました。」


 何この声?なんか頭に響いてくるんだけど。もしもしー。誰かいますか?

『お呼びでしょうか?』

 え、誰?さっきの声とは違う。

『究極スキル:叡智 です。』

 スキル?

『スキルとは能力を可視化するものです。』

 私はどうなっているの?

『今は、世界の狭間にいます。』

 世界の狭間って?

『どうやら、召喚の最中のようです。』

 召喚って何?

『召喚とは、別世界の人を呼び出すことで、そのとき、世界の狭間で体の構成がその世界に適合できるように作り替えられるようです。』

 もう、よくわからない。

『世界の狭間ではあらゆるスキルが取得可能ですが、取得しますか?』

 うん、もうなんでもいいよ。

『了解しました。』

「スキル:叡智 より以下のスキルの獲得を請願されました。スキル:言語理解、思考加速、高速演算、鑑定、解析、鑑定妨害、魔力感知、光魔法(下)、水魔法(下)、闇魔法(下)、結界魔法(下)、防御魔法(下)、水魔法耐性、火魔法耐性、光魔法耐性、風魔法耐性、雷魔法耐性、重力魔法耐性、闇魔法耐性、氷魔法耐性、高圧耐性、熱耐性、風耐性、天候耐性、真空耐性、精神攻撃耐性(下)、HP自動回復(下)、MP自動回復(下)


・・・成功しました。

スキル:水魔法耐性、火魔法耐性、光魔法耐性、風魔法耐性、雷魔法耐性、重力魔法耐性、闇魔法耐性、氷魔法耐性 がスキル:全魔法耐性(下) へ統合されました。

 スキル:言語理解、思考加速、高速演算、鑑定、解析、鑑定妨害、魔力感知 がスキル:叡智 に統合されました。

 スキル:高圧耐性、熱耐性、風耐性、天候耐性、真空耐性 がスキル:全自然影響耐性 へ統合されました。


 スキル:叡智 より スキル:時間魔法(下) の獲得を請願されました。


・・・失敗しました。再試行します。


・・・成功しました。

 スキル:時間魔法(下)を獲得しました。

 称号:時の支配者 を獲得しました。」


 もう、うるさい。そう言えば、つーちゃんにも魔法陣が現れていたけど、転生するのかな?もしかしたら、死ぬ前に転生したら大丈夫みたいなことあるかな?

『現在、世界の狭間を移動中の個体は二十存在します。』

 そのなかに、有栖川堤っている?

『検索中です・・・その個体名に合致する存在は見つかりませんでした。称号:時の支配者を使用して、他の時間軸を検索しますか?』

 はい。

『検索中です・・・その個体に近しい存在が見つかりました。どうやら、魂だけで移動しているようです。そして、その魂の状態は非常に不安定です。』

 どこ?

『二千年ほど前の時間軸です。』

 私はそこには行ける?

『無理です。』

 そう・・・

『もうすぐ、移動が完了します。』


 本当にどうしているのだろう?夢かな?さっきから、声が頭に響いてくるもの。







 そして、私の視界は開けた。



 ざわめきが広がる。私の他にも、その広間の赤いカーペットの上で状況がわからずに立っている人がたくさんいる。ほとんど、私の学校の制服を着ている。全部で十八人いた。


「王女様、召喚の儀は無事成功いたしました。」

 私は声のするほうに目をやる。そこには、数十人のローブを着た怪しげな人と明らかに着飾っている王女様と呼ばれた人がいた。

「俺たちはどうなったんだ?ここはどこだ?」

 召喚された中の一人が声を上げた。それでまた一人一人が、いろいろなことをつぶやく。



「皆様、混乱されるのも無理はないでしょう。ですが、落ち着いて聞いてください。」

 その王女様と呼ばれた人が私たちに向かって話しかける。

「私はルガーナ王国第一王女のミルフィと申します。さて、皆様は私たちによってここに召喚されたのです。」

「召喚だと?」

 誰かが聞き返す。

「そうです、召喚です。私の国、ルガーナ王国は帝国の侵攻を度々受けており、窮地に陥っています。ですから、皆様を勇者として召喚したのです。どうか、どうか、勇者様方私たちをお救いください。お願いします。」

 王女は涙目になり、泣き出した。

『わかってはいるでしょうが、あれは嘘泣きです。』

 突然、声が頭に響く。どちら様、さっきから話しかけてくるのは?

『スキル:叡智 です。』

 これ、他人は聞こえてないわよね?

『もちろんです。』

 それはよかった。


「おう、なってやろうじゃねーか。その勇者とやらによ。」

 一人の男子高校生が名乗りを上げる。

「ちょっと、レオ君、待ちなさい。」

 一人の先生が彼の腕をつかむ。彼女は地学科の山王先生だ。

 生徒以外にも召喚されてるんだ。

『あの召喚術はある一定範囲内で二十人の優秀なものを召喚する術式でした。ですので、勇者とは何も関係がありません。』

 ますます、あの王女が胡散臭くなってきたな。


「なんでだよ、先生、かわいそうじゃんか。」

「あなたは、見ず知らずのところに拉致されて、その拉致した相手の言うことを鵜呑みにするのですか?」


 先生の言うことはごもっともであった。異世界召喚で、よく主人公たちは勇者とやらになったりするが、本当に現実に起こると、少し頭が働く人ならば、先生のような結論に行きつくのは当たり前だ。


「もう、埒が明かないですね。」

 王女はそう言って、何かの魔法を発動した。

『洗脳系の魔法をかけられています。抵抗しますか?』

 うん、というか洗脳って、召喚していうこと聞かないから洗脳ってやっぱ、めっちゃ胡散臭いわね。

『術にかかったふりをするために、見かけのステータスの変更を行いますがよろしいですか?』

 あ、はい。そっか、これ、術にかかったふりをしないと殺されるやつかもしれない。叡智さんってすごいわね。


「あなたたち、私の前に並びなさい。」

 王女がそう言うと、洗脳された召喚者たちは黙って彼女の前に並ぶ。私も洗脳されていないことがばれないように列の最後尾に並ぶ。

 そこに一人だけ、命令に従っていない人がいた。彼の名前は津田浩二、私とは同じクラスでいつも一番後ろで寝ていた生徒だ。

 彼はこのような状況下でも寝ていた。

「おい、そこのお前、こいつを起こして列に並ばせろ。」

 兵士の一人が私に話しかけてくる。どうやら、私に起こせと言っているようだ。仕方ないわね。



 私は彼のもとに行き、体を揺する。そう言えば、この人は洗脳されているのだろうか?状態とか調べられないかしら?

『鑑定というスキルが存在します。使用しますか?』


 私ははい、と念じた。

「個体名:人間 津田浩二 LV.1 スキル:精神攻撃耐性(中)、熱耐性(下)、怠惰、安眠、鑑定、鑑定妨害、精神魔法(中)、火魔法(下)、水魔法(下)

 称号:怠惰の王、睡眠の王

 ステータス:HP-120 MP-120 PA-140 MA-100 PD-50 PD-60 SP-5 LP-100」


 鑑定ってここまで見れるんだ。便利だな。しかもこの人洗脳されてない。

「すみません、起きてますか?」

「うーん、もうちょっと寝かせて。」

「起きてください、殺されますよ。」

「まじで?」

 さっきからずっと寝ていたらしい。私は簡潔に今の状況を説明する。

「どうやら洗脳されていないのは、私とあなただけみたいです。あなたの鑑定妨害で異常状態を洗脳にしてください。そうすれば、洗脳されていないとばれないはずです。」

「ああ、わかった。僕もまだ死にたくはないしね。あわよくば、一日中寝てられるかも。」

「何言ってるんですか、早く立ってください。」


 王女は鑑定を使用して個人の能力を測っているようだった。どうやら、剣士型と魔術師型に分けているらしかった。そして私の番がやってきた。

「ふーん、あなたはね、全然いいスキル持っていませんわね。魔術師型。」

「はい。」

 私は案内された方へと進んでいく。どうやら、さっきまで寝ていた津田君も魔術師型と判断されたらしい。スキルが少ないなど文句はいろいろ言われたらしいが。





 私たちは部屋へと案内された。流石に操られているとは言え、異世界から来た勇者への待遇は素晴らしいものであった。一人一部屋きちんと準備され、専属メイドも一人ずついる。流石異世界だなと思うが、今はそれどころではない。普通に考えておかしい。

 しかし、確かに異世界に来ている。それは受け入れよう。そして、この世界につーちゃんが生きているかもしれない。私は部屋のソファに腰かける。



 世界の狭間を移動しているとき、確か叡智さんは時間軸がどうのこうの言っていた気がする。

『個体名:有栖川堤 の魂は二千年ほど前のこの世界に送られています。しかし、この世界に個体名:有栖川堤 と呼ばれる個体は存在しません。』

 二千年ね、そりゃ生きてないわよね。


『生きている可能性はあります。しかし、魂だけが世界の狭間を移動した場合、体はこの世界で得たものとなり、その時に名前はリセットされるため、探しようがないだけです。』

 でもさ、二千年生きるって魔女とかじゃあるまいし。

『特殊な条件下では可能です。探している個体は人間以外に転生している可能性もあります。もし、その転生先が龍種などであれば、生きている可能性は高いでしょう。』


 うーん、でも、今生きてないと思うな。だから、過去へ行くことはできないの?

『可能性があるとすれば時間魔法があります。しかし、これを極めたとしても過去には行けないようです。』

 なにか、他の条件があるということね。今は情報が少なすぎる。とりあえずは様子を見ましょうか。




流石に二回連続お休みと言うのはつまらないので、

<豆知識>(ストーリーとは全く関係がありません)

遺伝子頻度とは?

 遺伝子頻度とはある個体群に存在するある対立遺伝子(二つ以上)の割合のことです。対立遺伝子とは個体群内において同じ遺伝子座にある遺伝子が異なっている遺伝子のことで、有名なものだとエンドウ豆の丸型、しわ型などがあります。

 遺伝子頻度の例えとしては血液型があります。日本ではA:O:B:AB=4:3:2:1と言われています。対立遺伝子としてはA,B.Oがあり、A:B:O=3:1:6となります。(およその値です)


いつも読んでいただきありがとうございます。

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