表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/90

逃走

警備していた騎士たちが、慌てて俺を止めようとした。


「止まれ!」


「どけ!邪魔するな!」


フレイムソードで騎士たちを切り捨てる。


ライトならともかく、てめえらみたいな雑魚に俺が止められるかよ。


闘技場から脱出した俺は、一目散に王城に逃げ込む。王を始めとする多くの者たちが闘技場に集まっていたので、中にいたのはわずかなメイドや警備兵のみだった。


「きゃああああ!」


「偽勇者が来た!」


騒ぎ立てるメイドや立ちふさがる兵士たちを切り捨て、血だらけになりながらも目的の部屋にたどりつく。


「シャルロット!」


いきなり飛び込んできた俺を、シャルロットは驚いた顔で迎えた。


「光司様、どうされたのですか?そんなお姿で」


確かに今の俺は、素っ裸の上全身切り傷だらけ、火傷だらけの酷い有様である。


「ライトにやられたんだ。奴は今すぐにでもここに来るだろう」


それを聞いて、シャルロットの顔にも恐怖が浮かぶ。


「今すぐ俺を元の世界に戻してくれ!」


俺の頼みに、シャルロットは頷いてくれた。


「わ、わかりましたわ。ですが、その代わり私も連れて行ってください」


「そうだな。ここにいたら殺されるだけだ。二人で逃げようぜ」


俺たちは金になりそうな金貨や宝石とコカワインをバッグに詰め込むと、二人で城の奥にある「召喚の間」に行く。


そこは壁一面に白い文字で計算式のようなものが描かれていた。


「これはなんだ?」


「伝承によると、光の神コスモスのお姿の一部を壁に書き写したものといわれています」


シャルロットは壁の一部に手を触れて、呪文を唱える。


すると、白い文字が輝きだし、「召喚の間」に扉のようなものが浮かび上がった。


「さあ、いきましょう」


シャルロットが扉を開けると、そこには懐かしい日本の俺の家の映像が浮かぶ。


ああ、このオンボロ屋は間違いなく俺の家だ。俺は帰れるんだ!


「ああ、一緒に俺の世界に行こう」


次の瞬間、俺は宝が入った鞄を掴むと思い切りシャルロットを突き飛ばし、扉に飛び込んだ。


「光司様!」


「わりいな。元の世界じゃ俺はただの高校生なんだ。女連れていけるほどの身分じゃねえんだよ。うちは貧乏なんで、てめえみたいな役立たずの無駄飯ぐらいを養う金もねえしな」


中に入って内側から閉めると、扉が消えていく。


「そんな!私を見捨てるなんて!」


向こうからシャルロットの悲鳴が聞こえるが、もう俺には関係ない。


「あばよ。なかなかいい思いができたぜ」


そう言い捨てて、俺は異世界への扉が消えていくのを見守る。


こうして、俺は元の世界に帰ることができたのだった。






「逃がしたか」


煙が晴れると、光司の姿は闘技場から消えていた。


まあいい、どうせ奴はこの王都から逃げられない、あとはゆっくり追い詰めて殺すだけだ。


「勇者様の勝利だ!」


「勇者ライト様!万歳」


何か民衆が騒いでいるが、俺は無視して『耀きの球』を道具袋から取り出すと、天高く放り投げた。


「『防御結界モード』発動」


俺の命令を受け、空に浮かんだ『耀きの珠』からオレンジ色の光の結界が発動し、王都を覆う。


「これで王都は光の結界に包まれた。何人たりとも逃げ出せないだろう」


俺の言葉に、審判面で闘技場に残っていた宰相がおもねるように口を開いた。


「な、なるほど。奴を逃がさないように結界を張ったのですな。では、さっそく逃げた光司をつかまえて……」


「必要ない。奴は俺が追い詰めて殺す」


俺は宰相の言葉をピシャリと否定する。


「そ、そうですか?あ、あの。なぜ剣をお仕舞いにならないのでしょうか」


レーザーソードを掲げてジリジリと近づいてきた俺に、宰相は不安そうな目を向けてきた。


「それはな……次はお前たちだからだよ」


そういうと、俺は宰相の首を一気に刎ね飛ばすのだった。


「何をするのじゃ!」


貴賓席で見ていた国王が仰天したような声を上げるが、俺は無視して騎士たちに切りかかっていった。


少しでも

「面白い!

「続きが気になる!

「更新がんばって!」

と思ってくださったら、

ブックマークと広告下↓の【☆☆☆☆☆】からポイントを入れて応援して下さると嬉しいです

また、感想も募集してますので、よろしくお願いします


既刊案内


反逆の勇者と道具袋


挿絵(By みてみん)


https://www.cmoa.jp/title/1101158644/


貴族のお坊ちゃんだけど世界平和のために勇者のヒロインを奪います

挿絵(By みてみん)

https://www.cmoa.jp/title/1101157774/


無駄の従者にして闇の黒幕

挿絵(By みてみん)


https://www.cmoa.jp/title/1101234719/


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=569357356&s
― 新着の感想 ―
[気になる点] 現世に帰れたとしても魔法や技使えるのかな? 魔法に必要な異世界特有の根源力や神=コスモスに依存する類のものだったら ただのアル中&ジャンキーではないか。 そんな無力かつお宝持った状態…
[気になる点] 光司くん、ただの高校生(健康体)に戻れたのかね? それとも、勇者(麻薬依存症)という名の大災害wのままなのだろうか。
[気になる点] えっ?逃げちゃったの?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ