44 VS黒ローブ戦②
駆け出した俺はすぐに、戦いやすいようにととある策を実行した。
「ファイアウォール!」
黒ローブ4人をバラけさせるために使った火魔法の『ファイアウォール』は、しっかりと役目を果たしてくれた。
その勢いで距離を一気に詰めていく。
「なんだこいつ?」
「死ぬためにやってきたんだな」
「殺すか」
俺の存在にしっかり釘付けになった黒ローブ3人組は、構えていた武器を、すぐ近くに迫っていた俺目掛けて同時に攻撃をしてきた。
しかしこれくらいの攻撃は簡単に避けることが可能だ。
タイミング良く3つの攻撃を当たらないように避け、そのまま一気に勝負を仕掛けることにする。
ここに来る前から魔力の制御をしていない俺は、
アイスランス!
口には出さずに魔法を唱え、魔力を限界まで注ぎ込むと魔法陣は一瞬にして展開され、3人に向かって超至近距離で発射された。
「「「!?」」」
急すぎる出来事だったせいか、もしくは予想外すぎた出来事だったせいか3人はギリギリで反応をするも『アイスランス』の攻撃をモロに受けてしまった。
戦闘不能になった黒ローブ3人組を確認すると同時に、
「よし。エル、交代するよ!」
「了解だ」
エルに対して交代の合図を送る。
エルもそれに反応して、黒ローブの攻撃をタイミングよく躱すと、俺と立場を交代させた。
「予想以上、か。さっきの狼といい、貴様は何者だ」
先ほど倒した黒ローブ3人組が戦闘不能になっていることを確認した目の前の黒ローブは、俺に対して不思議そうに尋ねてきた。
こういう時って普通は答えないのが正解なんだろうけれど、聞かれたからには答えるしかないだろう。
「普通の冒険者です」
「なるほど。素性は明かさないということか」
いや、素性は明かしてるのに、俺は普通の冒険者なだけなんだけど。
色んな意味で納得をした目の前の黒ローブは再び武器を構えてくる。
「だが、貴様は俺の強さに負け、王都が滅ぶ事を見れないだろう」
ん? 王都? 王都ってことはギルバデンスのことか? となると、王都ギルバデンスが滅んでしまうということなのか?
「ーーって!?」
間一髪、黒ローブの攻撃を避けてしまい、声が漏れる。
「やるな」
しかし黒ローブの攻撃はそこで止むことはなく、一撃、また一撃と攻撃をしてくる。
鞘に入れておいた剣を一気に抜き、俺はその攻撃をしっかりと弾き返していく。
その行動をしばらく続けている間に、黒ローブの表情が少しだけ目で見ることができた。
なんというか、どこか焦っているような雰囲気を出していた。
いつまで経っても終わらないこの繰り返しを黒ローブは攻撃を止めて、終わらせてきた。
そうだ、
「王都ギルバデンスが滅ぶってどういうことですか?」
これを聞いておかなければならない。
「そのままの意味だ。今日、王都は滅び、この世界から一生消える。そして俺たちの国が出来る」
話を聞いた結果を簡単にまとめると、リーナや他にお世話になっている人たちが危ないということだろう。
となると、この黒ローブを一刻も早く倒して、王都ギルバデンスに俺は戻らなければないけない、リーナを1人にさせてしまう、それだけは絶対にダメだ。
「それだけは絶対にさせない」
気づけば俺はそんなことを口にしていたのである、きっとリーナを心の底から守りたいと思っている証拠だろう。
となると、この黒ローブは絶対にここで倒さなくてはならない。
だが、手加減をしないといけないな、戦闘不能にした後でウイゴーンがこの黒ローブから話を聞かないといけないだろうし。
俺は、リーナやお世話になった人たち、王都ギルバデンス自体に危害が生まれないようにするために目の前の黒ローブとの戦いを終わらせることを決めた。




