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17 守りたい①

少ないです。

 まだ昼だけれど、少し天気が悪く思える。

 まあ、『森の怪物』が動き出している予兆からなのかもしれない。


 「リーナ。ちゃんと帰ってくるから、今日は家で待っててね。あとでステフォさんが来ると思うから」


 正直なところ、俺が『森の怪物』のいる森に行くということをリーナに伝えるのは、違うだろうなと感じた。

 なにが違うのかわからないのだが、直感的にそう思ってしまったのである。

 そういうわけで、俺はリーナに対して、少しシルルの森に言ってくるということにして伝えたのだった。


 「……うん。気を付けてね……パパ」


 俺が作った昼ご飯を食べていたリーナは、可愛い笑顔でそう言ってきた。

 なんというか、言葉にするのが難しく感じてしまうくらいにとてつもなく可愛い笑顔である!


 こんな笑顔を見てしまって、こんなことを言われてしまったら……リーナのところに絶対に帰ってこないといけない、そんな気持ちになってしまう。

 いや、そんな気持ちになってしまうというか、絶対に帰ってこないといけないのだけれど。


 「あぁ、ちゃんと帰ってくるから!」

 「うん……!」


 その後、俺はリーナの面倒を軽く見た後に『森の怪物』のいる森に向かう準備を始めたのだった。


 ◇


 準備を始めてからしばらく、特に持っていくものはなかったのでミドルさんのところへ早めに移動をしていた。

 ミドルさんたちがいるところへ着くと、ミドルさんたちはまだ準備をしていたみたいだった。


 「ミドルさん、今来ました」

 「おう、ナギルくんか。あと少しで準備が終わるから、待っててくれよ」

 「分かりました」


 そんな会話をすると、ミドルさんは終わっていない準備の続きをせっせとしていく。

 んー、俺も少しは手伝った方が良いのだろうか?


 「あー、ナギルさん。少し手伝ってくれ」


 どうしようか迷っていると、準備をしていた男性からそう言われた。

 まあ、特になにかをして待つというわけでもないから、断る意味はないだろう。


 「はい、今行きます」


 そういうことで、俺も準備を手伝うことにしたのだった。




 準備を手伝ってニ十分くらいの時間が経っただろうか。時計を見ていないから、完璧にはニ十分くらいの時間が経ったかどうかは言い切れない。

 そして、準備はやっと終わった。


 「よし。それでは、俺たち十五人とナギルくんを含めている十六人で、これから『森の怪物』のいる森に向かう」


 チームというかグループというか……まあ、今回十六人のリーダー的存在にいるミドルさんは、シルルテ村を出る前にみんなにそう言ってきた。

それに反応をするようにして、ミドルさんに付いて行く十五人は付いて行く。

 俺もそれに遅れないようにして、急ぎ足でミドルさんたちのあとを追っていったのだった。


 「あ、ナギルくん。ナギルくんってなんか武器とか持ってた?」


 ミドルさんの隣に着くと、そんなことを聞いてきたのだ。

 そういえば、武器かぁー。……いや、持ってるな。


 「あ、はい。持ってますよ!」


 そう言いながら、俺は腰に引っ掛けるようにしていた剣を見せる。

 ただ剣と言っても斬れる部分がそのまま見えているわけではなく、ちゃんと鞘に入っている状態になっている。

 なので、間違って握った手を怪我してしまうということは起こらないのである。


 「あぁー、そういえば森に行った時に借りてたな。まあ、まだ人数分は余ってるし、そいつはナギルくんの物にしていいから」

 「え……そうなんですか。ありがとうございます!」


 そういうことで、返す暇もなかった剣は俺がもらってもいいことになってしまった。

 なんというか、またもらってしまった。今度何かを返さないといけないなー。


 そんなしばらく歩くこと、知らないうちにシルルの森を通過してしまっていた。

 それから、『森の怪物』のいる森はどこにあるのだろうと思いながら、目を凝らして遠くを見ていると、遠くの方にシルルの森に似ているような森が見えてきたのである。


 「もしかして、あそこに見えてる森が『森の怪物』のいる森なんですか?」


 そう思って俺は、隣を歩いていたミドルさんに質問をする。


 「うん。あそこに見えてるのが今から向かってる森で、『森の怪物』のいる森だよ」


 やっぱり、そうなのか。

 なんというか、もの凄く暗い雰囲気のオーラやヤバい雰囲気のオーラが出まくっている気がする。


 「いつもだったらあんな変なオーラを出してる森じゃないんだけどな、今日のは気を引き締めていかないとヤバいと思うよ」


 気がする、ではなくそんな気をミドルさんは感じ取っていたみたいだった。

 ということは、オーンさんやフォンさん、他も人たちも感じ取っているのだろうな。

 そんな感じで歩き続けること、『森の怪物』のいる森に近づいていく度にヤバいオーラがどんどん強くなっていることを感じ取ることが出来ていた。

 正直言って、こんな森に入って大丈夫なのか? そんなことを思ってしまいそうになる森だ。

 だけどそんなことを思ったとしても、結局は入らないといけないのである。


 ◇


 そして歩き続けて、俺とミドルさんたちは『森の怪物』のいる森の前に着いてしまった。

 ここからは、間違っても気を抜くということは起こしてはならない。


 「よし、手筈てはず通りで森の中を進んで行く。危ないと思ったらすぐに出るからな!」


 そんなミドルさん声を聞くと、『森の怪物』のいる森の中へと足を踏み入れていくのであった。


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