14 料理を作る
昨日はすみませんでした。
シルルの森にて運動をしていた俺は、シルルテ村に帰ってきていた。
そして昼の時間である。正しくは、昼より少し早い時間だ。
最近、というか二日三日くらいはシルルテ村の人たちからご飯を作ってもらっていたのだが、今日は俺が村の人数分でも作ろうと思う。
ただその前に、人数分のご飯を作らせてほしいというお願いの話をしておかないといけないな。
そういうわけで、俺は今、ステフォさんのところにやって来ていた。
ちなみにリーナも一緒である。
「こんにちは、ステフォさん」
ステフォさんの家に入るなり、そう声をかける。
「お、ナギルさんじゃないですか」
耳に入れた俺の声に反応してステフォさんは返事をしてくれた。
ステフォさんは何故俺がここにやって来たのかをすぐに聞いてきたのだった。
「それでどうかされましたか?」
何の用事もなくここに来るわけもないだろうなと分かり切っていられたらしい。
「はい、今日は俺がシルルテ村の皆さんに昼ご飯を作ろうと思いまして。本当はもっと早く言っておかないといけないものなんですがー、それでどうですかね? 作ってもよろしいですか?」
「ナギルさんの料理ですか!?」
話を聞いたステフォさんは驚きの声を上げた。
ダメだったのだろうか?
疑問に思っていると、
「作ってくださるというのなら是非、お願いしたいものです! 旅をしていたナギルさんの料理を食べられるのであれば、嬉しい限りですな!!」
作ってよかったみたいだ。
それも、俺が作るのを凄く歓迎されていたみたい。
なんというか、ありがたい気持ちになるな。
「本当ですか、ありがとうございます!」
「いえいえ、感謝をしてるのはこちらですよ。それでなんですが、準備などの方や昼ご飯の件については私の方から伝えておきますね」
「あ、はい。何から何まですみません」
ステフォさんは早速、俺が昼にご飯を作るという事をシルルテ村の人たちに伝えてくれるみたいだった。
本当にありがたい。
「……パパの作るご飯……楽しみ」
それと、俺の膝の上で小さく丸くなっていたリーナも嬉しがってくれた。
これはもう、俺が作るご飯を美味しいものにしなくてはいけないな。
そして最後に、そんなことをリーナとシルルテ村の人たちに向けて俺は心の中で強く思うのであった。
◇
それから時間は経ち、昼ご飯の時間がやってきました。
「パパ……何作るの?」
俺が目の前のテーブルに並ぶ食材を見ていると、そんな俺の姿を見ながら足にくっ付いているリーナがそんな疑問を言ってきた。
「ん? 何を作るのかって? さっきも言ったじゃないかー、昼ご飯を作るんだよ」
「……あ、そうだったね……パパのご飯楽しみ……!」
忘れていたのか、リーナ。
まあ、ちゃんと思い出してくれたから良いんだけど。
リーナはそう口にすると、本当に楽しみなのか俺の足を今よりもギュッと握ってきてくれた。
「しっかしー、どうしようかなー」
目の前のテーブルに並んでいる食材を見ながら、何を作ろうか迷っている最中。
作るんだったらこの世界には存在をしていない料理が良いだろうな。
……。
…………。
………………。
しばらく考えていると、視界の中で卵のような白色の丸いけど楕円形の食材が見えた。
この食材どこかで見たようなぁ。
そう思いながら俺はその食材を握って、
「これは!」
記憶の底で眠っていた、見たことのある食材と形が一致してしまう。
そう、その食材の名前こそ――卵だ。
白色の丸いけど楕円形……これを卵以外の呼び名はないだろう。
そう思いつつ、
「フォンさん、これってなんていう食材ですか?」
たまたま近くで俺の方を見ていたフォンさんに聞いてみることにした。
すると、
「ん? それはー、卵っていう名前の食材だよ。シルルテ村にはたくさんのニワトリがいるからな、それを育てつつ回収してるんだ」
俺の知っていた卵と同じだということを知ることが出来た。
そういうことなら、作るのは大体決まったかな。
ここまでくれば分かると思うが、俺がこれから作ろうと考えている料理は、オムライスである。
ただ、この世界にオムライスを作るにあたってのその他諸々の食材があるのかどうかといえば、俺にはわからない。
まあ、とりあえすは食材の確保である。
そういうわけでオムライスを作ることにした俺は、
「フォンさん、シルルテ村に住む人たちの人数分の卵を持って来てもらっても良いですかね?」
「おう、任せとけ!」
オムライスを作る準備を始めるのであった。
そこから時間はかからずにフォンさんはシルルテ村の人たちで、人数分の卵を俺のところへ持って来てくれた。
それと、その持って来てもらうまでの間に俺は、ここにある食材などを確認しておいた。
まあ、村っていうこともあって少ないのかどうかはわからないが、代用できる食材などはあったので、俺特製のオムライスを皆さんに提供をすることは出来るだろう。
「それじゃあ、始めるとしますか」
「うん……パパ、頑張ってね!」
「おう、美味しい料理食べさせるからな」
……そういえば、リーナが話せられるようになっていた気がした今日この頃。
それではまずは、卵を割って、容器に移して、混ぜていきます。
ただ、ここから俺特製なので一人で混ぜようとすると時間が大幅にかかってしまうので、フォンさんたちに手伝ってもらうことにした。
ま、時間がかからない方が一番いいしな。
それでなのだが、割った卵をそのまま容器に移すのではなく、黄身と白身は分けよう。
黄身は普通に混ぜる。白身は混ぜるのだが、泡が立つくらいまで混ぜるのが目安である。
しかし泡を立てれるほど混ぜていると時間がかかるので、フォンさんたちに頼む。
次は、フライパンを用意する。ここにはないので、代用品を準備。
火に関しては、俺の魔法があるので安心である。
火事を起こさないようにしよう。
フライパンに混ぜた卵を入れると、焼いていき、生地的なものを作っていく。
その工程を、人数分繰り返すのである。
そこまで仕上がったら、フォンさんたちに混ぜておいてもらっていた白身の回収。なのだが、白身はまだ使わない。
まあ、オムライスには卵以外にもお米が必要となってくる。
そういうわけで、次はライスの方を作って行こう。
ま、時間がかかることは想定済みだったので、早めの準備をしておいた。お米は出来てる、というかこの世界での作り方がわからなかったので頼んでおいた。
出来上がっているお米をフライパンの代用品に三人分くらい入れて、火魔法を使って温めていく。
そしてお米の入っているフライパンの中に俺特製(異世界バージョン)となってくる色々な食材を入れていく。
食材の名前がわからないので、ここはスルーしよう。で、それを混ぜていく。
そこからは、それの繰り返しだ。
しばらく時間は経って、お米と生地的なものとなるオムの方が出来上がった。
皿の代用品になるものにその二つを乗せていく。
そしてずーっと放置してた白身を、その上に少しずつ乗せていって、しっかり足りるように乗せていく。
「よし、出来ましたよ」
こうして俺は、オムライスを作り終えたのであった。
その後の話だが、オムライスは大好評みたいだったよ。
シルルテ村の人たちからは、凄く美味しかったと言ってもらえた。
ここまで言われるとは俺も思っていなかったので、オムライスを作った甲斐があったと思う。
なによりも、凄く美味しそうに食べているリーナを見れたので嬉しかった。
あ、後片付けは大変でしたよ。




