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13 少女のパパになる

久々の更新になります。すみませんでした。

 今日の朝は、リーナだけが早かった。

 体は起きる時間を覚えているのだけれども、それを超えてくるかのようにして、凄くリーナは早かった。


 何故かというと、


 「……おはよう」


 いつもは俺が起きてから起こすはずのリーナが、起きていたからだ。

 これには俺も驚きである。

 しかし俺の意識は実際の事を言ってみると、夢の中だったので、


 「……おはよう」


 まだ眠っている俺を見ながらリーナは、おはようを連呼し始める。


 「……おはよう」


 しかし連呼しても起きてこない俺を見て、


 「……おはよう」


 おはようを口にすると、俺の腹に乗っかってくる。


 「……おはよう」


 ポコン、ポコン、ポコンと力弱くでリーナが殴ってくる。


 「……おはよう」


 もう一度言うのだけれども、俺はしっかり意識なく寝ているよ?


 「……おはよう」


 すると、俺の腹に向かって何度も何度も同じ場所を殴っていたからか、地味に入ってしまった。


 「……おはよう」


 そして、


 「……はい……?」


 俺は目を覚ましてしまったのだった。

 目を覚ましたことで、俺の腹の上に乗っかっていたリーナと目が合った。


 「……おはよう」


 目が合ったことでリーナが挨拶をしてきてくれた。

 ただ俺の思考が止まってしまった。

 いや、だって、いつも俺より遅く起きていたリーナが俺より早く起きているんだよ? そりゃあ、思考停止してしまうくらいビビるよ……!


 「あ、うん。おはよう、リーナ」


 すぐに思考停止から復興させる。

 昨夜、リーナの父親になると決めたので、リーナちゃんではなく、リーナと呼ぶ。

 するとそれを聞いたリーナが、


 「おはよう……パパ……」


 そんなことを口にしてきたのだ。

 これに関しても、俺は驚いてしまい思考が停止する。


 ん? 今リーナはなんて言ったの?


 しばらくそんな疑問が頭の中のほとんどを占めており……しかしすぐに復興させた。


 「おはよう、リーナ」


 なんて返せばいいのかわからなくなってしまっていたのか、口から二度目の朝の挨拶が出てきてしまう。

 しかしそれに、


 「パパ……おはよう……」


 リーナももう一度言ってきてくれたのだった。


 ◇


 その後、めちゃくちゃ同じ事をループさせてしまっていた。

 理由は簡単、何を話せば良いのかわからなくなってしまっていたからである。


 それから時間は経って、朝食を済ませた俺とリーナ。

 今は、家で静かにしている。することがないので。

 リーナはというと、俺の膝のところで小さくなってしまっていた。


 しかしこの世界に来てからあまり運動をしていない、そんな気がしてならない。

 というか、そんな気しかしていない。

 たまには運動をして体を動かさないといけないなぁー。

 だが、運動をするにしても何をやろうか。


 「んー」


 リーナの頭を撫でながら、しばらく考えていく。


 「あっ!」


 一つは浮かんだ。

 しかし、その浮かんだものは、シルルの森に行くというものだ。

 だから、リーナをここに一人させてしまうということになるのだ。

 ということで、さすがにそれは避けたいところであったりする。


 「んー」


 再び、考えタイムに入って行く。


 ……。

 …………。

 ………………。


 「あっ!」


 しばらく考えた結果、一つ浮かぶ。

 それは、村の中を何周か走るということだ。

 これならリーナを家に置いていても大丈夫なのではないのだろうか。


 そこまで考えた時――、


 本当に、リーナを置いていっていいのか?


 ――俺の頭の中でそんな考えが浮かんでしまう。


 そんな考えが浮かぶと同時に俺は、視線を落とした。

 視線を落とした先には、気持ちよさそうに眠っているリーナの可愛い顔がある。


 そしてまた――、


 こんなにも可愛いリーナを、本当に、一人にさせてもいいのか?


 ――そんな考えが浮かんできた。


 そんな二つの考えが浮かび、


 「いや、それはダメだな」


 俺はリーナを一人置いて行くことを止めた。

 こんなにも気持ちよさそうに、こんなにも可愛らしいリーナを一人にするのは、昨夜の俺の決めたことに反するものになってしまうからな。

 しかしどうしようか。

 考えたものがここまで完敗にされてしまうと、これから考えるものも完敗になってしまうな。


 「んー、いっそのこと一緒に行くか?」


 もう考えが出てこなく、これ以上考えたとしても完敗になってしまうだろうと思ってしまった俺の頭は、勝手に口を動かしてそんなことを口にしてしまっていた。

 いや、しかし、それは逆に良いのかもしれない。

 たまには、というか初めてなのだが、一緒に外の世界を見るもの良いのかもしれないな。


 「よし、そうするか」


 というわけで、俺はリーナと一緒にシルルの森へと出かけることを決めるのだった。

 寝ているリーナを上手い感じで背中で背負った俺は、冒険者資格証とドリルバさんの名刺を家に置いて、家を出るのであった。


 ◇


 家を出て、シルルテ村を出てからしばらく、俺とリーナはシルルの森に着いた。

 ただ、リーナはまだ眠っている。

 天気が晴れているから、気持ちが良いのだろう。

 ここに来たことでもう一つ目的出来てしまったし、リーナは寝ていても良いかな。

 まあ、俺とリーナが離れ離れにならなければ、大丈夫なのだ。


 そういうわけで始めに俺は、ランニングから始めることにした。リーナを背負って。

 だが、リーナには走っている反動などを感じさせないようにしておかないといけない。


 「はっ、はっ、はっ、はっ」


 振動などを感じさせないようにしているからか、動きが最小限になってしまっている。

 まあ、動きが最小限でも運動を出来ているのならそれでいいかな。


 「……んー」


 シルルの森の中で走り始めてしばらく、俺の背中で気持ちよさそうに寝ていたリーナがそんな吐息を出した。

 もしかして、起きたのかな?

 そう思ってしまったのだが、ただたんに少しだけ動いただけだったらしい。


 「あっ!」


 走っていると視界の隅で、一匹のウサギが見えた。のんきに草を食べているらしい。

 しかし今の状況ではウサギを仕留めたところで持って帰るのは不可能なので、


 「諦めるか」


 無視して走り続けるのだった。


 ウサギを無視して走り続けてからしばらく、俺は出会ってはいけない存在に出会ってしまった。

 それは――ゴブリン。

 俺がこのシルルの森に転移してきた時、初めて見た魔物である。

 そして今、


 「ギャギャギャ!!」


 その魔物である、ゴブリンと向かい合っていた。

 正直なところ、ゴブリンから逃げるのが一番の策だろうな。リーナがいるし。


 だけど、今の俺からすれば、ゴブリンを倒しておきたい。


 そんな考えが今の俺の中にあるものだから、


 「ファイアボール」


 ゴブリンに向かって火魔法を唱えるのだった。

 突如として俺とゴブリンの間に、火の玉が現れてしまったことにより、ゴブリンは驚いてしまっていた。

 しかし驚いてしまっている間にも俺の唱えた火魔法のファイアボールは、勢い良くゴブリンの方に向かって飛んでいっていた。


 逃げる時間を与えないままファイアボールは、ゴブリンに直撃。

 そしてゴブリンは、燃えだした。

 時間が経てば経つ程、ゴブリンの体はどんどん燃えていって――そして、地面へと息を断ち静かに倒れていったのであった。

 その瞬間、俺の体が軽くなってしまうのを感じてしまう。


 「おぉ、ステータスが変化したのか……!」


 初めてゴブリンを倒した時にも感じることの出来た、言葉にはしにくい変化。

 今すぐステータスを確認したい気持ちはあったが、今はこの場所から早く遠ざかるのが一番だと考えて、離れることにした。


 その後、しばらくの間シルルの森の中を走っていのだが疲れてしまったので、シルルテ村に帰ることにしたのだった。

 まあ、リーナも目を覚まそうとしてたからね。


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