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0歳 ②

新元号発表されました。また歳くったな〜としみじみ思います。来月から新しい元号になるのでその時も同じく歳くったな〜っと思います。

しっかり抱かれた俺は安心したのかいつのまにか寝てしまい気が付いた時にはどこかの建物の中にいた。周りがガヤガヤと賑やかで『知らない天井だ…』とお決まりな事を思っていた。


「あっ、ガルさ〜ん。赤ちゃん目が覚めたみたいですよ〜」


俺の近くから若い女性の声が聞こえ視線を向ける。


「おぉそうか。悪いが〈アイリス〉さんしばらく見とってくれんか?もう少しで手続きが終わりそうなんじゃ」


少し遠くからガルの声が聞こえてアイリスと言う女性は「はぁ〜い」と返した。


暫くするとドスドスと足音を鳴らし近くガル達ドワーフ3人と軽鎧つけた男性、制服のようにピシッとした服を着ている女性が俺の周りを取り囲むように集まる。どうも俺はテーブルの上に寝かされているみたいだ。


軽鎧をつけた男性は「それでは私はここで失礼します」と言うとビシッと敬礼をして離れていった。


ガルは「世話をかけたの」と言い。制服姿の女性とアイリスはお辞儀をする。


男性を見送った後にダルがガルに話しかける。


「しかし兄じゃぁ、えかったんかいのぉ?冒険者ぁ引退するんはこの街に来る前から決めておった事じゃが、こん子を育てるために自分の店の出す資金を切り崩してまで引き取って育てんでも。3人で店を出す事はワシらの夢だったはずじゃろ。店を出す事を諦めてしもうたんかぁ?」


「………(コクッ)」


ダルが話す内容に俺は『え?』っと驚き眠っている間に何があったのか気になった。


「さっきも話したじゃろダル、ドル。お前達には悪いと思っとる一緒に店を出す事ができなく訳じゃからな、ただ店は出すのがちょいと先に延びただけじゃ諦めてはおらん。それにこの街は孤児院がない。孤児院がある街に連れて行くにも赤ん坊の体力が持たんじゃろ。それともお前達はこの子をほっといて知らぬ存ぜぬをするつもりか?」


そう解き2人を説得するガル。


「誰も赤ん坊を見捨てるとは言っとらんぞ兄じぁ、育てるんじゃったら3人で育てればよかろぉと言っておるんじゃぁ。そうすれば兄じゃの負担も減るし店だって少し手狭になるができん事もなかろぉと思うんじゃがそれじゃいかんのかぁ?」


「…(コクッコクッ)」


「ダル、ドルよ。これはワシの我儘じゃお前達まで付き合う事はない。それにワシらドワーフが店を出すんじゃぞ売り場はともかく工房まで狭くしたんじゃ満足のいくもんも出来ん。パーティーリーダーであるワシの判断じゃ、悪いがその判断に従ってくれんかの」


そう言ってガルが頭を下げる。


「………わかった兄じゃぁ、兄じゃがそこまで言うんじゃったらその判断に従うしか無いのぉ」


「……………(コクッ)」


頭をかきながら渋々納得するダルと静かに頷くドル。


「さてそう言うわけじゃから〈メーリ〉さん悪いが仕事を紹介してくれんかの?」


そう言ってピシッと制服を着た女性、メーリに顔を向けながらガルが言った。


「はぁ〜、もう一度聞きますけど本当によろしいんですか?」


少し大きなため息の後ガルに向かって確認をする。


「うむ、もう腹は決まっとる」


「判りました。それで仕事ですが希望の内容からですと簡単に言うとギルド専属の解体師ですね。基本給は一月銀貨10枚で、それと解体した種類と数で決まる歩合制です。本当は教官とかの方が割がいいんですが今は十分な人員がいるのでこれしか無いのですが本当に宜しいんですか?」


「うむ、それで良いぞ。教官なぞ教える事はワシは苦手じゃしな。逆に裏方の方が有難いくらいじゃ」


銀貨10枚がどれくらいの価値なのかいまいちわから無いがギルドで働くらしいガルはニカッと笑いそれに同意する。


「では仕事場と職員寮に案内しますので付いてきてください。色々揃えないといけないと思うので仕事は5日後で宜しいですか?」


「世話をかけるの宜しく頼む」


話がまとまった所で「兄じゃワシらも店を出す準備のために商業ギルドに顔を出してくる。困ったことがあったらいつでも相談してくれ」と言って離れ「うむ、悪かったのお前たち」と言って2人を見送る。


人数が減って落ち着いた所で俺はふと気がついた。お股の違和感がないのだ。いつの間にと思ったが同時に空腹に襲われ大泣きしたい気持ちをグッと堪えグズル程度に抑え心の中で涙した。空腹を伝えるために泣くことしか伝達手段がないとはいえ精神的にくるものがある。


「うぅ、うぅぅぅ〜、ひっくうぅぅ〜〜」


それに気がついたアイリスが俺を抱き上げる。


「あらあら、お腹空いちゃったんでちゅかぁ〜?待っててくだちゃいね〜」


赤ちゃん言葉で俺をあやし何処かに連れて行く。

まさかこの子がと思ったがどうもそうでは無いらしい。元気で可愛らしい女の子ではあるが若すぎるし、とても出るとは思えない慎ましやかさだし。


さて何処にいくかと思ったら建物から出て向かいの建物入って「〈メリダ〉さ〜ん赤ちゃんがグズリ始めましたよ〜」と言ってカウンターの奥に入っていった。


「あらそう、チョット待ってね今この子に飲ませてる所だから……」


そこには赤ん坊にお乳を飲ませている女性がいた。

その女性は慣れた手つきでお乳を飲ませ終え赤ん坊の背中を軽く叩きゲップをさせ口まわりを拭いてベビーベットにその子を寝かしつけた。


「御免なさい待たせちゃったわね。襁褓を変えた時も思ったけどおとなしい良い子ね。待っててね今準備するから」


と言う事はこの女性、メリダがお股の違和感を取り払ってくれたらしい。俺は『マジかぁ〜』とショックを受ける。だって襁褓を変えられたとゆう事は見られたと言う事で……俺は深く考えることを放棄する。


「ハイどうぞ、アイリスちゃんその子を貸してくれる?」


そう言って椅子に座り直し俺をアイリスから受け取りおもむろに上をはだけさせ俺に豊満な乳房を近づける。

俺は内心パニックになる。精神年齢は成人しているのだ。それなのに赤ん坊の本能なのか空腹に耐えられずすぐに飲みたいと思ってしまった。

理性と本能の間に揺れ動くがやはりセイの本能か腹一杯頂きました。

「(ポンポン)…ケップ……」


メリダが俺の背中を優しく叩きゲップをさせる。


「沢山飲んだわね。〈アリス〉はあまり飲まないから飲ませがいがあるわね。フフフ…」


空腹から脱した俺は再び睡魔に襲われることになり先に飲んで眠っているアリスと言うメリダの娘の横に寝かされた。


隣に寝ているアリスを見るとスヤスヤと眠っており俺もそれにつられるようにして眠りにつく。

皆さん初めましてお久しぶりです?活動報告に書いたのですが何とか生存しております。

あまり間隔を開けずに書いていきたいのですが人生何があるかわからないので確実な事は言いませんm(._.)m


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