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脳筋聖女、転生死神を殴る。  作者: ドスパラリンチョ
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脳筋聖女、下ワードに襲われる

「なあサリエットちゃん。これは果たして作戦とは言うのかい? 俺が思ってる作戦ってのはもう少しスマートなはずなんだけど...。」

 黄色が不安そうに隣から聞いてくる。

 今、私たちがいるのは、山賊たちが占拠している集落から少し離れた場所にある茂みの中だ。

「何言ってるんですか。作戦なんてありませんよ?」

「えっ!? でもさっき、『作戦なら戦神の信徒である私に任せておいてください。完璧な作戦を考えますので。』とかいってたじゃないか。」

「まあいいましたがね。実は作戦が浮かばなかったんですよ。なので、私が信じる道をただ進むだけにしたんです。」

「自分の道を信じるのはいいことだけど、さすがにそれは自分の道を信じすぎかな。」

 先ほどからうるさい黄色を「見張りが来てますよ」と言って黙らせて、私は赤と緑をじっと待った。

 私の信じる道とは、つまりこうだ。まず、斥候である緑とそのサポートで魔法使いの赤を行かせる。そして、見張りが少しだけでも薄くなったら...全員で殴りこむ。山賊たちの人数はかなり多いと聞くが、そんなことは関係ない。適当にメイスで殴りまくってれば何とかなるだろう。もし少しでもヤバいと思ったら本気でダッシュで町に逃げる。それだけだ。大切なことだからもう一度言う。それだけだ。

 単純で弱そうに見えるが、割とうまくいったりもする。実際、いままでそれで何とかなったし。

 それから10分ほど待つと、煙玉が見張り台の前で打ち上げられた。色はもちろん蛍光色の緑だ。

「お、ありゃ合図の煙玉だな。それじゃサリエットちゃん、準備はできたか? さっさと終わらせて早く俺とワンナイトラブをしようじゃないか。」

「ワンナイトラブはしませんが、私としてもさっさと終わらせないと神殿に入れさせてもらえばいからさっさと終わらせましょう。」

 そう言って、私は愛用のメイスを構えた。そして、自分とパーティの皆に筋力増加の支援魔法を唱えた。支援魔法にはほかにも集中力強化や体力増加などがあるらしいが、私としては筋力増加があればいいだろうと思っている。しいて言うならば、体力増加が気になってるくらいだが、筋力増加で殴りまくっていればダメージを食らうこともないだろうし保留している。

「そうか。まあ気が変わったら教えてくれ。それじゃあ、突入!!」



「皆さん、もっと急いでください! 置いていきますよ?」

「おい、待ってくれえ! サンリエットちゃん強すぎない!? ねえ、強すぎない!?」

「そうだよ、少し待ってくれよ! っていうか、神官職って後衛じゃなかったっけ!? それに、なんで神官が躊躇せずに人間ぶっ飛ばしてんの!?」

「ああ、どんどん俺たちの常識が崩壊いく...。」

 後ろから蛍光色ブラザーズの悲鳴が聞こえる。

 何があったかというと...。最初は神官らしく後ろから蛍光色たちに筋力増加なり回復なりをかけていたのだ。だが、相手が人間だからか蛍光色たちの攻め方があまりにも不甲斐なかったために前に突っ込んだ。そしたら、いつの間にか蛍光色たちが後衛支援になっていたのだ。

(なんでこうなるんかね...。おっと危ない。なんか最近いつもこうな気がするなあ。戦神を信仰する仲間たちはいつも羨ましいだの神が降りただの言ってるけど女としてはなんか釈然としないんだよなあ...。)

 私がそんなことを考えながら山賊たちの頭を砕き、腹を吹き飛ばしていると、山賊たちの後ろのほうが騒がしくなってきた。

「お前ら、あんな小娘一匹に何を手こずっている。俺に任せろ、あんな奴すぐに手足と心を折って俺たちの慰み者にしてやる!」

「お待ちください、ロス様!」

 声と周りの感じからして、この山賊たちのボス格だろうか。

(やっとボスのお出ましか。やばい、めっちゃ漲ってきたああああ! さあ、やったるでええええ!)

「ロス様、もう少しでトイレットペーパーが届きます! もう少しその場でお待ちください!」

「むっ、そうか。今日のトイレ当番は確か確かジョニーの野郎だったよな?」

「はい、そうですが...。」

「あの小娘を捕まえたら、あの野郎はお尻ペンペンの刑だ!」

「ヒィッ! 恐ろしい!」

 ...どうやら、そのロスとかいうやつはお取込み中なようだから雑魚でも狩って出てくるのを待とう。



 それからしばらくすると、「ええい遅い!」という怒鳴り声とともにものすごい音がして、家が二つほど吹き飛んだ。そして、先ほどの山賊たちより一回り大きい奴が出てきた。どうやら、こいつがロスとかいうやつだろう。

「よお、小娘。随分と暴れてくれてんじゃねえか。どうだ、俺と遊ばないか?」

 そのロスとかいうやつはいやらしい顔をしながらそんなことを言ってきた。だが、私としてはそんなことよりもこいつの格好が気になる。どこが気になるのかって、こいつはただ今、恥ずかしげもなくアレを私に見せびらかしているのだ。

「あのさあ...。そんな汚いもの見せびらかして恥ずかしくないの? それに私は年頃の女の子なんだからそんなもの見せられたらたまらないんだけど。」

「はっ。俺の部下どもを蹴散らしといて何が年ごろの女の子だよ。それに俺の自慢の息子は見せびらかしても恥ずかしくねえぞ。どうだ、小娘。今降伏するならばこの息子のお掃除だけで許してやらないでもないぞ?」

「な、なにいってやがる。それをやってもらうのは俺うぎゃああああ!」

 横から余計な事を言おうとしていた緑は股間をメイスで殴って黙らせておいた。というか、さっきからのこの下ネタのオンパレードはなんなのか。もう既に私を殺しに来ている気がする。

「すみません、私今精神的にかなり弱っているんで少し黙っててもらえますか?」

 少しかわいそうに思った私はそう優しく緑に言ったが、当の本人は股間を抑えて地面にうずくまっている。その横にいる赤と黄色は青い顔をしてガタガタと震えながら緑を見ていた。

 私たちのそんなやり取りを顔をしかめながら見ていたロスは、緑を哀れみの目で見ながら言った。

「お前、そいつ仮にも仲間なんだろ? もっと大切にしてやれよ...。」

「うん、それもそうかもね...。まあ、切り替えていこう!」

「ザンリベッドぢゃん...。」

 緑から忌々しげな声が聞こえたが、今は戦闘中だ、気にしないでおこう。

「お前、可愛い顔して随分とおっかねえな。まあでも、俺の部下をたった一人であんなにコテンパンにした奴だ。実力は相当あると見た。」

「あんたらの仲間は雑魚しかいないの? そこそこやり手だって聞いてたけどそんなことないじゃない。現に私だって無傷だし。それに、戦場だというのにトイレットペーパーなんか持って殴りかかってくる奴もいたし。」

 私がそう言った瞬間、ロスが額に青筋立てて殴りかかってきた。

「おっとあぶなっ! なんだ今の! 私気に障ること言った?」

「ああいったさ! お前のせいで俺のところにトイレットペーパーが届かなかったのか! もういい、掃除させてしゃぶらせるだけじゃ足らん! 俺の自慢の息子突っ込んで一生喘ぐだけのメス豚にしてやる!」

 どうやらこいつの頭には肉欲しかないようだ。だが、肉欲しかない奴というものは女性の天敵。予想外の行動をしてくるかもしれないし気を付けておこう。

「私もかろうじて聖職者、その発言は許せない。もうさっさとあんたなんか潰して残りの奴らも全員ぶっ飛ばしてさっさと帰るに限るわ!」

 私のその発言が開戦宣言と見なしたのかロスは腰にぶら下げていたハンドアクスを振りかぶって突っ込んできた。

 私はその攻撃を避けず、メイスで受けた。避けるなんていうちょこざいなことはしないし、できない。でも、さすがは私が愛用するだけのメイス。ひびが入ることも腕の骨が折れるなんてこともなく受けれた。だが、メイスがハンドアクスの攻撃を受けきれても私の体はその衝撃を受けきれなかった。メイスで受けた私の体は、めっちゃ速いスピードで向かいにある家に突っ込んだ。

(いったたた。でもそこまで力が強いわけでもないな。この程度の攻撃ならあと千発くらい受けれる。でも、防戦一方っていうのも癪に障るしちょっと攻めてみるか。)

 そう考えた私は、クラウチングスタートの体勢をとり、そのままロスに向かって走り出した。ロスはこの行動が予想外だったのか、一瞬だけ動きが止まった。私はその一瞬のスキを突き、走ってる状態から思いっきりジャンプして飛びかかった。そして、体ごとメイスをロスの頭にぶち込んだ。

 私の本気のメイスを食らったロスは、家を三軒ほど貫いてぶっ飛んでいった。

「ああ~。こりゃ死んでるな。それに結構グロい死に方してるし。」

 流石は弓使い、多分この中で一番目がいい黄色がロスが飛んで行った方向を見ながらそんなことを言った。まだうずくまっていた緑は、それでも痛みが引いてきたのか顔だけこっちを向かせて安心したように言ってきた。

「よし、それじゃああとは残党狩りだな。俺はこれから一週間ちょい息子が使えないからお前らだけでもサンリエットちゃんと愛を育んでこい。」

「マックス、いいのか...?」

「ああ、もちろん。構わないさ。楽しんでこい。」

「ありがとう友よ!!」

(はあ。なんで男はこんなんなのかねえ。)

 私はわあわあ泣きながら抱き合ってくだらない友情を分かち合ってる蛍光色の馬鹿どもを放っておいて、ロスの浄化に向かった。今までの山賊たちはそこまで強くはならないだろうが、ロスはそこそこ強いから今のうちに浄化しておかないとアンデッド化したら後々大変なことになる。

 私が久しぶりに聖職者らしいことをしていることに感動していると、私はとある異変に気付いた。

 ロスの死体がないのだ。

どうも、ドスパラリンチョです。

まずは、一つお詫びを申し上げます。

投稿がしばらく空いて、申し訳ありませんでした。

今のうちに言っておきますが、このようなことは今後も何回かあると思いますので、そこをご了承いただけたら幸いです。

さあ、内容の説明に入ります。今回はちゃんとあるぞ~。

今回はタイトル通り、下ワード多めの回になりました。これは方針の変更ではなく、本性を現してきたと考えていただければそれでいいと思います。それにオブラートに包んでるから全年齢でいけるっしょ。

それでは、今日はこれくらいでお別れします。

読んでくれた方、ありがとうございました!

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