~アセンブル・インフォメーション~
魔法って大変だな。
俺の魔法で水浸しになっていたじいさんの部屋を俺とじいさんの二人がかりでやっと今拭き終わったところだ。
部屋を水浸しにしてしまったことを、何度も謝ったが、じいさんは笑って許してくれた。
優しすぎるぜ、じいさん……。
「そう言えば自己紹介がまだでしたね。俺はカイト、17歳です。」
遅いと思うかも知れないが、自己紹介は忘れていた訳じゃなく、ただ機会が無かっただけだ。本当に。
「カイトじゃな、わしはガロリックというものじゃ、ガロ爺と呼んでいいからのう。」
じいさんも同じく、自己紹介をしてくれた。ガロリックじいさんか、忘れないようにしないとな。
自己紹介が終わった所で、俺はガロ爺にこの世界のことを色々と教えて貰う事にした。
ここの文字は日本と同じ文字らしく、話す言葉もほぼ変わらないみたいなので、そこは心配要らないことや、お金は簡単な使用で、銅貨、銀貨、金貨があり、誤差はあると思うが、銅貨が日本円で100円、銀貨が1000円、金貨が10000円、だと思っていいということ。
この世界には、魔物がいて、魔物の素材は、硬かったり、特殊な効果があったりするので、高値で買い取ってくれることなど、本当に沢山の教えて貰った。
沢山この世界の事を聞いた俺は、夢では無いという可能性がある事も考えずには居られなかった。
「そうじゃカイト、街に出て魔法を学んだらどうじゃ?きっと凄い魔術師になれると思うんじゃが。」
「学べるところがあるんですか?」
教育機関みたいな所まであるのだろうか?
「そうなんじゃ、歳は関係無かったはずじゃから、入れると思うんじゃが。」
それならと、俺は立ち上がって言った
「ぜひ行ってみたいです!」
◇
「夢のクオリティ高すぎだろ…。」
そんな言葉が俺の口から漏れていた。
目の前の光景を見れば誰だって驚くはずだ。
ガロ爺に連れて来てもらった街は、それはもう、凄かった。
剣と盾を持って、防具を着た冒険者や、銀色に光るアーマーで身を包んでいる騎士、大きな帽子を被ってローブを羽織り、杖を持った魔術師等、ゲームから出てきたかのような人達で溢れていた。
時折毛で身を包んだ獣人っぽい人達もいて、人間以外にも知性を持った種族がいることが分かる。
「じゃあ、わしは家に帰るから頑張ってのう。困った事があったらワシの家に来ておくれ。いつでも相談に乗るからのう。」
「はい!ありがとうございましたガロリックさん。」
俺はそう言って、今来た道に帰っていくガロ爺を見送った。
本当に世話になったからな、いつか恩返しに行かないとな。
それはそうと、ガロ爺の説明だと目的の場所は、凄く目立つ赤い旗が立っている建物らしく、凄く目立つらしい。
街を探索しながら探してみるか、そう考えながら俺は足を動かし始めた。




