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三人寄れば修羅場と化す

 「全く今日はなんて日だ」


 「おや大和君、トイレにしては遅かったじゃないか」


 「すみません先輩。ちょっと変なのに絡まれまして」


 いや、あれはちょっと変ではなくかなり変なのだったな。


 「ふーん、それは大変だったね。それはそうとして、さぁ仕事をするとしようか」


 あー、そういえばそんなのもありましたね、2つ前の話の最後らへんで。


 「忘れてました」


 「君は5分前の出来事を忘れたと言うのかい?全く、仕事と言った途端に拒否反応を示して逃げたと思ったらこれだ…」


 「社会に出たら否が応でも働く事になるんですから、せめて学生のうちは遊びたいですよ」


 「ふむ…では仕事ではなく部での活動と言えばいいのかい?」


 どっちにしろめんどくさいので嫌ですって言ったら先輩きっと怒るよね。怒っても別に怖くはないんだけどめんどくさいからなこの人。


 「まぁその話は置いといて。何か飲み物下さいよ、喉乾きました」


 「はいどうぞ。ミルクティーだけどいい?」


 「ん、ありがと。…なんかぬるいな」


 しかし一度貰った物を返すのも無礼だろう。ありがたく頂くとしよう。


 「美味しい?大ちゃん」


 「うん、うまいよ」


 でもやっぱりミルクティーならあったかいやつがよかったな。


 「……ん?」


 「ん?なぁに?」


 なんで居るんだこの人。え、マジでいつ入ったの。


 「やだもぉ、大ちゃんったらそんな変な物を見るような目で見ないでよぉ〜お姉ちゃん照れる〜」


 変な物を見るような目で見てるのではなくて、変な物を見てるんだけどね。あと肩叩かないでくれませんかね、姉さん無駄に力強いし。


 「誰ですかぁ?勝手に入ってきて私の先輩に媚び売ってるこの雌豚さん♡」


 うわ後輩ちゃん怖い、怖いよ。語尾にハートついてるはずなのに怖い。これあれじゃん、ドラマとかでよくある修羅場じゃん。


 「大ちゃんのお姉ちゃんです。貴方こそなんですか?頭の中ピンク一色のクソビッチさん♡」


 これはもう僕の手には負えないと悟り、先輩の横に座った。


 「大和くん、君を巡って争いが起きようとしているから止めてきなさい」


 「あんなの僕の手には負えないですって。あ、いつものあれ取って下さい」


 「全く…。三日月堂の煎餅だね?少し待ちたまえ」


 先輩はあれとかそれでも大体意図が通じてしまうので時折エスパーなのではと疑う時もある。そんなわけないな、ちょっと抜けてるし。


 「三人寄れば文殊の知恵って言うけど、ここじゃ三人寄れば修羅場と化すねぇ…」


 「何を言っているんだい、君は。はいお茶」


 なんだかんだでお悩み相談とやらはやらなかったが、きっとこのゴタゴタで先輩も忘れているのだろう。やはり抜けていると思いながらお茶を飲みながら修羅場を眺めていた。

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