姉、大和守梗子は突然現れる
さて、余談ではあるが、僕、大和守大地には一つ上の姉が居る。どうしていきなりこんな事を言うのか疑問ではあるだろうが、どうか続けさせて欲しい。
僕の姉、大和守梗子を一言で表すと神出鬼没なのだ。急に現れて、急に消えてしまう。そんな神秘的でミステリアスな彼女だが、一つだけ例外がある。僕が5回以上咳き込むと、何処からともなく現れるのだ。
そして今、僕は4回咳き込んだがまだ止まりそうにない。あ、今5回目になりました。原因不明の咳が続くことって時々あるよね
「大ちゃーーーーーん!!!!!」
200m先の曲がり角から姉らしき声が聞こえた。またまた余談だが姉の50m走のタイムは6秒ジャストとまぁ速い速い。
「大ちゃん今5回以上咳したね!?風邪ひいた?喉に何か詰まった?大丈夫?お姉ちゃんが絶対助けてあげるからね!」
「わぁ、想像以上の速さ。梗子姉さん、そんなに抱き締められると苦しいよ」
それと先輩に引けを取らないその豊満な胸が当たってるからね。だがまぁ、何という柔らかさだろうか、こんなラッキースケベ滅多に無いよ。
ここまで読んだ読者の方ならもうお分かりであろう。そう、僕の姉は重度のブラコンなのだ。
僕も昔は姉にいつもひっついていたが、小学校高学年に上がるにつれて徐々に姉離れしていったんだ。が、この姉ときたら今年で18歳にもなろうというのにまだ弟離れができていないときた。
「ごめんね…本当はずっと傍にいてあげたいけど生徒会が忙しくてなかなか…本当にごめんね」
「はぁ…。いいかい姉さん、僕だってもう子供じゃないんだ。いつまでも姉さんに世話を焼かれちゃ格好がつかないじゃないか」
「私から見ればまだまだ子供よ。主に身長とかね」
「はいはいそうですか。僕はもう部活に行くからな。姉さんも早く生徒会に戻りなよ」
やや棘のある言い方になってしまったが、こうでも言わないと姉さんのためにならないのだ。別にコンプレックスを指摘されたから腹を立てているわけではない。