後輩ちゃんはあざとい
「後輩ちゃん後輩ちゃん」
「なんですかぁ?大和先輩」
「後輩ちゃんってあざといよね」
「あざといってなんですかぁ?」
そういうのを世間一般ではあざといと言うんだよ、覚えようね。
彼女は後輩ちゃんこと桃園 桜ちゃん。名前が桃園だけに頭の中まで桃色のあざといビッチである。ちなみに胸は先輩より小さいが貧乳とも言えない、まさに美乳である。あと髪の色が桃色なのは地毛というが真偽は定かではない。多分嘘だろう。
「やだぁ先輩全部声に出てますよ〜先輩のエッチ♪」
ほらあざとい。これで他校の生徒さんからも告白されるほどモテるんだもん、世の中あざとい女の子に優しすぎだよ。
「でもぉ、私他の女の子から嫌われてる感じでぇ、辛いですよぉ〜せんぱ〜い」
「うわっ…ウザッ」
しまった、つい本音を言ってしまった。これは僕の悪い癖だな反省せねば、戒めねば。
「ふえ〜ん先輩冷たいですよぉ〜」
ほらそうやってすぐ人に抱きつくのはやめなさい。僕だって健全な男の子なんだから意識しちゃうでしょ、ああいいおっぱいだ、じゃなくてああいい迷惑だ。
「先輩、私…今日は大丈夫な日ですよ♪」
何が大丈夫なの?これ何てエロゲ?僕の後輩がこんなに可愛いわけがないよ、なんだこれは夢かそうか夢ならいいよね。
「後輩ちゃん…」
「先輩…」
「…君たち、いつまでそうやってじゃれあってるつもりだい?」
「なんだ、天野先輩居たんですか」
「部室の扉を開けたら後輩2人がじゃれあっていました。これを見た私の心境を答えよ。配点はなんと10点だ」
「ふむ……なるほど、先輩も混ざりたかったんですね。さぁどうぞ、遠慮なさらず」
「正解は呆れているだ、この馬鹿者め…」
先輩はやれやれと言わんばかりに頭を抑え、胸ポケットから一枚の紙を取り出した。
「それなんですかぁ?」
「ん?ああ、お悩み相談だよ」
「お悩み相談?そんなものがなんで文芸部に?」
「それは今から説明するよ。さぁ、私達の最初の仕事だ、二人共、座りたまえ」
その時見せた先輩の顔は初めて見る顔だった。何をやるかは知らないがその時の先輩の顔はとても嬉しそうに微笑んでいて、とても可愛いと思った。
恥ずかしいから本人には絶対に言わないが。