プレイにあたっての心構え
さて、本論に入る前に少し書いておきたいことがある。それは人狼をやる上での態度についてだ。ここでいうことはマナーに関する心がけなので必要のない人は読み飛ばしてくれても構わない。また、議論の態度などについてはまた別に章を立てて書くつもりなので、ここではそういう話はしない。
これを読んでいる方は多かれ少なかれ人狼をプレイしたことのある方だと思うが、ここでひとつ大事な問いかけをしよう。そもそも私たちはなぜこのようなゲームをやるのだろうか。当然その答えは決まっている、もちろん娯楽、このゲーム自体を楽しむためにである。断言はできないが、仕事で人狼をやる人間などおそらくいないだろう。そう、このゲームはどこまでいっても遊びだ。なにをいいたいのかとお思いになるだろうが結論を急がないでもらおう。私たちはこの基本的な事実は絶対に忘れてはいけない。遊びはそれ自体を楽しむことが目的である、なにか別のものを目的としているわけではない。ゆえに、突き放すような言い方になるが楽しめないようなら人狼なんてさっさとやめてしまうべきである。言っておくが遊びだからといっていい加減にやれというわけではない、むしろ遊びだからこそまじめにやるべきだということもできよう。あまり関係のない話かもしれないけれども哲学の分野になにをもって人間たるかという問題がある、それにたいするひとつの答えは遊びを行えるということであった。遊ぶことこそが人間の本質であるという見方もあるのだ。
また、まじめに取り組めというのにはまた違った理由もある。それはこれが対人ゲームであるということである。このゲームで私たちが相手にするのはNPCなどではなく生きた人間である。またもや何を当たり前のことをとお思いになるだろうが、これもまた絶対に忘れてはいけないことだ。ゲームをプレイするのは自分ひとりではない。大体一回のゲームにかかる時間は二時間弱、それだけの時間を払っているのだからどうして無駄なことをしてゲームをつまらなくさせられるだろうか。なにもがちがちに硬くなってやれというわけではない、節度を守ってプレイすべきだということである。相手のことを考えて全員が楽しめるようなゲームを目指すことを心がけるべきだ。
もうひとつ対人ゲームという観点から書いておくべきことがある。よく人狼ゲームの悪いところに議論の際の口の汚さやプレイヤーの性格の悪さなどが挙げられる。議論をする以上ヒートアップしてしまうのも仕方がないのかもしれないけれども場合によってはゲームとは全く関係のない見るに堪えないような悪口、人格攻撃などへと過熱することがある。こうした事態は外から見ていて見苦しいし、実際に同村しているプレイヤーからしたらたまったものではない。
人狼から離れた一般的な話だがここでの問題と関係のある話なのでぜひとも書いておきたかったものである。ネット上におけるコミュニケーションについて簡単にだが述べておこう。人間のコミュニケーションは言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションにわかれている。要点だけかいつまんで話すと人間は対面状態では表情や身振り手振りなどから相手の感情や発言の意図を推測してコミュニケーションを行っているが、ネット上のような非対面状態では言語情報のみでのやりとりになるため感情の推測が困難になる、そのため相手の感情や意図を妄想によって勝手に補完してしまい、論争が激化しやすいのである。そうであるから相手の発言だけを素直に受け止めて相手の感情を深読みしないこと、落ち着いて一歩引いて自分を落ち着けてから対応することが肝心である。
だがしかし人狼、特に短期人狼では時間が限られている。ネットでのやりとりで熱くならないようにするためのアドバイスに、『時間を置いて対応しろ』というものがあるが、人狼では土台無理な話である。だからといってそれを諦めろと言うわけではない。少なくともこのことに対して自覚的であれば自分から発言するときも相手の発言を受けるときも冷静な対応をする上で役に立つであろう。
ではそろそろまとめに入ろう。ここで最も言いたいことは人狼ゲームに臨む上での基本的な心構えのようなものである。「ようなもの」といっているのはここで述べたことがあまりに一般論過ぎて人狼ゲームだけに限らないからだ。本来なら至極当たり前のことであるしwikiにもにたようなことが書いてあるから書く必要はないのではないかとも考えたが、やはり大事なことであるのでおろそかに出来ないと思い、章を個別に裂いて書いておいた。プレイする上でもこれらに自覚的であることは間違いなく人狼プレイヤーにとってプラスになるはずだ。
この章のまとめ
・人狼はゲーム。楽しくやろう。
・人狼は対人ゲーム。相手への配慮は忘れずに。
・ネット上のやり取りは過熱しやすい。気をつけろ。