第97話/説明を求む!
壊れた壁を通って出てきたのは、【パナギア:unknown】。
unknownって事は、独自プログラム?
でも、データが壊れていない所を見ると・・・どうなのだろうか?
「キュベレー。やっぱり、このタイミングで【聖母プログラム】呼び出したのね。」
「ん?マリア、あれは独自プログラムとは違うのか?」
マリアが言うには、やはりあれも独自プログラムらしい。
しかも、今までとは比べ物にならないくらいにとびっきり、やばいそうだ。
「おお!これが最後のプログラムか!よくやったぞ、キュベレー。こいつを倒せば、遂に!マザーは後回しだ。まずはこいつを!」
「あ!ダメです、お父様。」
お?あの瓦礫が降ってくる中、よく生きてたなあの二人。
というか、こっちを無視して狐仮面の奴、いきなりパナギアに突っ込んでくし。
それに引き換え、キュベレーは狐仮面を止めようとしてるな・・・何で?
『殿!マリアから緊急呼び出しがあったなの。それって、まだやってる?なの。』
おおい!このタイミングで、念話とかある意味、良い空気の読みだなシノ!
「やってる。というか、俺も何が何だかさっぱり。」
『ん!殿が意味不明なのはいつもの事なの。とりあえず、今から向うなの!』
シノ、何気に酷くないか?その扱い・・・お?早いな、もう転送してくるのか?
「ふぅ。KAIN。さっきのメールは何だったの?『キュベレーがががが』何て送ってくるから、気になって来たんだけど・・・え~っと、どういう状況なのかな?」
「って!お前かよ。」
まぁ、流石のCBもいきなりこの状況は説明無しには、わからないようだ。
という俺も、説明できないんだけどな!何もわからないから。
「馬鹿な!アドミニストレーター権限ですら、弾くだと!?キュベレー!何をしている手伝え!」
≪神よ。これは、どうすればよろしいでしょうか?≫
お?なんか、向こうの方で新しい展開が、どうやらあの狐仮面の攻撃が弾かれてるみたいだな。
それに、この頭に響くシステムボイスは・・・パナギアのか?
「マリア。あの変態が倒す前に、私達が倒さないとまずいんじゃないの?」
「・・・そうね。でも何の策も無しに【聖母プログラム】に挑むのは不味いわ・・・まさか、あれが権限を持ってる何て、最悪。」
既に倒す気満々で装備をしているメンバーを代表して、凛がマリアに提案してるけど・・・。
ふむ。マリアの言葉からするに、あれは相当やばいみたいだな。
その解答に、凛も何とも言えない苦虫を潰した様な顔してるし・・・。
まぁそれよりも・・・だ!
「なぁ、ちょっといいか?」
「何よ!KAIN。何か提案でもあるの?」
いや、いくら苛立ってるからって、そんなに噛みつかなくてもいいじゃんか凛。
・・・正直、パナギアよりも怖かったぞ。
「まぁ待てレディ。マスターの意見を聞いてからでも遅くは無かろう。」
「そうですね。どうやら、あの変態?さんもすぐには倒せないみたいですし。」
お?アチャーとアシュレーが止めに入ってくれたか。
それにしてもアシュレー、狐仮面=変態はやめて!俺も泣いちゃうから。
「わかったわよ!もう。」
「それで、KAIN。一体、何を言うつもりだったのかな?」
凛が納得した頃で、CBが差も平然と話を元に戻した。
というか、自然に溶け込んでるな、こいつ。
「ああ。いや、現状の説明をまずはマリアから聞こうと思って。」
俺の疑問点は3つ。
・一つ目は、凛が知る権利があるという話。
・二つ目は、あの狐仮面はCBの時からアドミニストレーター権限があったのかという事。
・三つ目は、【聖母プログラム】とは何か。
他にもいろいろあるけど、まぁ大まかにはこの辺りが重要そうだと思うんだ。
何せ、こっちは転送してすぐに巻き込まれて何がしたかったのか、正直わかってないからな。
「で、マリア。どうよ?」
「そうね。わかる所から説明するわ。」
マリアはまず、【聖母プログラム】について説明し始めた。
何でも、このプログラムは今まで倒された独自プロうグラムを、自立分散で作成した大元らしい。
「つまり、今までのプログラムはシステム上、必要だったアレの劣化コピーという事。」
「なるほど。それで今までのとは格が違うと言うわけね。」
でも、その割には今までのプログラムみたいに、いきなり襲ってはこないよな・・・何故?
「劣化プログラムと違って、アレはシステムプログラムに強制的に従わされるから。だから、キュベレーを神だと言ったのよ。」
ん?さっぱりわからん。
様は、今までの劣化版独自プログラムは個別に動けるが、大元の独自プログラムのパナギアは、システムプログラムの干渉を受けているということか。
マリアが言うには、権限レベルの話だとか・・・ん?アチャーどうした?何か考えてるけど。
「・・・確か、パナギアとは、生母女マリアの別名ではなかったか?ギリシャ語で全ての聖を意味するはずだが?」
「ルシファーさん、凄いですね。そんな事まで知っているなんて。」
本当に凄いよ、アチャー。
普通、そんな情報知らないぞ?
「その通りね。差し詰めあっちが聖母マリアなら、私はマグダラって所かしら?」
お!それは俺も知ってるぞ、確かキリストの復活を最初に目撃した人だよな?
ん?待てよ。そうなると、おかしくないか?
それだとマリアは・・・。
「すみせん、そちらの方々!お父様を止めてください!パナギアを倒させて行けません!」
俺の考えは、キュベレーが言ったその発言で、中段される事になった。




