第96話/あ!晩飯・・・この状況で行けるのか?
アシュレーと呉服屋で買い物をしていたら、マリアから緊急呼び出しが・・・。
「有ったから来たんだけど・・・何、この修羅場。」
「見ての通り。」
何で指定されたエリアに入った途端、目の前で狐仮面とマリアが対峙してるの?
「見つけたぞ、マザーワン。さぁ、大人しく私元に来い!」
「お断りするわ!あなたみたいなのは趣味じゃないの。」
え~・・・何この展開?
正直おじさん、ちょっとついて行けないよ?・・・お?誰かが転送されて来た様だ。
「マリア!一体、何があったの?緊急って事だから、学校からアクセスしたけど。」
「緊急という事で、急いできたのだが。マスターも一緒だったか。」
転送して来たのは凛とアチャーだった。
そういえば、凛と会うの久しぶりだな。
学校からって事は、やはり一流大学となると課題か何かが忙しかったのだろうか?
「凛、忙しいのにごめん。でも、あなたには知る権利があると思って。」
「知る権利?」
マリアの奴は一体、何を教えるつもりなのだろうか?
それにしても、相手の狐仮面・・・まさかCBじゃないよな?
一応、確認しておくか。
『来夢。今、EOWの【真実】【解き明かす】【空間】にDHMでログインして無いよな?』
メールはこれで良いか・・・さて、相手がCBなら何らかのリアクションがある筈だ。
「シノとGANTETUは・・・ログインしてないか。これで全員・・・厳しいわね。」
メールを打ち終えた俺の眼に入ったのは、集まったメンバーを見て厳しいそうにしたマリアの表情だった。
「ふん。マザーワンが何をしたいか知らないが、所詮はゲームデータ。数を揃えた所でこのた私に何ができると言うのだ。この、アドミニストレーター権限を持つ私に!」
「お生憎様。所詮、サーバー上の権限しか持たないあなたに、私達をどうにかすることはできないわ。それに・・・。」
ちょっ!なんか、地面が揺れる!地震か?地震なのか?!
「お父様、最終プログラム01が接近しています。」
「なるほど。それは丁度いい。」
激しい揺れの中見たから錯覚かもしれないが、なんか狐仮面の隣にキャラが増えてないか?
金髪のマリアに見えるんだけど・・・お?メール。
「・・・キュベレー。やっぱり、あなたが犯人。」
『何を言ってるの誡?僕、今食事中何だけど・・・というか、早く来ないと誡、また食べはぐるよ?』
ふむ。メールを返信して来たという事は、あの狐仮面はCBじゃないのか。
メールを打ってる様子は無かったしな。
あ、CBのメールで思い出したけど、今日から食堂再会だっけ。
この状況で食べに行くべきか・・・って!マリア?今、さらりと重要な事言わなかったか?
「キュベレーって・・・確か、今のEOWのバランス管理AIじゃなかったか?」
「その通りですわ。私は、このシステムの代行管理システムAI、キュベレーと申します。以後、お見知り置きを。」
ああ。やっぱりそうなのね。
これは落ちて食堂に行ってる場合じゃないな。
とりあえず、CBにも伝えるか。
「へぇ。私の劣化コピーにしてはお淑やかじゃない。さてと・・・皆、衝撃に備えて!来るよ!」
「マリア、来るって一体何が・・・きゃ!」
うぉ!何だ!?
突然の激しい揺れとと共に、狐仮面とマリアの間にあった壁が吹き飛んだ。
「レディ、危ない!」
「お兄さん!」
ぐふっ!横からの突然の衝撃で、吹き飛ばされてながら、揺れで動きが取れない凛をアチャーが助けるのが見えた。
んで、俺を吹き飛ばした謎の衝撃はというと・・・どうやらアシュレーの様だ。
「アシュレー。一体、何の・・・なるほど、助かった。」
「ごめんね、助ける為だったから。」
アシュレーが俺の横っ腹にロケット頭突きを決めた理由は、立っていた場所の惨劇で理解した。
揺れた反動で、天井の壁が落ちてきたようだ。
あのまま立っていたら、間違いなく一撃で圧死してただろう。
「皆、無事?」
マリアの言葉にそれぞれ返答はしているが、突然の事に少なくとも混乱している様だ。
しかしこれだけの衝撃、一体何が起きたん・・・なっ!?
ぶち破られた壁の向こうには、白い羽を生やしたとてつもなく大きい何かが見えたのだった。