第95話/呉服屋・・・恐るべし。
おっさんから新しい相棒を受け取ってから、3日が経った。
俺は今、【桃源の里】にある【呉服屋:月影】に、アシュレーと共に来ている。
俺がここに来る目的は一つだけ、そう!和服装備の購入が目的だ。
せっかく、おっさんが新しい相棒の生産に成功したんだし、やっぱり形は大事だと思うんだ、うん。
ちなみに生産の成功はしたが、やはり元通りにはならなかった。
まぁ最初から使ってた武器ということも有って、残念と言えば残念だが仕方ない。
それに、今の相棒もここ数日でかなり気にいってるしな。
【夜刀月下・白鞘】
これが、今の相棒だ。
黒霧の刀にあった毒属性は無いが、それ以上に厄介な効果がこの刀にはある。
斬った相手に流血効果を与えるのだ。
流血効果というのは、斬られた対象が激しく行動すればする程、ダメージが増えると言う物だ。
しかも、自然治癒では治らない効果らしい。
この効果がある武器は基本的に、対人戦でよく使用されるらしいが・・・全く、厄介極まりないな。
俺としては、効果以前に斬る度に返り血を受けるのを何とかして欲しい。
ついでに言えば、黒霧の刀もクリティカル時にはこの効果があった様だ。
なるほど、通りで時たま返り血を受けるわけだ。
「ん~。まぁこんなものか?アシュレー、どう?」
店の店員から受け取った装備一式を試着した俺は、襖を開けて聞いてみた。
「うん。似合ってると思いますよ!」
「ええ。お客様、大変お似合いでございますよ。」
襖の向こうで待機していた、アシュレーと共に店員も褒めてくる。
まぁ店員の場合は商売上の理由だろうが・・・まぁいいか。これにしよう。
「んじゃ、これ下さい。後、これらの装備とアイテムは売却で!」
「毎度ありがとうございます。」
さて、刀に合わせて新装した和装だが、着ていて悪い気がしない。
まぁそれもそうか、何せ今回は前よりも金があったからな。
かなり良い装備になっているはずだ。
まぁその分、財産の大半は消えたんだけどな。
今の俺のステータス&装備はこんな感じだ。
KAINの現状↓
<ステータス>
LV:26
HP:1400/1400
MP:1400/1400
経験値:125/15600
名前:KAIN
職業:剣豪lv8
ギルド:無所属
コール:3600c
特殊項目
ペット:九尾狐
<武器>
右手武器:夜刀月下・白鞘
左手武器:無し
追加スロット数:0
<防具>
頭:天狐の額当
上着:天女の羽織
上半身:夜雀の着物
腰:月兎の帯
下半身:鬼の褌
脚:鎌居達の草履
腕:天縫いの籠手
追加スロット数:0
<ジョブスキルカードスロット>
カードスロット1:体術lv8
カードスロット2:剣技lv30
カードスロット3:ステップlv7
カードスロット4:なし
追加スロット数:0
<固有スキル/発動可能スキル>
固有スキル:
・刀術強化
・剣双乱舞
・妖気装乱
・指南書【無刀骨法】・【抜刀術】・【心眼】
発動可能スキル:
・一刀流【五月雨】・【虎牙】・【無想】
アイテムストレージ
玉藻の護石・武術指南書・
和装一式のスキル【剣双乱舞】の他にも、今回は【妖気争乱】も付いた。
このスキル、店員の説明によると妖怪の名を持った装備を、3個以上装備してると出るらしい。
効果は、装備者への攻撃を一定確率で、完全に防いでくれるみたいだ。
それにしても店売りの和装装備って、何で良くなればなるほど、妖怪の名前とかが付くのだろうか?
これも開発者の趣味か?
ちなみに装備の色は、羽織と着物は藍色で、帯は白。
褌は赤となっている。
そして、前と完全に違うのは、着物が足首辺りまで長いって事だな。
まぁそのおかげで、袴の代わりに褌したんだけど・・・。
これ着てから気がついたが、裾が翻ったら褌丸見えじゃね?
まぁ何はともあれ、これで俺も完全復活だ!
「KAINお兄さん!えへへ、どうです?似合ってますか?」
お?アシュレーも何か買ったのか・・・そ、それは!まさか!
「き、狐耳・・・だ・・と!?」
振り返った先に居るアシュレーを見て、思わず俺は動きを止めてしまった。
だってアシュレーの頭には、いつものとんがり帽子ではなく、狐耳の付いたフードがあるんだぜ?
しかも、それがまた似合っているから余計に。
「・・・やっぱり、私じゃ似合いませんか?」
「そんなことは無い!むしろ、よく似合っている!」
アシュレーの不安そうな声で、思わぬ天使を見て停止していた俺の頭がすぐさま起動する。
まぁ起動したのはいいけど、思わず力説してしまった。
・・・あ。アシュレーが若干引いてる。
結局、アシュレーも狐耳フードを購入する事にした様だ。
それにしても、この呉服屋・・・何でそんなモノを置いてたんだろう?
恐るべし、呉服屋。




