第94話/ゲームの楽しみ方は人それぞれ!
さて、呼び出されてやってきました【ロックダンテ】!
待ち合わせ場所は、どうやらおっさんの工房みたいだ。
ついでだから、おっさんにさっき手に入れたアイテムを売り飛ばそう!
と言ってもあのエリア、アイテムGET率がかなり低いんだけどね。
5体狩っても、1個出るかどうか・・・。
「呼び出されたから来たぞ。」
「あ!ナイスタイミングKAIN!」
工房に入ったら、おっさんとCBが机に乗せた何かを見ていた。
CBが言うには、丁度いいタイミングらしいが・・・何の?
「おまえさん。さっそくで悪いが、欠片を渡してくれ!」
「欠片?」
はて?何のことだろうか?
鉱石類は売ったし、ガラス細工関係は持ってないし・・・何のことだろうか?
おっさんとCBの説明によると、鉄片というアイテムが必要だとか。
鉄片・・・何処かでみた様な。
ああ!黒霧の刀が破損した時に、アイテムストレージに有ったアイテムだ。
俺は、言われるままアイテムストレージを開くと、鉄片を探す。
多分、アイテムを売ってないからあるはずなのだが・・・何処だ?
グローブやらガガールの肉やらごちゃごちゃとアイテムが有る中、ようやく発見した。
アイテムGET率低い割には、いろいろ手に入ってるな。
ところで、この肉って食えるのだろうか?
「よし!確かに。待ってな!今作ってやるから!」
「無事できるみたいで、良かったねKAIN。この情報を調べてきた僕にも、少しは感謝してよ?」
はて?何の事を言っているのだろうか?
というか、おっさん。
鉄片を持って工房の奥に引っ込んだけど、それをどうするつもりだ?
「一体、何をするつもりなんだ?」
「え?ああ。ごめん。説明してなかったね。これから、刀を作るんだよ!」
ふむ。刀を・・・作る?
あれ?でも、刀って確か超レアアイテムで、生産の成功率0.1%未満のはずじゃ?
CBが言うには、何でも折れた刀の鉄片等がある場合、その生産成功率は50%まで上がるらしい。
ただし、同じ刀が出来るかどうかは完全ランダムらしいが・・・。
たまたま別件で調べ物していたCBが、この情報を聞きつけておっさんに相談したそうだ。
それにしても、良く俺が鉄片を持ってると思ったな。
「だって、KAIN。あの刀をずっと愛用してたから、もしかしたらと思ってね。」
物には魂が宿る物だよ~とか言ってるけど・・・それはゲームの世界にも通用するのだろうか?
まぁおっさん曰く、+10まで上げてあるので、鉄片くらいは有ってもおかしくないとの事。
それにしても、失ったはずの刀が戻ってくると思うと・・・すっごく嬉しいです!
「そうなると、マスターはまた和装に戻るのかね?その姿も似合っているとは思うのだが。」
お?そういえば、アチャーも居たんだよね。
発言が無いからすっかり忘れてたよ。
ん?アチャーと言えば、さっき・・・。
「和服はともかく、アチャー。さっきなんか言ってなかったか?ゲームを楽しんでるか?とかどうとか。」
「ああ。あの事か。何、ちょっと気になったのでな。」
アチャーはこう言いたかったらしい。
ゲームは楽しんでこその物。
今回の様な事件に巻き込まれている現状だが、それこそ義務とか責任とか考えず楽しむべきだと。
ん~?俺そんなに、気にしてる様に見えたのだろうか?
「ふっ。何、私個人の考えだ。気にしないでくれ。アチャーも今では気にいっている。」
「あ!・・・ごめんね、KAIN。」
はて?何故、CBが謝るのだろうか?
・・・理由は簡単でした。
俺が、余りにもアチャー(ルシファー)の事をアチャーと呼ぶので、どういう意味かとCBに聞いたらしい。
最初はアーチャーの言い間違いかと思ったようだが、真実は違うと知ってこの状態・・・なるほど。
「あ!いや、別になりきりが悪いわけじゃないぞ?うん。」
「ふっ。問題ない。私自信、わかってやっているからな。逆にマスターには感謝しているのだよ。」
ん?感謝?何故だろうか?
アチャーが言うには、意外と需要のある弓兵である自分が、なかなかPTに入れない原因が今まで思いつかなかったそうだ。
まさか、自分がかっこいいと思ってつけた名前のせいで、周りが引いてたとは思わなかったようだ。
「しかし、私はこの名前が最高にクールだと思っているのでな。マスター、これからも頼むぞ。」
「あ~・・・うん。俺はアチャーって呼び続けるけどな。」
だって、ルシファーって呼ぶの・・・なんか恥ずかしいじゃん?