第92話/これが所謂穴場って奴か!
「くらえ!ブレイクアロー!」
アチャーから放たれた矢が、目の前の集団を殲滅していく。
しかし、アチャ甘いな。少し敵が残ってるぞ!ん?
「行って!サンダーニードル!」
残った敵に、アシュレーの放った雷の槍が次々と突き刺さった。
わぉ!アシュレー、いつの間にそんな技覚えたの?
「ふぅ。KAINお兄さん!こっちは片付きました!」
うん、アシュレーいい笑顔。
でも雷で焼けた肉の匂いの中、その笑顔は・・・正直、怖いよ?
さて、俺達が何をしているかと言えば、レベル上げである。
まぁ俺が弱くてコンテニューになったので、アチャーの提案でまずはマイナスを無くす為に始めたわけだ。
メンバーは、アチャーとアシュレー、そして俺。
CBは何か調べる事があるとかで、何処かに行ってしまった。
レベル上げを始めて、3時間位経ってるわけだが・・・俺は痛感する事が一つ。
皆、強過ぎじゃね?
おかしいな?俺も一応レべ上げ頑張ってたはずなのに・・・この差は何?
何よりも驚いたのは、アシュレーが魔法のバリエーションを大幅に増えてた事だ。
この間まで範囲魔法しかなったのに、いつの間に。
とは言えPTを組んでる以上、俺も頑張らねば。
いつまでも経験値ドレインばかりでは、申し訳ないしね!
「さて、こっちも続きといきま・・・ぐふっ。」
「ルガァァ!」
ちょっ!まっ!待って、お願い待って!ラッシュやめて、俺死んじゃう!
俺が対峙しているのは【ガガール】というカンガルーみたいなモンスター1体。
え?何で一対一の対決してるかって?
理由は二つ。
一つ目は、この間の死亡で武器を無くした事。
2つ目は、このモンスターが、基本的にはパンチ攻撃しかしてこない事。
まぁこれもアチャーの提案なんだけどね。
ただ・・・ラッシュがあるなんて聞いてないんだけど。
「いい加減にしろ!このカンガルーモドキが!」
「ルガッ!」
ラッシュの切れ目に殴ったのに、ガードしやがった。
こいつ、できる!
って!バカな事やってる場合じゃなかった!
こうなったら仕方がない。アレをやるか。
「ルガァァ!」
「今だ!」
ガガールのストレートパンチをしゃがんで避けた俺は、そのまま足払いをかけた。
すぐさまを立ちあがると、バランスを崩して倒れたガガールめがけて殴る!
そりゃもう、ひたすら殴る!
「打つべし!打つべし!打つべし!」
まぁボクシングだったら蹴りは反則だけど、これはゲームだからいいよね?
「ル、ルガッ・・・。」
30発程殴った所でようやく、ガガールの体は砕けけて消えた。
「ビクトリー!」
「マスター。言っては何だが、それはいくらなんでもアレではないかね?」
え?ダメだった?
でも、相手モンスターだし・・・ほら、俺武器無いし!
「えっと~・・・KAINお兄さんの言う事もわかるんですけど見た目が。」
ま、まぁ確かに、見た目は仰向けに倒れた相手にまたがって、ひたすら後頭部を殴ってるからな。
・・・まぁ勝ったからOKって事で!
ちなみに、俺がラッシュを受けても死ななかったのは、例のヒートバトルのおかげだったり。
いや、殴り合いするにはあのスキルは有効だな。
「それで、マスター。経験値の方はどうだ?」
そういえば、殴り合いに集中してて見てなかったな。
<ステータス>
LV:24
HP:1250/1250
MP:1250/1250
経験値:-7509/14400
名前:KAIN
職業:剣豪lv6
ギルド:無所属
コール:440000c
特殊項目
ペット:九尾狐
「ん~?やっぱりまだマイナスだけど・・・え?」
あれ?なんかボスラッシュしてた時よりも、効率よくないかここ?
え?どういう事?
アチャーを見たら、なんかニヤって顔してるし。
「ふっ。気づいたか。ここのエリアは隠しエリアで、実は経験値5倍なのだ。」
「私も、ルシファーさんに初めて連れてきた貰った時は、驚いたんですよ。」
なるほど、通りでアシュレーが急成長してるわけだが。
というか、初めからここに案内してくれればよかったんじゃ・・・。




