第8話/遂に来たよ!始まりの町・・・え?
町の中心に設置された噴水が特徴的な、中世のヨーロッパ風建築物が立ち並ぶ。
ここは始まりの町、【リムタウン】。
前回死にかけた俺だが、CBが【帰還の巻物】とか言うアイテムで開いた魔法陣を通り、ようやく町へ辿り着いた。
CBは何やら難しい顔してるけど、どうも【帰還の巻物】は高額なアイテムらしい。
「そうだよ。全く、感謝してよね。これ一つで着物がいくつ買えるやら・・・。」
「悪い、CB。この借りは、いつか覚えていたら!」
CB?っと不思議そうに首を傾けるので、説明・・・というか、本当にこいつキャラ似合いすぎだろ。
少しの間、悩むような百面相をしていたCBだが、どうやら納得してくれたらしい。
とりあえず、簡単に町の説明を受ける。
どうやら、この町は噴水を中心に4つの道があるらしい。
町の北側には、聖堂協会というものがあり、主にクエスト受注や転職、カードスキルの強化をしてくれるらしい。
また、ギルド登録所や各ギルドハウスなども協会の近くに有るとのこと。
ちなみに、教会ではないのかと聞いたところ、宗教的なものではないので協会であっているそうだ。
町の東側は市場になっており、武具・アイテム等のNPCが経営する店の他、ユーザー経営の店から個人の露天販売まであるらしい。
町の西側は聖王神殿という、所謂町や指定ダンジョン入口へ有料で転送してくれる所だそうだ。
CBはここから俺を助けに来てくれたらしい。
そして、現在俺達がいる南側の道は町の外へ出る門がある。
「そういえば、CBよ。良く俺の場所が名前だけでわかったな。」
説明を一通り受けた所で、疑問に思って聞いてみた。
「大変だったんだからね。この狐装備を買ってなかったら無理だったよ。」
どうやら、今CBが装備している狐装備(狐の尻尾と狐耳)を一式揃える事で発動するスキルを使ったらしい。
【固有スキル:神知】
これは1回使うと30分は使え無くなるが、ユーザー名・モンスター名等で対象の探知された瞬間の場所を表示できるらしい。
ぶっちゃけ、これチートレベルの技じゃね?
「それはそうと、KAIN。そろそろ落ちないと、晩御飯食べれなくなるよ?」
「え?もうそんな時間・・・。」
CBの言葉に、メニュー画面の時計を見る・・・18時。
寮の夕飯が始まるのは18時30分だが、確実に手に入れる為には確かにそろそろ部屋を出ないとまずい。
「町中なら、安全に即ログアウトできるから。僕、先に行ってるね。」
「ちょっ、ログアウトの仕方を・・・。」
光に包まれた残像を残して、CBが消えやがった。
そして、ゲームの説明書を読んでいない俺はログアウトがわからない。
とりあえず、メニュー画面を開いてみる。
各種画面の表示やら設定やらいろいろ項目が並ぶ中、一番下にログアウトボタンを発見。
その項目を選択した瞬間、俺の意識は途切れた。