第83話/何で、こんなに問題多いの?
「そろそろ、話を戻すわよ。と言っても、後気になる事と言えば・・・あれくらいかしら?」
「あれって?何かあるんですか?」
幸恵さんの意味深な発言に、アシュレーが代表する感じで質問した。
ちなみに、アチャー遅れてきた分をおっさんから簡単に説明を受けている。
「これは私の元部下からの情報なのだけれど・・・眞田が最近、EOWのAI制御プログラムを頻繁にバックアップしてるらしいの。」
「別にそれだけなら、問題ないんじゃない?この間みたいに、いつ爆発するかわからないんだし。」
俺も凛の意見と同じだ。
バックアップを頻繁にするだけなら問題ないと思うのだが?
幸恵さんが言うには、どうやらそれだけではないらしい。
確証は取れていないが、どうやら個人のデータ媒体に保存している可能性があるらしい。
どうやら情報提供してきた元部下は、有るらしいってだけで追求するわけにもいかず、元主任の幸恵さんに相談してきたらしい。
「まぁどちらにしても、今の段階で眞田を追求することはできないわね。とはいえ、それなりに私の方も動く予定だけど。」
どっちにしても、その辺りの詳しい事は俺にはわからないし、幸恵さんに一任するしかないな。
「時にお前さん。先程、使い手に目星がついたとか言っていたが?」
「ああ。一応目星は付いてるんだが、問題はどうやって接触するか何だよな・・・ん?ちょっとスマン。」
おっさんに返答していたら、外部コール表示が出た。
俺は断りを入れつつ、すぐさまアプリを起動する。
「はい。武見ですが・・・。」
『誡兄!そっちに来兄戻ってる?』
出るなりいきなり本題とは、俺の知り合いって何で皆こうなんだろうね?
それにしても、由梨の奴なんだか焦ってるような?
「いや、今部屋の様子はわからないから何とも言えないが・・・何かったのか?」
由梨の話によると、あの映画館爆発から来夢は一度も家に帰って無いらしい。
その事で、来夢の母親であるゆめちゃんが心配し過ぎで倒れたらしい。
いや、ゆめちゃん。心配し過ぎでしょ?
あいつもう大学生だよ?・・・まぁ今までの経験上わからないのでも無いが。
『こんな事、高校生の時以来だよ。誡兄、あの時みたいにどうにかならない?』
あの時?・・・はて?高校生の時何があったっけ?
基本的に俺、ダークハンド・マスターやってたくらいしか・・・あ!
「いや、あの時見たいに女に間違われたからって、拉致られる事は無いと思うが・・・」
『でも、あの来兄だよ?』
まぁ確かに、あいつが拉致られかけた事は何回かあるが・・・あれ?そいや由梨は知らないのだろうか?
「・・・由梨。知らないのか?あいつ、高一時の事件があってから合気道やってるから、正直今の俺より強いぞ?」
『へ?それマジで?』
うん、マジで。
そのおかげで高二からは拉致未遂になったんだけど・・・正直、あれでよかったのだろうか?
だってそれか何だぜ、あいつが好戦的になったの。
何はともあれ、来夢を見つけ次第、由梨に連絡すると約束し、アプリを終了した。
さて、これはそろそろ本気で何とかしないと不味そうだ。