第82話/それでいいのか?社会人。
俺の話からマリアが予想した、狐仮面の行動はこうだ。
まず取得したキーワードを使い、イベントフィールドへ
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そこのエリアボスに、ある程度ダメージを与えた所で、特殊スキルでデータにアクセス。
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元々のボスモンスターを上書きするように、独自プログラムを呼び出して撃破。
え?そんな簡単にできるのそんな事?
「正直、私とマリアの解析ミスね。まさか、独自プログラムの方を呼び出していた何て。」
「でもこのやり方なら、KAINのブレイクダウンでも可能よ?それに、アクセス先のサーバーが必ず爆発するわけじゃないから安全率は上がるし・・・敵ながらいい手だと思うよ?」
え?どういう事?俺、もう既に話に着いていけないんだけど・・・。
幸恵さんとマリアの説明はこういう流れらしい。
人目のつかないボスに攻撃をする。
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ある程度弱った所で、相手のデータにスキルでアクセスし、独自プログラムの痕跡があった場合そいつを呼び出して戦う。
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呼び出す際、独自プログラムが負荷をかける様仕向けられたサーバーと接続、独自プログラムが破壊された際、そのサーバーに負荷がかかる。
なるほど。玉藻がリンクが繋がった感じがすると言ったのはこのせいか。
それとボスモンスターを始めに通常攻撃するのは、弱ってデータが不安定になった方が上書きし易いからだそうだ。
ちなみに、俺が気を失ったのは独自プロうグラム消滅時に、脳に対して一定の負荷がかかった為、安全装置が作動したかららしい。
「今まで、相手の居る所へ向かって行って倒す事を前提としてたから、これは盲点だったわ。」
「なるほど、確かにこれなら、独自プログラムを倒しても場合によっては俺達がアクセスしてるサーバーは無事のままで居られるわけだ。」
幸恵さんの説明を理解したのか、おっさんは一人で納得して頷いている。
よく見ると、他のメンバーも各々理解できているようだ。
あれ?もしかして、この説明でうまく理解できていないの俺だけ?マジで?
「殿、ようは爆発はするけど、自分の居場所じゃなくて、遠くの何処かでと考えればいいなの。」
「それじゃだめよ、シノ。KAINの奴、余計混乱するわ。」
ぐっ。確かに、シノの説明で余計に混乱したのは事実だけど・・・ちょっとひどくありませんか、凛さんよ。
「で、でも、それだと独自プログラムの破壊で何処かのサーバーに負荷がかかる事は変わらないですよね?」
「そうね。でも、あなた達の安全率はあがるわ。」
まぁ確かに、サーバー毎吹っ飛んで、キャラクターデータ無くなりましたじゃ、どうやっても勝てないからな。
最悪でも、爆発に巻き込まれないだけでもありがたいだろう。
「それでKAIN。あんたDHM見たいに、ブレイクダウンを使いこなせるようになったの?」
「いや、それはまだだが・・・使い手の目星がなんとなくついた。だから、そいつから教われば。」
いや、だって・・・あの決め台詞、どう考えたってあいつしかいない。
まぁ凛は俺の解答に不満なようで、教わるってどうやって教わる気だとか言っているが・・・。
そういえばあいつ、家に戻ったのだろうか?
「すまん。遅くなった。」
そんな他ごとを考えていたら、家の中にアチャーが入ってきた。
「アチャー。何処に行ってたんだ?居なかったから心配したぞ。」
「すまない、マスター。会社のビルが爆発してな。一度ログアウトしていた。」
アチャーの説明によると、こういうことらしい。
いつも通り会社から業務をサボって、ログイン。
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独自プロうグラムの消滅により、アチャーの会社内にあるサーバーが爆発。
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安全装置によりゲームが中断され、リアルに戻ったら仕事先が炎上中。
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他の従業員と共に、屋外へ脱出。
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自宅に戻って再度ログイン。今ここ。
「そのおかげで会社が休みになったのでな。これからは時間に気にする必要がなくなった。」
「いや、仕事中もやってたんだから、余り変わらないだろう。」
それにしても、アチャーの会社・・・本当にこんなんのが働いて大丈夫なのだろうか?




