第81話/起きる直前のまどろみって・・・最高だよね?
「KAIN。生きてる?いい加減、目を醒ましなさい。」
まどろんでいた俺は、誰かの声を聞いた気がする・・・まぁ気のせいだろう。
正直、実際に聞いたのか、それとも幻聴なのか眠くて判断がつかない。
とりあえずここは、幻聴だった事にして本能に従い再び来る眠気に身を任せよう。うん。
だって、眠いし・・・。
「KAIN!いい加減に起きろー!」
「おわぁ!びっくりした・・・一体何が?」
俺の耳に響いた声のせいで、俺の眠気はすっかり吹き飛んだ。
全く、一体誰がこんな事をし・・・ん?マリア?何故ここに居る?
というか、ここ何処よ?
「ようやく、起きたね。気分はどう?」
「・・・耳がズキズキするんだが。というか、ここ何処だ?」
なら問題ないね。とか言って、マリアの奴はこちらの状態を完全スルー。
つうか俺、何でこんなコンクリートの上で寝たんだ?
そもそも寝る前、何処で何をしてたんだっけ?
「どうしたの?KAIN。」
「いや俺、どうしてこんな所で寝てたのかと・・・あ!」
思いだした・・・俺、独自プログラムの消滅と当時に気絶したんだ。
はっ!玉藻は?
慌ててアイテムストレージを開き、玉藻の入ったカプセルがあるか確認する。
・・・どうやら間にあったようだ。
「よかった。玉藻は無事だったか。」
アイテムストレージ内にカプセルを見つけ、そのままウィンドウを閉じる。
「それで、KAIN。そろそろ、何があったか教えて欲しいんだけど?」
マリアの説明によると、独自プログラムが消滅時に発する負荷プログラムを検知したので、来たら俺が倒れていたとの事。
そういえば、独自プログラムが消滅したのに、何で俺助かったんだ?
それにアチャーは何処に行ったのだろうか?・・・先程から姿が見えない。
一緒に居たはずなのだが・・・。
ここで起きた事とアチャーがいつの間にか居なくなった事を俺から聞いたマリアは、何かを考え始めた。
「それで、マリア。何かわかった事はあるのか?」
「一応は。でも、ここだと説明するにもいろいろ不味いわ。一度、ローカルエリアに移動しましょう。」
考えごとが終わったマリアは、それだけ言うと魔法陣を展開し、その上に乗る様に促して来る。
≪ MOVE ≫
魔法時に乗ってシステムボイスを聞いた俺が、次に居たのは【リムタウン】の入り口だった。
とはいえ、何か違和感を感じる様な・・・なんだろう?
「こっちよ、ついてきて。」
マリアの案内についていく途中で、違和感の現任に気付いた。
そうか、人が少ないんだ・・・でも何で?
「なぁ、マリア。何でこんなに人が少ないんだ?」
「ここは、ママの端末内に設定されたローカルエリアだからよ。一般の人にはここのアクセスアドレスはわからないわ。」
ふむ。どうやらここは正式運用のサーバーではないようだ。
「とりあえず、中に皆いるから、入ったら私の考えを話すわ。」
「了解。できるなら、俺でもわかるレベルでお願い。」
連れられて入った一件の家には、アチャーを除く事件を知るメンバーが揃っていた。
って、あれ?ここにもアチャーが居ない?・・・もしや運悪く檻から抜けられなくてデスったか?
まぁアチャーだし、いいか。それよりも今はマリアの考えだな。
その内デスペナ受けて帰ってくるだろう。
消滅して無ければだけれど・・・消滅してないよな?




