第77話/俺の努力は常にこうなる運命か・・・。
一応、前回の会議で、今後の方針は決まった。
俺の役割も決まった事には、決まったのだが・・・。
「これ、どうにかなるものなのか?」
左手を見ても、一向に発動する気配が無いのだが。
俺の役割は、スキル・ブレイクダウンを安定して発動する事なんだけど・・・。
正直、全くと言って良い程発動する気配が無いんだけど・・・どうやったら発動するのこれ?
「ふむ。我が主はお困りの様じゃのぅ?」
「ん?玉藻か。どうした?」
そうえいば、あの膝枕放置の一件以来、あって無かったな。
相変わらず、餌は自前で調達してるようだけど・・・。
「何、久しぶりに主が来たからのぅ。また忘れられる前に、顔を出しておくのも一興かと思ってのぅ。して、何をしておるのじゃ?」
うっ!それを言われると、耳が痛い。
今絡んでる一件を玉藻に説明してから思ったんだけど・・・説明して良かったのだろうか?
考えたらこいつも俺のペットとは言え、ゲームシステムの一つなんだよな?
まぁ細かい事は気にしないでいいか。
きっと、何とかなるな、うん。・・・なるよな?
「ふむ。話はわかった。しかしのぅ、そう何度もやっても発動しないのでは、何か条件が必要なのではないかのぅ?」
「条件?」
なるほど。確かにそれは有るかも。
とは言え、今まで発動した状況を思いかしえても、条件何て思いつかないぞ?俺。
「そうじゃのぅ。例えば・・・才色兼備の美人狐と接吻を交わすとかはどうじゃ?」
「・・・それ、玉藻の欲望だろう。」
今まで、そんな発動条件無かったし・・・この狐は何を言っているのだろうか?
「冷たいのぅ。ちょっとした戯れではないか。良いじゃろ?主を悪い気にはしないゆぇ。な?」
う~ん?なんか、玉藻の様子がおかしい様な・・・もしかして、発情期?
いや、このゲームに発情期なんてあるのか?
ん?なんか体が傾く様な・・・って!押し倒されてる!?
「なぁ?良いでわないか?我が主よ、体が火照ってしょうがないのじゃ。」
「何考えてるんだ、玉藻!てか、敵!敵いるから!」
俺の話を一切聞いてないし・・・ん?なんか玉藻、熱くないか?
「ちょっと待った、玉藻。・・・お前、熱があるのか?」
「先ほどから申しておろう。わらわは体が火照ってしょうがないじゃと。」
え?このゲーム、ペットって風邪引くの?
とりあえず、玉藻のステータスが面を開いて見る事に・・・チャーム?
おい!誰だよ!玉藻にチャーム効果をかけたの!
「キュルル!キュルル!」
なんか甲高い鳴き声が聞こえた様な・・・蝙蝠?
・・・あ。犯人みっけ。
そういえば、この辺り、アップデート以降【プチパイア:レベル12】が湧くんだった。
このモンスター、弱いくせにチャーム効果の攻撃をして来るから厄介なんだよな。
かかると体がうまく動かなくなるし・・・いろんな意味で。
さて、このままだと俺、玉藻が邪魔で袋叩きコースなんですけど・・・。
「キュルル!キュルル!」
「うるさいのぅ。邪魔じゃ!」
おお!流石、元ボスモンスター。
適当な攻撃なのに、一撃撃破ですか・・・ん?
「・・・ふむ?主よ、これは続きを楽しめばよいかのぅ?」
「いやいや、ここ敵陣真っ只中だからね?いろいろ今、ピンチだかね?」
何とか、理性を取り戻した玉藻を連れてダンジョンを脱出したわけだけど・・・。
「何故?こんな事に?」
「ダンジョンじゃ無ければよいのであろう?さぁ、主よ。もっと優しく撫でてたもぅ。」
・・・あれ?おかしいな。何で毎回こうなるんだろう?
結局、玉藻が満足するまで安全地帯でブラッシングする事になった。
・・・玉藻の奴、ブラシを携帯してるとか、用意周到過ぎだろ。




