第76話/討伐者。人、それをハンターと言う!
そんなわけで、始まった対策会議なわけだが・・・。
「ぶっちゃけ対策する必要あるのか?」
だって俺の代わりに敵を倒してくれるわけだし、正直問題ないんじゃね?
ちなみに、この場に桜花狂乱メンバーが居ないのは、連絡が取れなかった為らしい。
ふむ・・・CBの奴、こっちにも居ないか。
一体、何処に行ったのだろうか?
まぁ別に心配はしてないけどね・・・ほんとだよ?
・・・話を戻すとするか。一人って寂しなぁ。
「それが、問題だらけなんだよね。誡が倒してくれないと、私の権限取り戻せないし・・・。」
「今の所、救いなのはマリアから奪った権限を持った独自プログラムが倒されて無い事ね。あれが倒されたらどうしようもないし。」
あ~・・・そういえばこのAI、権限奪われてたんだっけ。
有能そうに見えて、意外と残念仕様なんだよな。
製作者としてその辺どうよ?
「ママ。KAINが私をどう思う?って。」
「最高に、可愛い娘に決まってるじゃない!何を今さら?」
ああ、なるほど。マリアが残念仕様なのは、この人のせいか・・・。
というかマリア、さっきも言ったが人の思考を勝手に読むなよ。
こいつの場合、予想じゃなくて本当に読んでいるから達が悪い。
正直、自分の考えが筒抜けとか、マジで怖い。
「とりあえずだ。今、わかっている事はあるのかね?」
「わかっている事だけでも、教えて欲しいなの。私も頑張って考えるなの!」
なんだろう?今日のアチャー、めちゃくちゃ真人間に見える・・・中身、あれなはずなのに。
一応、マリアと幸恵さんの解析の結果、わかった事がいくつかあるようだ。
一つ目は、独自プログラムを倒したのは、俺と同じで特殊スキルの持ち主である事。
二つ目は、相手は特殊スキルを使いこなして、的確にターゲットの元へ移動している事。
三つ目は、この件に関して、大型掲示板で警告文を出している事。
ふむ。やっぱりこのスキルが鍵になるのか・・・ん?ちょっと待てよ?
「なぁ、マリア。俺以外にも誰かにスキル与えたのか?」
「与えてないよ。多分、眞田じゃないかしら?」
なるほど。確かにこの現状を一番解決したがってるのは、あいつだろう。
そうなると、討伐者・・・ハンターとでも呼ぶか。
ハンターは、KC社の人間だろうか?
「それはないわ。KC社の人間にしては、リスクを考えてる動きとは思えない。」
「どういう事ですか?」
俺もアシュレーの疑問に同意、リスクとは何だろうか?
「だって、独自プログラムが消滅する際のリスクを、彼は知っているはずだもの。」
「なるほどな、確かにそうだ。事が公になれば、会社が追うリスクがでか過ぎる。」
おっさんの言う事がもっともだな。
そう考えると・・・ハンターは一般ユーザーなのだろうか?
それにこの考えだと、矛盾が・・・。
「それはそれで、おかしいのではないか?もし、リスクを考えるならば、いくら解決の為とはいえ、眞田がいつまでも放置しているとは思えんのだが。」
だよな・・・俺も、アチャーの意見に珍しく同意だ。
結局の所、その辺りの明確な情報は見えてこないようだ。
「やっぱり当面は、あんたがスキルを使いこなせるようになるしかないみたいね。」
状況が進展しない事に、こっちを見ながら凛がため息をついてるし・・・俺、悪くないよ?
あ、強化と言えば・・・。
「それなんだが、考えたらスキルカードを購入すれば手っ取り早く底上げできるんじゃね?」
「「「あ!」」」
え?何、その今気が付きました的な反応。
おっさんとアチャーはともかく、凛は何故か怒ってるし・・・何で?
「何で、そういう事を早く言わないの!?」
「凛、殿は悪くないなの。この場合、忘れていた私達が悪いなの。」
お?珍しく、シノがフォローをしてくれるとは・・・。
「でも、スキルカード増やしても、特殊スキルを使いこなせないとだめなんですよね?」
「・・・やっぱり、殿が悪いなの。」
アシュレーの一言でシノの奴、手のひら反しやがった!
まぁ確かに、使いこなせて無いが・・・何か発動条件があるのだろうか?
こうなったら、ハンターに掲示板で聞いて見るか・・・。
ん?そういえば、大型掲示板では何て名前で書き込んでいるのだろうか?
「書き込み内容は・・・まぁ在り来りなゲームの危険性を訴える文ね。ハンドルネームは確か・・・。」
ハンドルネームはDHMらしい。
はて?この頭文字・・・どっかで聞いた事ある様な?
まぁ気のせいだろう、うん。