第75話/あれ?ライバル登場?・・・俺、いらなくね?
さて、あの死亡フラグから一晩が経ったわけだが・・・。
あの後合流した由梨の話によると、由梨も来夢らしき人物を見失ったらしい。
ぶっちゃけさ、他人の空似だったんじゃないか?
って、思うのは俺だけですか?
まぁ実際、来夢に聞けばわかると言う事で確認を取る為、帰宅したのだが・・・。
結論から言うと、一晩帰ってきませんでした。
そして、タイミングが悪い事に俺には雫から、進展があったから戻って来いと呼び出しが・・・。
そんなわけで、来夢の事は任せて寮に戻ってEOWに入ったわけだが。
「何これ?どうなってるの?」
「あんたが、実家に戻ってる間にアップデートがあったのよ!」
凛の説明によると、今回のアップデートの件も俺達と関わってくるらしい。
まぁゲーム的には、未知のダンジョンを発見してレアアイテムを手に入れよう!的なイベント見たいだけど・・・。
「最大の特徴は、ランダムワードアクセスだな。ほら、お前さんにもあの転送門が見えるだろ?」
確かに今までに無い、転送用の門が窓の外に見えるな。
どうやらこのシステム、3つに区切られた用語を門に入力し、キーワードが通るとダンジョンへ転送される仕組みらしい。
あれ?似た様なシステムが昔のスタンドアローンなRPGに無かったか?
開発・・・もしかして、パクった?
まぁ、それは今はいいや。
それよりも問題は・・・。
「なぁ、何で皆勢揃いしてるんだ?しかも、マリアまでログインしてるし・・・。」
というか、マリアの件ってEOW的にもかなり重要な案件じゃないのか?
しかし、目の前には凛を始め、アチャーとアシュレーとおっさん、それにシノまでいる。
もしかして、意外と重要な案件じゃないのだろうか?
「問題無いわ。ここに居る人達には、私から事情を話してあるから。」
「それにここからは、協力者は多い方が良いしね。」
さりげなく、マリアが肯定している事はともかく・・・幸恵さん、あんた追われてる身じゃなかったの?
何、平然とEOWにログインしてるんだよ!
しかも、キャラクターの見た目、リアルそのままじゃね~か!
もっと悪い事に、キャラクターネームもリアルネームそのままだし・・・。
もし、誰かに見られたら・・・。
「ああ。KAIN、ママなら大丈夫よ。ここはママのホームだから他人は入れないし、ログも私が消すもの。」
「ここ、幸恵さんのギルドホームなのか。というか、さらりと人の思考を読むの辞めてくれ、マリア。」
ログインした瞬間、招待されるがままに入った建物が、まさか幸恵さん所有のホームだったとは。
ちなみに、ホームは各ギルドが金さえあれば普通に購入できる物件だ。
まぁギルド単位じゃないと買えないくらい、普通は高いんだけど・・・一体何をしたんだ、この人。
「マスター。すまないが、そろそろ話を進めてもいいか?」
「ああ、すまん。説明してくれ。一体どういう状況なんだ?」
アチャーの説明によると、俺が居ない間にいろいろあった様だ。
簡単に纏めるとこんな感じ。
事の真相を幸恵さんが、眞田にメールにて伝える。
↓
幸恵さんが独自プログラムを止めたい眞田の協力要請を受ける。
↓
眞田が独自プログラムの探索と共に、俺達が探しやすい様に転送門を設置。
↓
凛の提案で今居るメンバーに事情を説明し、独自プログラムの捜索を開始する。
↓
しかし、メンバーが見つける前に何者かによって、既に4体も倒されて爆発事件が連続発生。
↓
今後の対策会議をしよう!・・・今ここ。
ふむ。ここ数日の爆発事件はこれが原因だったのか。
あれ?もしかして・・・。
「なぁ、まさかとは思うが・・・一番新しい爆発って、映画館ってことは無いよな?」
「あれ?何で、知ってるんですか?」
アシュレー・・・それはね、俺がその爆発に巻き込まれたからだよ。
というか代わりに倒してくれる人居るなら、ぶっちゃけ俺いらない子なんじゃ・・・。