第74話/死亡フラグは突然に!
世の中、うまくいかないよね・・・。
「・・・全く、俺にどうしろと?」
ここで、質問です。
目の前は瓦礫の壁、後ろは炎・・・これで助かると思う?
おお?現実逃避している間に、なんか火が近づいてきてるんだけど・・・。
「マジで、誰か助けて。」
はい、何故俺がこうなったかと言うと、簡単に言って映画館が爆発しました。
ええ。そりゃ~もう、ド派手にドカンと。
数分前まで、黒歴史に悶絶してた事など忘れるほどに・・・。
まぁあれですよ、それだけなら良かったんですが・・・いや、よくないかもしれないけどさ。
由梨の奴が、逃げまどう人々の中に来夢を見つけたと言って、走り出したわけで・・・。
ほら、俺も一応保護者的な立場なので、追いかけましたよ。
そして、必死に追いかけた結果・・・見失いましたよっと。
ここで、一番の問題が・・・。
俺、方向音痴なんだよね。
そんなわけで、現在壁と炎の板挟み・・・そろそろ余裕無くなってきたんだけど。
これって、あれですか?
所謂、人生バットエンドってやつですか?
「・・・マジ、勘弁してくれ。」
あれだな・・・人間、死に近づくと意外と冷静になれるんだな。
何て言うか、現状を一言で言うなら熱い!
いや、どのくらい熱いって、もう少しで服に火が移りそうなくらい熱い!
って!このままだと、ガチで俺死亡フラグじゃね?
「おーい!誰か、助けて!ここ、人いますよ!ここ!誰かいないの!?ねぇ!?」
さっきから叩いてるのにこの瓦礫の壁、マジでびくともしない。
そろそろ本気で、不味くなってきましたよ?
何だか息苦しいのだが・・・酸素減ってね?
ん?こんな時に着信・・・だ・・と?
『誡兄!今、何処?』
「火と瓦礫の壁に挟まれて、現在進行で死亡フラグ全開中だが?」
あれだね、相手がすごく慌ててると何故か冷静になれるよね?
まぁ実際、俺が慌てるべき状況なのだが・・・。
『え?・・・まさかと思うけど。』
「多分、その通り。お前を追いかけた結果、道に迷ってこの通り。とりあえず、助けて!」
なんか、電話の向こうで凄く呆れた声で、助けてと言われてもとか呟いてるが。
正直、こっちは今にも死にそうなんだよね・・・主に酸素が。
「大丈夫か!?誰かそこに居るのか?」
「お!いる!助けて!マジ、死にそう!」
どうやら、壁の向こうに救援部隊が来ているみたいだ。
よし、これで助か・・・え?壁から離れろ?
いやいや、こっちは壁から離れたら火の中なんですけど・・・ちょっ!まっ!タンマ!マジで待って!
「よし!もう大丈夫・・・大丈夫か?」
「・・・ダメかもしれない。」
いやまぁ助かったけどさ。瓦礫を水圧で無理矢理抉じ開けるってどうなの?・・・正直、冷たいです。