第72話/女子高生の趣味は・・・俺には理解できないようだ。
はい。半ば脅されて、俺は今隣町のショッピングモールに来ています。
というか、そもそも納得いかないのが一つ。
「それにしても何で俺?来夢の奴が居るだろうに。」
「それが来兄ってば、実家に帰って来てから基本、いっつも何処かに出かけてるし・・・。」
なるほど。そのとばっちりが俺に来たと?
「そんなことよりも!ほら誡兄、映画行くよ!」
「映画?おい、ちょっと待て・・・一体何を見る気だ。」
映画が始まって30分で、俺は抵抗しなかった自分を呪いたくなった。
だってさ・・・これ、こってこての恋愛映画なんだぜ?
しかも、どう見ても、このストーリー・・・最後、泥沼だろ?
これが今時の高校生には面白いのだろうか?
・・・どうやら面白いようだ、由梨の目が物凄く生き生きしてる。
正直、そろそろ俺は限界なのですが・・・お?なんか話の展開が変わった?
え~っと・・・この映画は何なのだろうか?
ヒロインと思われる女性と主人公と思われる男性が、戦ってるんですけど・・・。
あれ?さっきまでめちゃくちゃ、ラブロマンスしてたよね?
「なぁ、由梨・・・これどんな話?」
「しっ!今いい所だから、黙ってて!」
はい。それにしても・・・妙に女性が多い様な。
まぁ黙って最後まで見てみますか。
・・・最後まで見た結果、最悪だった。
「いや~最高だった!」
「え?マジで・・・何処が?」
この映画で、最高と言える由梨の神経を疑うぞ?
だって、最終的にヒロインと思われる女性を殺して、なんか他の男とくっついたぞ?あの主人公。
「ええ!?誡兄にはわからないの?あの、何とも言えない禁断の恋に走る感覚が?来兄の相手してるのに?」
・・・ああ、わかった。どうやら俺の常識が通じないようだ。
どうやら、あの映画の新のヒロインは、男の方だったらしい・・・全く、何故俺を誘ったし。
「・・・それで、次は何処行くんだ?」
「お?乗る気になった?え~っと、ねぇ~・・・。」
いや、あんなの見せられたら、嫌でも気分転換したくなると思うのだが・・・由梨は違うようだ。
と言うか、来た時よりも生き生きしたまま、パンフレットを見てるし・・・俺も見て見るか。
お?ネカフェがあるのか。
ネカフェならVR機もあるだろうし・・・よし、これだ!
「由梨、ネカフェ・・・。」
「よし!順番は決まった!まずはショッピング行くよ!って、何してるの?誡兄、速く行くよ!」
・・・俺の意見は無視ですか?そうですか。
結局ショッピングの後は、カラオケ・ビリヤード・ダーツと周る事に。
その度に、言うネカフェ発言はことごとくスルーですか、そうですか。
そういえば、これだけ遊び倒しているが・・・受験勉強は大丈夫なのだろうか?
はぁ。ネカフェ・・・行きたいな。