表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
END OF THE WORLD ONLINE  作者: 岸村改
71/103

第70話/黒歴史・・・それは誰もが通る道。

「・・・どうしてこうなった?」


「あ!誡~。ねぇねぇ、一緒に飲も?」


現状、俺の目の前には酔っ払いが3人。


おかしいな、俺が風呂に行っている間に何があった?


「ゆめちゃん、これどういう状態?」


「あははは・・・まぁいつもの事よ。」


なるほど。むしろ来夢は今回の被害者か。


まぁ状況はなんとなく、理解できる。


大方、飲み始めた親父とおじさんに、来夢が巻き込まれたんだろう。


・・・というか、俺が風呂からあがるまで、待てくれてもよかったんじゃないかな?


ともかく巻き込まれる前に飯食って、さっさと逃げますか。


「それにしても来夢君は、また一段と可愛くなりましたなぁ。」


「ははは。なら、どうです?誡君のお嫁さんに。」


おい!そこ、酔っ払い二人組!何不穏な言葉を発している。


「いいですな。おい、誡!結婚式はいつにする?」


「・・・親父。寝言は寝て言え!というか、来夢は男だろうが!」


というか来夢・・・何でこっちを見つめている?


ん?違うか、こいつの場合、完全に酔っぱらって状況がわかってないのか。


「いや、誡君。性別は問題ではないさ。ほら、今何処かの国だと男同士でも子供ができる技術があるとか・・・。」


「いやいや、それ作った国馬鹿だろ!?というか、そもそも性別が問題だよ!」


何だろう、ダンジョンでボスを相手しているよりも疲れる・・・誰か助けて。


「誡・・・僕じゃ、ダメ?」


うっ・・・こいつ、状況わかって言ってるのか?


いや、わかってないな・・・と言うか、弱いなら飲むなよ、こっちの後始末も考えてくれ。


「はぁ。来兄も誡兄も相変わらずなのな。」


「あ!由梨ちゃんお帰り!」


ん?この声は・・・ああ、神は俺を見捨てなかったようだ。


振り返った先に居たのは、セーラー服に身を包んだ女の子だった。


彼女は、桜木さくらぎ 由梨ゆり、来夢の妹だ。


そして、俺にとっては神とも呼べる常識人だったりする。


「よ!とりあえず、座らないか?そして、お前の兄貴を相手してくれると助かる。」


「・・・誡兄、また私を盾にする気かよ。そもそも、来兄がこうなったのは誡兄にも責任あるんだからね?」


はい?それはどういうことだ?詳しい説明を要求する!


俺と来夢の間に座った由梨は何か呆れるようにため息ついてるし・・・俺、何かしたかな?


「・・・はぁ。覚えてないの?来兄が男の娘を辞めようとした時、そのきっかけを潰したの誡兄でしょ?」


え?何それ、覚えてない。


由梨の説明によると、こうなるらしい。


小学校に上がった来夢が、男の娘だと知れ渡りいじめられる。



いじめが嫌で、来夢が男の娘を辞めようと決意。



男の娘を辞めようとしてた来夢を俺が励まし、いじめてた相手をフルボッコ。



結果、男の娘化が進み、現在の来夢



・・・過去の俺、どうしてそんな事をした。


「ああ!それ、私も覚えてるよ。確か、来夢をいじめる奴は俺が倒すとか、言ってたんだよね。懐かしいなぁ。」


おい!俺の黒歴史!何てことをしてくれた。


今思えば、あの頃の俺、中二的な病気だったからな・・・多分、カッコ付けのつもりだったんだろうが。


・・・何て言う爆弾を残してくれたんだ、過去の俺。


「ちなみに、来兄はそのせいで誡兄に胸キュン状態になったわけだけど?」


「・・・そんな話、聞きたくなかったです、はい。」


全く、俺がこんなに黒歴史を発掘されていると言うのに・・・こいつ、寝てやがる。


結局、酔っ払い共は早々に酔いつぶれてるし・・・俺が黒歴史を暴露される必要無かったんじゃないか、これ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ