第59話/男なら一つや二つ・・・いや、そっちのデータはありませんよ?
これはどういうことだろうか?
俺は今、意外な人と再会しているのが・・・。
「雫。一つ聞きたいんだが・・・今日会う予定の人って、この人か?」
「そうだけど。何で?」
いや・・・これは予想できないって。
「私もびっくりだわ。君があの事件の当事者だったなんて・・・。」
その割には、驚いて居るようには見えませんけど・・・。
まぁ俺も驚いた事には驚いたけどね。
ふむ。ここはちゃんと、驚きを言葉にして伝えるとしよう。
「俺もびっくりですよ。幸恵さんが・・・こんなに金持ちだったなんて。」
「え?驚く所、そこなの?」
いや、だってさ。
案内されて来た高そうなマンションに居たのが、幸恵さんだぜ?
そりゃ、びっくりするでしょ。
やっぱり開発主任ともなると、それなりのお給料がもらえるのだろうか?
はてさて、それにしても当事者とは何のことだろうか?
そんなシリアス風に言われても、俺に心当たりはないぞ?
「誡。あんた、先導主任と知り合いなの?」
一応知り合いと言えば知り合いか。
「まぁ一度、会った事があるだけだがな。」
「そうね。それに鈴城さん、私は元主任よ。」
あれ?この人、主任辞めたのか。
まぁ行方不明って扱いの時点で、むしろクビにでもなったか。
「まぁいいわ。それより、早速本題に入りましょう。」
さて、本題と言われても・・・俺は何で呼ばれたのか知らないのですが。
ここは・・・説明を要求する!って、あれ?スルーですか、そうですか。
それで俺は何をすればいいのだろうか?
正直話に着いていけないし・・・ここは素直に聞くか。
「雫、俺は何をすればいいんだ?」
「え?ああ。先導主・・・じゃなかった、先導さんの指示に従ってLINKSでダイブするだけよ。」
なるほど、ダイブするだけの簡単なお仕事ですね、わかります。
え?そのポーズは何だって?
一応、説明を要求する!って抗議ポーズのつもりだが・・・え?わからないって?
ふむ。どうやら通じ無かったようだ。
もしかしてこのポーズって通じないのか!?・・・ふむ。今度、来夢で試すか。
はっ!それにしても、リアルでこのポーズとか・・・やばい、知らない内にアチャーな人の影響を受けていたのか!?
この手の痛い病気って・・・伝染するっけ?
そんな事を考えながらダイブ準備してたら、幸恵さんから説明が・・・一応された。
内容を言うとこんな感じ。
それぞれのLINKS内部データを確認するから、幸恵さん作成のローカルエリアにダイブするように!
以上、これだけ・・・これ、説明って言えるのか?
というか内部データって、思いっきりプライバシーの侵害じゃないのか?
「あら?事前に鈴城さんに説明した時に、二人とも自主的に協力してくれるって、聞いたのだけれど?」
おい。俺はそんな事聞いた覚えも、言った記憶が無いぞ?
雫さん、どういうことですかねぇ?
あれぇ?何で目を逸らすのかな?ちょっとこっち向こうか。
「まぁ安心しなさい。ロリなエロいデータがあっても、私は理解有る方だから。」
「ちょっ!まっ!何でそこでロリのエロデータがある事前提なんですか!幸恵さん。」
だから雫よ、何故睨む。
そもそも、どうして俺の周りは俺をロリコンにしたがるのだろうか?
そんなにロリコンに見えるのか?俺。
「・・・十分、見えるわね。」
「何故!?そして何処が!?」
蔑んだ様な目でこっちを見た後、雫は応えずにダイブしてしまった。
仕方ない、ダイブ先で問い詰めるとしよう。
きっと、俺のロリコン疑惑を植えつけたのは雫だろうから・・・修正してやる!
全く、困ったものだ。
俺は幼女好きでは無く狐っ娘好きだと言うのに・・・あ~でも、狐耳付けてたら揺らぐかも。