第5話/・・・俺に死ねと?
この世界は、何処まで俺に絶望を与えるのだろうか・・・。
『KAIN。何で【魔窟の森】の最奥に居るの?!』
「何でだろうな・・・ところで、ここのモンスターって弱い?」
『弱いわけ無いよ!そのダンジョンは転職者が狩るような場所だよ!?最低レベルでもレベル10は必要だよ!』
なるほど、今の俺は即死と言う事か・・・。
とういうか・・・レベル10で転職できるのか、早いな。
どうでもいいが、さっきよりも球根の点滅が早く成ってるのだが・・・。
『そこ、ボスエリアだから無暗に動かないでね。今助けに行くから・・・。』
「ごめん、手遅れかも・・・。」
せっかく来夢からユーザー指定チャットという名の念話が来たというのに・・・。
指定されたユーザー以外は念話が聞こえないから、傍から見たら独り言を呟く危ない人にしか見えないんだが。
球根の点滅が止まり、光り出したと思ったら10数本の蔓をうねうねさせた、大きな花が湧きやがった。
しかも、不気味な顔まで付いてるし。
とりあえず、花の頭上(?)辺りを見てみる。
【アシッドフラワー:レベル20】と赤文字で出ている。
レベル的に考えて、ダンジョンのボスな気がする。
それにしても、赤文字には意味があるのだろうか?
『ちなみに、名前の文字色が緑・黄色・赤の順にレベル差が高い証拠だから。』
「つまり、目の前に居るのは俺にとって致死レベルってことか・・・。」
あ、目があった・・・・俺、終わったな。
「キュアアアアア!」
「ヘルプ!ヘルプ!マジで、やばいって!」
奇声を上げる植物ってだけでも気持ち悪いのに、10数本の蔓が順に俺へと襲い来る。
システム的な補助はともかくとして、俺は全力で横へ横へと逃げる。
ここで万が一にも捕まって、触手プレイなど受けた日には立ち直れないだろう。
全く、俺にそんな趣味は無い!
『そんな事になる前に、一撃でHPが0になると思うよ。』
「いいから早く助けに来てくれ!」
念話で冷静に突っ込んでくる来夢・・・ああ、キャラ名で言うなら【Cherry blossom】だそうだ。
日本語で言えば、桜花なんだろうが・・・あいつが使うと違う意味に取れるのは何故だろう?
さて、主人公は生き残れるのか?!