表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
END OF THE WORLD ONLINE  作者: 岸村改
57/103

第56話/暇な俺と車椅子な少女・・・手持ち点滴~って、駄目ですか?そうですか。

暇だ・・・。


マジで、暇すぎる!


面会時間が終わって雫が帰ってからというもの、何もやる事が無い俺は暇すぎて困る。


軽い栄養失調で倒れたとはいえ、基本的には苦しくも何ともない俺には、ただ寝てるだけとか正直つら過ぎる!


点滴を打ったおかげか、今ではだるさすら感じないし・・・というか、点滴すごいな。


あれか?俺にとっての点滴はリアルのポーションか?


逆に言えば、これを大量に購入すれば、倒れる度に回復できるんじゃ・・・だめだ。注射器、使えない。


下手に打って、空気でも入ったらシャレにならないからな。


仕方がない、諦めよう・・・それにしてもこの脳味噌もいい感じでゲーム脳になってきたな。


さて他に思いつく事は・・・。


だめだ、下らない事でも考えて時間を潰そうと思ったが・・・正直ネタ切れだ。


俺の知識、底を尽きるの早いな~。


絶対俺、遊び人から賢者に転職は無理だわ・・・あれ?転職順あってるっけ?これで。


というか、時間つぶせそうな持ち物がケータイとLINKSって・・・。


そもそも病院内だからケータイは勿論、LINKSなんて余計に接続できるわけがない。


つまり、今の俺には暇つぶしに使えるものが何一つないわけだ。


せめて、漫画か小説の一つでもあれば・・・。


そう贅沢は言わない、クロスワードパズルとか数独なんていう贅沢は・・・雫に頼めば良かった。


「喉乾いたな・・・買いに行くか。」


一応点滴は打っているが、喉の渇きは別だしな。


そういえば、この状態で飲み食いってしていいのだろうか?


まぁいいか。


それにしてもこの点滴・・・ふむ。とりあえず動ければいいか。



そんなわけで、近くの自販機まで点滴を持って出てきたわけだが・・・。


自販機の前で一人の車椅子少女が、超必死に腕を伸ばしてる。


どうやら自販機の中段辺りに、お目当ての飲み物があるようだ。


「ん~!あと少し~!」


おお!頑張れ!


それにしても、腰とか浮かしてる腕がすげープルプルしてるな・・・不謹慎だが見ていて面白い。


あ。諦めた。


「はぁ。もう少し何だけどな・・・。」


なんか、落ち込んでるし。


ジュース買えずに落ち込んでる人、始めてみたよ俺。


というか、中段のボタンならそんなに無理しなくても・・・もしかして気がついてない?


「中段なら、下の番号ボタンを押せばいいんじゃないのか?」


「へ?」


流石にこれ以上、ただ見てるのも意地が悪いので、一応忠告してみる。


仮に、彼女が中段のボタンを押す練習をしているのなら、余計な御世話なんだけどな・・・。


あれ?マジでわかってない?なんか不思議そうに首傾げてるし。


「いや、だから・・・ほら、そこに番号の割り振られたボタンあるだろ?高い所のボタンが押せない人用の。」


「ええ!これ、そうだったの!?」


ふむ、どうやら本当に知らなかっただけみたいだな・・・筋トレ的な何かだったら面白かったのだが、特にあのプルプル感が。


目的の飲み物番号を調べて、あっさり押してるし。


というか、今まではどうしてたのだろうか?


「ありがとうございます。助かりました!」


いや、俺はお礼を言われる覚えは無いんだけどな。


とりあえず、俺も飲み物を・・・あ、財布忘れた。


仕方ない、諦めて一旦出直すか。


「あの・・・飲み物、買わないんですか?」


「・・・財布を忘れたから取ってくる。」


思いっきり間抜けな俺の解答に、少女は苦笑してるし・・・。


というか、自販機の前まで来て引き返すのがそんなにおかしいのだろうか?


違うか。自販機の前に着くまで、財布が無い事に気がつかないのがおかしいんだ。


「あの!そんな状態で来てるくらいですから、喉・・・乾いてるんですよね?出しましょうか?」


なんか、すげー心配そうにされたんだけど、そんな少女に気を使わせるような格好してるか?俺。


ん?少女の目が俺の左手に集中している様な・・・ああ!これのせいか。


いや、部屋を出る時に点滴を動かす棒みたいなのが無かったからな、備え付けから外して持ってきただけなのだが・・・。


「いや、まぁ・・・大丈夫。ちょっと取ってくる。」


「はぁ。そうですか。」


それにしてもこの少女の将来が心配だな、知らない人に簡単にだまされそうで。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ