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END OF THE WORLD ONLINE  作者: 岸村改
55/103

第54話/ハーレムケーキ・・・それは危険な香り。

始めてのチーム戦は終わったが・・・俺の戦いはまだ終わっていなかったようだ。


「ほら、KAIN。あ~ん。」


「殿、あ~ん。なの!」


目の前にはケーキを載せたフォークが2本・・・。


あれ?おかしいな、何で俺ケーキを食わされてるんだ?


思い出してみよう。


ボス戦が終わる。



アチャーな人に何故か感謝されてフレンド相互登録の申し出をされ、何故かそれをそわそわしてる凛とシノが半強制的にOKする。



終わるや否や、右手をシノに左手を凛に掴まれてそのまま拉致られる。



そして、気がつけば目の前にケーキが・・・今ここ。


どうしてこうなった?


ぶっちゃけ、CBに付き合って食べたから、当分ケーキは要らないのだが・・・。


そういえば例のアチャーな人だが、ステータスを見て余計に笑った。


<ステータス>

  LV:56

  HP:2400/2800

  MP:1000/2800

経験値:26879/56000

 名前:ルシファー

 職業:弓兵lv20

ギルド:無所属

コール:60000c


ルシファーって・・・流石に、ここまで痛い人だとは思わなかった。


まぁ確かに、こんな名前は人前では早々名乗れないな・・・。


というか、何故つけたし。


おっと!現実逃避してたら、二人が睨んでるな・・・仕方がない、現実と向き合うか。


「何よ!この私がしてあげるのに、食べれないの?」


「殿、食べて、食べて!なの。」


いや、いくら戦闘で体動かしたからと言って、無理だからこれ・・・。


そもそも、何でこんなに必死なのだろうか?


「・・・俺に食べさせずに、自分で食べればいいじゃないか。」


どうやら、それはだめらしい。


詳しく、聞くとどうやら店に入る時にカップルとして認識はしてくれたそうだ。


ただ問題はここからだったようで、何でも二股カップルだと思われたらしく、ペナルティーがついたそうだ。


そのペナルティーというのが、カップルでお互いに食べさることらしいのだが・・・これって、俺が一番きつくないか?


「良いから早く食べなさいよ!そして、私に食べさせなさい!私、このケーキを食べるの楽しみだったんだから。」


「殿、殿ぉ。私も、このケーキ楽しみ、なの!早く!なの。」


なるほど・・・つまり、自分達も食べたいが、ノルマとして俺に食わせるという行為をしないといけないわけか。


というか、その理屈で行くと俺もやらないといけないのか?あ~んって。


・・・マジか。どんな地獄だよ、それ。


このペナルティー考えた開発者・・・絶対モテないだろ!というか、これ嫉妬で作っただろ!


仕方がない。そろそろ食べないと、二人がマジで怖いしな・・・腹をくくるか。


とりあえず、見た目が小さいシノの方から食べてみる・・・うっ。甘い、何これ。


「ミルククリームたっぷりのショートケーキなの!さぁ、殿。あ~ん!なの。」


なるほど、通りで甘いわけだ・・・というか、口を開けて待つ姿はなんというか、妙に可愛いな。


「ちょっと、KAIN。私のも食べて、私に食べさせなさいよ!」


おっと、そうだった・・・凛のが残ってるんだった。


ふむ。こっちはさっきのに比べて食べやすい・・・チョコレートだからだろうか?


「ガトーショコラだから、そこまで辛くないはずよ!さぁ私にも、あ~ん。」


・・・何て言うか、二人とも必死だな。


ふむ、そこまで食べたいなら、量は多い方がいいだろう・・・これくらいでいいのか?


まずは柔らかいショートケーキを、フォークに乗るサイズギリギリの大きさで取ってみる。


むっ?シノの口だとちょっと入らないか?まぁなんとかなるだろう。


「ほら、シノ・・・あ~ん。」


「・・・殿、流石にこれ大き、はぐ。」


うん、何とか入ったな。


というか、クリームが口周りとか鼻の頭に付いてる気がするが・・・気にしないでおこう、うん。


さて、次は凛だが・・・何故睨む。


「KAIN。わかってると思うけど、無理矢理やったらどうなるか・・・わかるわよね?」


ふむ。今のシノに行われた行為を見てたのか・・・チッ。


仕方がない、ならばこちらは・・・よし!小さく分けたケーキをフォークの大きさギリギリまで長く乗せてみた。


これならば大口開けなくても入るだろう。


まぁ入り切るまでフォークを抑えている必要がありそうだが・・・。


「ほら、凛。あ~ん。」


「・・・KAIN?ふざけてるなら、怒るわ、はぐ。」


丁度口が開いたから、とりあえず入れて黙らせてみた・・・うん。楽しみにしてたんだ、ちゃんと味わって食えよ?


さて、何も考えてなかったが・・・ケーキはまだ残っているわけだ。


そして、次は俺が食べる番・・・はっ!しまった、反撃を予想してなかった。


「殿ぉ~。あ~んするなの!」


「KAIN。覚悟できているわよね?」


ちょっと、お二人さん?


凄く怖いんですけど・・・何でそんなに殺気がこもった目でケーキを付きだしてるんですか。


あ!ダメ、シノさん・・・鼻押さえたら呼吸が!呼吸がぁ!


ぶっちゃけ、死ぬかと思った・・・死因はケーキによる窒息死で。


だってさ、シノに鼻を抑えられたともったら、二人してフォークギリギリの塊を詰め込んでくるんだぜ?


まぁなんとか食べたけどさ。


でもこっちが食べてる間に、相手に食べさせるわけですよ・・・つまり、それは。


ケーキを飲み干した瞬間、また新しいケーキが突っ込まれるわけで、正にケーキの無限ループ。


・・・せめて合間に紅茶を飲ませてください。


しかもチョコレートで苦いのか、ミルクで甘いのかよくわからない味になってるし・・・。


結局、全てを食べ終えた時の二人の幸せそうな顔とは反対に、俺は死にそうな顔で店を出る事になった。


そして、そんな俺に追い打ちをかけるような事が。


何気なく見た露天で・・・スキルカード【不屈の心】200c。


え?え~っと・・・どういう事?


「スキルカード【不屈の心】って、高いアイテムじゃないのか?」


「え?何言ってるんですか。これ、消耗品のスキルカードなんで、この程度の値段ですよ?一枚いかがです?」


・・・やっぱり俺、だまされたのか。


なんだろう。どっと疲れた。


あ。そういえば、結局CBに奢って貰ってない。

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