第52話/状況を把握しよう!・・・リーダー、それはノリで決めるもの?
それにしても、まずは状況を把握しよう。
というか・・・取り巻きの数、減ってないか?
「あのアックス使いが、うまくやったのだろう。」
あ!アチャーな人!一体何処に居たんだ!
全く、危うく止めを刺されそうになっただろ!
抗議したらこのアチャー、俺は避けろと指示したと言いやがった。
ってことはあの声は幻聴じゃなかったのか。
ん?ところでアックス使いって?
「そんな奴居たか?」
「おいおい。お前さん、俺の事を忘れてないか?」
ああ!おっさん、そういえばバトルアックス使いだったな。
余りの眩しさで、すっかりおっさんの攻撃はハゲフラッシュに固定されてたよ。
「餓狼牙!KAIN!生きてる?って・・・大丈夫そうね。」
お?凛達も合流か!
よかった、シノも脱出できたみたいだな。
「あれ?二次元崇高会は?」
「・・・あいつら、あんたの指示だったの?全く、邪魔でしかなかったわよ!」
凛によると大量に敵を連れてきた上に、シノを見て絶望したと叫びながら自爆したそうだ。
自爆って・・・そんなスキルあるのか!?
まぁ結果的に自爆に巻き込んだ分、敵の数は減ったみたいだが・・・。
「でも、シノさんの武器が・・・。」
「え?シノ、武器がどうかしたのか?」
どうやらシノがアシュレーを爆発から護る際に、使用した小太刀の耐久値が0になってしまったようだ。
・・・二次元崇高会、マジ使えね。
あ!でも、小太刀なら・・・確かここに。
「シノ。これ、使えるか?」
「殿?いいの?なの・・・ありがとうなの。」
どうせ、今の俺は二刀流使えないしな!
それにせっかくのレア武器でも使わなければ、ただの飾りだ。
なら、使える奴が使った方が良いに決まってる。
【夜刀桜花・姫刀】をアイテムストレージからシノに渡すと、シノはすぐに装備した様だ。
・・・でも、一つ心配なんだよな。
何せこの装備、妖刀だからな、あれが・・・。
「おお!こ、これは・・・試し斬りしたくなるなの。」
やっぱりか!
「おい、シノ!戻ってこい!」
「・・・冗談、なの。」
・・・おい!マジで、心配した俺の焦りを返せ。
にしても、本当に取り巻きの数が少ないな。
というか、もうほとんど居ないじゃないか。
「当たり前に決まってるだろう!俺が、命がけでゲートを閉じてきたんだからな!」
「ゲート?何それ?」
おっさんの説明によると、取り巻きが出てきた扉は、鎖を破壊する事で閉まるらしい。
それに、気がついたアチャーな人と共におっさんが閉めて来たそうだ。
なにそれ。おっさん、マジかっけー!・・・ハゲだけど。
というか、閉めないと無限湧きだった様だ・・・マジで?
「さて、こちらもトラップも仕掛け終わっている。取り巻きも粗方片付いた事だし・・・リーダーよ、そろそろ前線メンバーと合流して、反撃に出るとしよう。」
アチャーな人も何か仕掛けてた戻ってみたいだ。
ところで、一つ気になったんだが・・・。
「・・・リーダー?誰の事?」
「あんたよ、あんた!このPTのリーダーは、KAINでしょ!しっかりしてよ。」
マジで?いつ決まったよ、そんな事。
ウィンド開いて見たら、確かにリーダー名が俺になってる。
「・・・何故?どうしてこんな事に?」
凛の説明によると、PT申請を作った時にリーダー設定が面倒だから押し付けたとか・・・おい!俺、言われるまで知らなかったぞ!?
「それで?どうするのかね?リーダー。私は単独でも動けるのだが?」
はいはい。わかりましたよ!
リーダーなら、リーダーらしく行こうじゃないですか!
「よし!今から反撃開始だ!全員、前線メンバーに合流後、あの女装変態をぶっ飛ばすぞ!行くぜ!」
「ちょっと待ちなさいよ!まずは、現状確認と情報共有が先でしょうが!」
え?そうなの?マジで?
何だよ、凛。せっかくカッコよく決めようと思ったのに・・・そういう事は早く言えよ!
皆、何とも言えない顔で苦笑してるじゃないか、全く・・・。
「・・・というわけで、情報共有からで!」
「殿・・・どんまい、なの!」
うん・・・シノ、その中途半端な励ましは余計にきついよ。
・・・というか、凛がリーダーやればよかったんじゃないのか?これ。
どうなのよ・・・というか凛、何故顔をそむけるし。