第45話/二次元こそ最高!・・・いや、それ混ぜるな危険。
「へい!そこ行く兄さん!いいのあるよ?」
ようやくダウンから復活して、本来の目的に来たのだが・・・さっきから、怪しげな露天商ばかり、声掛けてくるのはなぜだろう?
まぁほとんどスルーしてるんだがな。
それにしても、人が多すぎる。
喫茶店を出た所まではCBも一緒だったのだが・・・あいつ何処行った?
ちなみに喫茶店の代金は、カップルは無料だそうだ。
ふむ。つまり一人身で食べていると思われるあのハゲは、全額自腹か・・・知らずに頼んだのだろうか?
かわいそうに・・・まぁ同情はしないけど。
そして、何故俺とCBがカップルだと認められた・・・納得いかない。
そんなことよりも、今はCBとの合流が先決だ!
何より、奢り目的で来てるからな!
露店街に出るまでは居たから、多分この近くにいるはずなのだが・・・見当たらないな。
おかしい、普通和装に狐耳と尻尾ならわかりそうなものだが・・・ん?
「いらっしゃい。どうだい?今なら【不屈の心】あるよ?」
不屈の心?何それ?
頭にターバンを巻いた見るからに怪しげな商人の説明によると、【不屈の心】はスキルカードらしい。
何でも一定確率で、一撃死の攻撃からHPバーを10%残して、生かしてくれるらしい。
何それ、めちゃくちゃおいしいじゃん!
おっちゃん、それいくらよ?
「はいはい。これも何かの縁。兄さん安くしておくよ。通常200000cの所を50000cでいいよ。」
安い!買った!
「はい、毎度あり!」
はっ!しまった・・・CBに奢らせるつもりが、つい買ってしまった。
まぁ仕方ない、装備しておくか・・・よし!さて、CBは何処だろうか?
次こそ奢って貰わねば!
結局、探してる途中でいい感じの額当てを衝動的に10000cで購入してしまった。
あれ?おかしいな・・・奢って貰う筈が、どうしてこうなった。
何気なく、周りを見渡してようやく俺は、違和感の原因に気がついた。
そう。道行く人が、ネコ耳とか犬耳とかはたまたバニー等、普段よりもコスプレ装備っぽい人が多いのだ。
これもイベントの一つなのだろうか?
まぁこれが女の子だけなら可愛げがあるんだけど・・・何故野郎までそんなコスプレしてるんだ?
ああ、でもCBみたいな例もあるから否定はできないか。
それにしても困った。
これだけコスプレが多いと、CBが見つからないのも無理はない。
さて、どうしたものか。
いっそう、大声でCBを読んでみるべきか・・・ん?
拡声ボイス指定で、マジで全体呼びかけしようとした所で、メニュー画面に光っている項目を発見!
見てみると・・・掲示板?
どうやら、フレンド登録している人同士が掲示板でやりとりできるらしい。
見たら、凛とシノからの書き込みがあるし・・・所でこれも、アップデートで追加された機能だろうか?
内容を要約すると二人とも、イベントを一緒に回りたいという感じだな。
ふむ。ならば中央広場集合にすれば、合流しやすいか・・・もしかしたらCBもそこに居るかもしれないし。
さて、掲示板に返事もしたし、俺も中央に向いますか。
「あ、居た!KAIN。何処行ってたの?僕、探しちゃったよ。」
いや、俺の記憶が正しければ、居なくなったのはお前だけどな。
中央広場に出てすぐに、CBと合流に成功した・・・というか、何故に踊ってたし。
「え?ああ。今、広場中央で自由ダンスやってるから・・・つい。」
ついで、俺は放置されたのか・・・実は探してたんじゃなくて、ここでずっと踊ってたんじゃないだろうか?
それにしても・・・あの集団は何だろうか?
CBが踊っていた場所の斜め後ろの方で、綺麗に揃って踊っている集団が居るのだが、踊りの間に謎の言葉が聞こえてくる。
具体的にはこんな感じ。
右手を差し出し、決めポーズ。
↓
「くうかい?」
↓
胸元に手を組んで、決めポーズ。
↓
「名前を呼んで?」
↓
最後はそれぞれが良くわからない決めポーズ。
↓
「友達だ!」
いや、何この流れ・・・綺麗に決まっている分妙に気持ち悪いんだが・・・。
「多分。ギルド:二次元崇高会だと思うよ。あの羽織からして・・・。」
うわ・・・名前からして終わってると思うのは俺だけだろうか?
それにしても、羽織?
ああ、あの水色に白模様の・・・新撰組?
いや、新撰組に失礼だな、今のは無しで。
それにしても、このゲームは基本的にキャラメイクで作られるのは、かっこいい系が多い。
そんな中で何故あの連中は、羽織組以外はデブキャラなのだろうか?
「何でも、あのギルドのコンセプトらしいよ?」
ふむ。よくわからないが・・・頼むから和装をしないで欲しいな、さっきから一緒に見られてそうで嫌だ。
「やっと見つけた!KAIN、中央広場を指定するなら、細かい場所までちゃんと書きなさいよ!」
「殿、見つけたなの!」
お?どうやら凛とシノが合流したみたいだな・・・ってCBよ、何故睨むし。
「せっかくのデートなのに!デートなのにぃ!」
いや、だからデートじゃないからね?
それと奢ってくれる約束だが、奢ってもらってないからね、俺。
「・・・所で、KAIN。その幼女は誰?」
ん?幼女?・・・ああ、シノか。見た目通り、俺の忍びだけど?
というか、何でCBも凛も睨んでいるのでしょうか?
「・・・狐美女の次は、幼女?KAIN。ちょ~っと、手を出し過ぎじゃないかしら?」
「KAIN、僕も理解有る方だと思うけど・・・ロリコンは辞めておいた方がいいよ?」
いや、何言ってるし。
というか、目が怖いから!
そもそもいつから俺がロリコンになった!?
「殿。諦めが肝心なの。」
いや、なんの?ねぇ、何を諦めるの?・・・まさか、人生?
何でフレンドと纏めて合流しただけで、人生諦めないといけない雰囲気になったんだろう・・・俺。
もしかして、この組み合わせは混ぜるな危険だったのだろうか?




