第44話/イベント?・・・ケーキのご利用は計画的に。
さて、CBの奢りと聞いて、町の東にやってきたのだが・・・。
何で、こんなに人が多いのだろうか?
普段の倍は居る気がする・・・。
そして、CBも何でそんなにテンション高いんだ?
「え?もしかしてKAIN、知らない?今、イベント中なんだよ?」
いや、知りませんけど・・・イベント?何の?
どうも、CBの説明によると、大型アップデート後の公式イベントらしい。
その名も、「デートDEアップデート」だそうだ・・・これ、考えた奴オヤジギャグ好きだろ絶対。
まぁセンスの悪いイベント名はともかく、内容は比較的普通の様だ。
基本的な所だと、NPCの各ショップでペア装備の購入が安くなったり、カップル限定のイベント参加があったりするみたいだ。
ふむ、それにしてもこのイベントってカップルが対象何だろ?
「うん、そうだけど、どうかした?」
え~っと、CBよ・・・何を平然と俺の腕に抱きついてる?
という、いつから俺はお前とカップルになったんだ?
「え~!ダメ?」
うっ。だから、その装備で下から見上げるのはやめろ、破壊力があり過ぎる。
・・・仕方ない、これもイベントの為だ。
「やった!それじゃ、早く行こう!」
ちょっ!おまっ!引っ張るなって!・・・それにしても周りの目線がやたら集まってる気がする。
気のせいか?妙に睨まれてる気がするのだが・・・。
どうしてこうなったんだろうか・・・。
俺の目の前には、1ホールのショートケーキが・・・。
おかしい、確か俺は装備品とスキルカードを購入しに来たはずなのに。
CBに引っ張られるままに来たら、気がつけばイベント限定の喫茶店に来ていた。
そして、CBがNPCと何やらやりとりしてると思ったら、席に案内されるや否やこの状況に・・・。
「CB。これはどういうことだ?」
「どういう事って?あれ?KAIN、甘いの好きだよね?」
いや、まぁ甘いのは好きだけど、流石に一人で1ホールは食べれないぞ?
「もう、何で一人で食べる事前提なのさ。」
CBの説明によると、これもカップル限定イベントらしい。
いや、カップルって・・・俺達、男同士だよな?何故、認められたし。
このゲームやっぱり設定おかしいよ。
「はい、KAIN。あ~ん!」
ふむ、これは・・・うまいな。って!おい、何をやっている。
つい、つられて食べちまったじゃないか!
そして、何をそんなに嬉しそうにしてますか・・・いや、やりませんよ?俺。
俺が返すのを待っっているCBは無視するとして・・・何故、涙目で睨むし。
し、仕方がない。一回だけだからな・・・それにしても、狐装備に弱いな俺。
いや、しょうがないだろ?
あんな、狐耳を垂らした状態で目を潤ませて見られたら、誰だって折れるって。
うわ・・・めちゃくちゃうれしそうな顔で食いやがる。
くそ、本当に何でこいつ、男なのだろうか?
というか、ここ数日のこいつの行動見てる限り、フラグを立てに来てるようにしか思えないのだが。
・・・このゲームそういうゲームじゃないよな?というか、人生という名のゲームで言えば、バットエンド直行だよな、これ。
はっ!いつの間にか、また痛い人的な言い方を・・・俺も相当毒されているようだ。
しかしまぁ、ケーキに罪は無い。
うまいものは堪能しなければ、作ってくれた人に失礼だろう・・・というわけで、四分の三貰うぞ!
「四分の三って・・・KAIN、そんなに食べれるの?せめて半分にしようよ。」
いや、この甘さならいける!
いけると思っていた時が、俺にもありました。
結局CBの言うとおり、半分食べた所で何故か胃が受け付けなくなった。
ふむ、VR機器の方で、何か制限でもかけているのだろうか?
「そんなことは無いと思うよ?現にほら、あの人何て、一人で食べてるし。」
うわ・・・良く入るものだ。
ん?それにしても、あの褐色ハゲ見た事ある様な・・・いや、気のせいだな、うん。
俺は何も見てないぞ。
「さてと・・・KAIN、次は何処行こうか?」
いえ、CBさん少し待ってください・・・胃が、胃が逆流しそうだ。
結局、俺がまともに動けるようになるまで、30分もかかってしまった。
当分甘いものはいいや・・・というかダウンしてる人の前でケーキ食べるなよ、CB。




