第39話/幼馴染が朝起こして来る・・・何このシュチエーション。
あの後、3時間のレべ上げで、3度も死ぬという現象を起こした。
まぁその度に凛が回復してくれたのが・・・マジで凛が居なかったら今頃、経験値のマイナスが大変な事になっていたと思う。
そして、現在はこんな感じに。
<ステータス>
LV:20
HP:1100/1100
MP:1100/1100
経験値:12/600
名前:KAIN
職業:侍lv6
ギルド:無所属
コール:504200c
特殊項目
ペット:九尾狐
<武器>
右手武器:黒霧の刀+10
左手武器:夜刀桜花・姫刀+10
追加スロット数:0
<防具>
頭:無し
上着:羽衣
上半身:着物
腰:帯
下半身:袴
脚:草履
腕:無し
追加スロット数:0
<ジョブスキルカードスロット>
カードスロット1:パンチlv10
カードスロット2:剣技lv20
カードスロット3:ステップlv4
カードスロット4:キックlv10
追加スロット数:0
<固有スキル/発動可能スキル>
固有スキル:
・剣術強化
・闘志
・剣双乱舞
発動可能スキル:
・ブレイクダウン
・一刀流【五月雨】・【虎牙】・【無想】
アイテムストレージ
玉藻の護石・木剣*40・蔓鞭*5
新しく覚えたスキル、一刀流【無想】は説明を見る限り、どうやら居合い斬りのようだ。
本当は覚えた時点で使いたかったんだが・・・刀を装備できる状態じゃなかったので断念。
今度、試し斬りをするとしよう。
ちなみに凛は、寝るとだけ言ってリムタウンに戻るなり、ログアウトしてしまった。
明日は外せない講義でもあるのだろうか?
ふむ。まぁ俺も明日は、午前に講義があるのだが・・・。
おっと、考えが逸れた。
そして俺は今、和装一式を装備している。
これにはちゃんと理由がある。
決して凛が居なくなったから戻したわけではない。
まぁ確かに、装備を戻したかったってのもあるんだが。
実は、レザー装備がお亡くなりになったのだ。
残念な事に、どうも回復アイテムで死亡から復活しても、武器や防具の耐久値は戻らないらしい。
その結果、レベ上げを終えて帰る際にダンジョン入り口前で、インナー姿を凛に晒す事になった。
全く、インナーを見たくらいでHPバーを赤色まで殴る事は無いだろうに・・・おかげでまた死ぬ所だったぞ。
その影響ではないと思うが、なんだろうか・・・妙に思考が重いと言うか、正直ダルイ。
ここ数日、まともに寝てたはずなのだが・・・とりあえずログアウトして、寝るとしよう。
「・・・い。・・あ・・よ。お・・・て!」
ん?何だろうか・・・誰かが何か言っている様だ。
昨日はちゃんとログアウトして寝たはずだから、ゲームの中と言う事は無いだろうし・・・。
ダメだ、ダルイ・・・無視しよう。
「朝だよ!起きて、誡!遅刻するよ?」
「ん・・・朝?」
突然の大声で、目を開けたらバイザ―越しに来夢の顔があった。
幼馴染に起こされるとか、何このシュチエーション。
・・・こいつが男じゃなければ、というか近い!
どうやら、先ほどの声はこいつが起こしていた声の様だ。
全く、変に反応した事で余計にダルくなったじゃないか。
「やっと起きた?おはよう、誡。早くしないと遅刻するよ?午前の講義、誡も一つあるよね?」
現在時刻を見ると、10時。
確かに、午前最後の講義を受けに行くには、そろそろ出ないとまずい。
まずいのだが・・・むっ?体が動かない。
「誡?どうかしたの?水飲む?」
俺が寝起きに水を飲むのを知っている来夢は、心配そうにしながら水を渡して来るのだが・・・あれ?
俺の頭はどうしたのだろうか?
来夢が差し出して来る水を受け取ろうとすると、何故か虚空を掴む・・・視点があったないのか?
「誡?・・・もしかして、ちょっとごめんね。」
言うなり、LINKSを来夢が外して来るが、動けない俺は抵抗しようがない。
そのまま何を考えているのか、来夢の顔が俺の顔に近づいて・・・って、おい!俺が動けないからって何してやがる。
「動かないで!・・・やっぱり、誡。熱あるでしょ?」
来夢が、凄く熱いよ?とか言って来る。
ぶっちゃけ、熱を測るだけならわざわざおでこで測る必要はなかったんじゃないか・・・。
一瞬、唇を奪われるのかと思って焦ったじゃないか。
・・・って、熱がある?
なるほど。どうやら俺は風邪を引いたようだ。
「もう、誡はしょうがないな。僕が今日一日付きっきりで、看病してあげるよ!」
何がしょうがないのだろうか?・・・というか、すげー嬉しそうに聞こえるのは気のせいか?
看病なんていらないから、講義に出てくれ。
むしろ看病よりも代わりに講義のデータをくれた方が助かる。
もう少ししたら試験があるだろうし・・・。
「え~。でもほら、一人ではいろいろ大変だろうし・・・だめ?」
何が大変なのだろうか?
むしろ熱で判断力の低下している俺に、潤んだ目で聞いてくる来夢への対応の方が、大変なのだが・・・いろいろと。
正常な理性が残っている間に、俺は渋る来夢へ講義に行かせる事にどうにか成功した。
代償として、講義から戻ってきたら来夢の手厚い看護(?)を受ける約束をさせられたが・・・。
うん。忘れよう、考えないのが一番だ。
何はともあれ、まずは病院だ。
せっかくレベルも上がったし、聖堂協会でスキルカードの強化できる確認もしたい。
こんな所で倒れているわけにはいかない!
ふむ。こう考えると、いつの間にか俺もこのゲームにはまっているようだ。
こう考えると、来夢がどっぷりハマったのも納得行く。
・・・まぁ流石に命をかけてまでやるつもりはないので、ともかく早く治そう。
ダルイ体に鞭打って、どうにか病院で診察を受ける事に成功した。
「風邪ですね。薬は出しておきますが、小まめな水分補給としっかりと栄養ある物を取るように。若い割に、栄養が足りていないようなので。」
最近、この手の症状が多いと、医者が愚痴ってる。
ふむ。栄養不足か・・・だからっていきなり点滴は無いと思うが、まぁおかげで少しは楽になった。
熱も少し引いた気がする。
・・・まぁ気がするだけで、多分引いてないだろうけど。
それにしても、栄養不足になる要因はあっただろうか?
一応、食べ物は食べているし、水分も小まめに取っているはずなのだが?
昨日だって、紅茶とかハーブティーとかしっかり飲んでるはずだし・・・。
「最近はVR機器を使用する人が増えているせいですかね。VR世界で飲み食いすれば体も摂取している勘違いする人が多くて・・・どうやら君もその類のようですね。」
あ!・・・確かに飲み食いしたのはEOWの中だけだ。
そりゃ、リアルボディが栄養不足になるわけだ。
それにしても、よく俺がVRユーザーってわかったな・・・この医者、只者ではない?
「君の問診書に書いてありますから。ともかく、治るまではVR機器の使用を当分控えるように。」
・・・そういえば、書いてたな。
仕方ない。治るまで当分自嘲しよう。
点滴と薬だけで、3600円も取られてしまった。
保険証出してこれって・・・医者、高すぎだろ。
さて、とりあえず点滴のおかげで多少は動けるようになったことだし、何かうまいものでも食べて帰るか。
そういえば、今財布の中身って幾ら残ってたっけ?
財布を開けてみたら、400円しか入って無かった。
あれ?何でこんなにお金無いんだ?
おかしい、今回はバイトを多く入れたはずなのに・・・ん?バイト?
あ!思い出した。
俺、まだバイト代回収してない・・・仕方ない、先にバイト代を回収しに行くとしよう。
それにしても、来夢の手厚い看護って、なんだろうか・・・ぶっちゃけ、帰るのが怖いな。




