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END OF THE WORLD ONLINE  作者: 岸村改
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第38話/魔窟・・・そこは俺が吊るされる場所、ヘルプTT

ダンジョン前で、早々に凛とPTを組む。


・・・少し前にパーティーをPTと略せると知ってから使ってるけど、略称って楽だな。


さて、久々のレべ上げだ!


まさか【魔窟の森】でとは思わなかったけど・・・それにしても、嫌な予感って当たるんだな。


だって普通、思わないだろ?


ダンジョンに入ったら、いきなり逆さ吊りにされるなんて・・・。


ともかく凛、ヘルプ!頭に血が昇って・・・やばい、意識が・・・。


「はぁ。あんたね、少しは学習しなさいよ。確か前に聞いた話だと、ここに来るの初めてじゃないでしょ?」


いや、前に来た時はいきなりボスエリアだったし・・・と言うか、早く助けて。


凛が俺を吊上げてる蔓を切った事で、頭から落ちた。


・・・助かったけど、落下ダメージと逆さ吊りの影響でくらくらする。


もう少し、丁寧に助けてくれてもよかったのでは?


「助けて上げただけでも感謝しなさいよ。」


はい、わかりました。


それにしても、俺をいきなり逆さ吊りにするとは、やるな【ウィップフラワー】。


見た目は頭が花、足は根で手の代わりに蔓とか、定番的なやられキャラな癖に。


何故いきなり触手プレイ・・・もとい、捕まったかのかと言えば、布陣のせいもある。


てっきりいつものように凛が壁をやってくれると期待していたのだが、何故か今回は俺がフォワードに。


レベル的に考えても、凛が壁の方が生存率あがるんだが、本人はどうしても嫌だそうだ。


何故だろうか?


「別に壁をやらないとは言ってないでしょ?次のフィールドに行ったら壁になるから。」


ふむ。つまりここが嫌なのか・・・そういえばこのフィールドやたらと【ウィップフラワー】多い様な。


というか、【ウィップフラワー】しかいない?


まさか、あれか!自分だけ触手プレイを逃れようと、そういう魂胆か!


「うるさい!プレイとかいうな!いいからさっさと先に進みなさい!」


図星だったらしい。


ここはあえて、蔓をスルーして凛を襲わせて触手プレイを凛に・・・やべ、後ろから凄い殺気が。


まぁ無難に過ごそう、うん。


今度こそ、刀を抜いて先に進もうとしてるのだが・・・いい加減、蔓でカラメルの辞めてください。


何故だろう?


刀で斬ろうとしても、その前に腕を蔓で絡め取られる。


結果的に、さっきから進むたびに宙づりなのだが・・・凛、対策ないの?


「・・・むしろそこまで捕まるあんたが逆にすごいわ。」


呆れられました。


まぁ対策らしい対策は無いようだが、いっそう絡めとられた時に引きちぎってみてはと言われた。


引きちぎれるのかこれ?


そうしてる間にも、また腕に蔓が絡みつく・・・また宙づりか。


結局フィールドを抜けるまでの間、俺が宙づりになってる間に凛が倒すという変なコンビネーションで抜ける事になった。


コンビネーションと呼んでいいのだろうか・・・これ。



ダンジョンの中層辺りに来て、ようやく凛が壁になってくれる事になった。


それにしても・・・敵は何処居るのだろうか?


あたりを見渡しても木しか見えない。


「あ、馬鹿!KAIN、後ろ!」


へ?後ろ?ぐぶっ!?


起こった事をありのままに話すぜ、木々しかないと思っていた後ろからいきなり殴られて吹き飛ばされた。


何を言ってるかわからないと思うが、俺もわからない。


「あんたね・・・何で、【ウッドマン】の特性知らないのよ。ここ来た事あるんでしょ?」


だから、前に来た時はボスエリアにしか行ってないんだって、何度言えば・・・特性?


凛が言うには、木々に溶け込んで隙を見せた時に、攻撃してくるらしい。


しかも、枝付きの幹で殴ってくる物理攻撃だそうだ。


なるほど、だからさっき殴られたらしい頬が腫れているのか・・・それにしてもいいパンチだな。


しかし、相手の姿が見えないとなると、スキルを使う事もできないのだが・・・木々?


ふむ、なら木々を片っ端から攻撃すれば、そのうち当たるんじゃね?


あれだな、下手な鉄砲数撃ちゃ当たる!・・・んじゃ早速!


「あ!馬鹿!」


「・・・凛、これ・・・本当に木か?」


何、この木々・・・めちゃくちゃ硬いんだけど。


斬りつけた刀に来る反動で、手が思いっきり痺れ・・・ぐぼ!


ちょ、まっ!た、タイム!凛、助け・・・。


「はぁ。死なない程度には助けてあげるから、しばらく反省してなさい。」


おま、それはない!


結局助けられたけど、HPバーが赤色まで減っている。


「というか、普通に考えたらわかるでしょ。」


いや、普通一発目に斬りかかった木が、敵だとは思わないだろ?


おかげで、反撃を受けて死にかけたわけだが・・・。


「あんたね、敵の名前くらい見なさいよ・・・。まぁいいわ、どうやら刀じゃ相性が悪いみたいだし、これ使いなさい。」


むっ?その装備はさっき返したばかりの【アイアンナックル】と【ブレードシンガード】じゃないか!


まさか、こんな早く再開するとは・・・。


ともかく装備を刀から二つに変更して、よし!んじゃ早速殴るか!


準備運動がてら、適当な木々を殴ってみよう・・・お?殴った感覚が意外としっくりくるな。


続けて、蹴りを・・・おお!やばい、この蹴りついでにブレードですぱっと行く感覚が、何とも言えない癖になる!


ふむ、これなら負ける気がしない!


よし、次の木を・・・ん?何か動いた様な。



「調子乗ってすみませんでした。」


「はいはい。とりあえず私が壁やるから、あんたは後ろからちまちま殴ってなさい。」


HPバーが赤色なのを忘れて、木だと思って殴ったら、【ウッドマン】だったとは・・・これが、公明の罠か!


結果はもちろん、死亡・・・のはずだったんだけど、凛が復活してくれた。


凛が言うには、死んでから30秒までなら復活アイテムが使えるとの事・・・復活用アイテムあったんだね、このゲーム。


まぁどちらにしてもソロじゃ復活できないらしいけど・・・。


さて、凛が壁になってる事だし、言うとおり後ろからちまちま殴りますか。


殴って見てわかるが、意外とダメージが入らない・・・むしろ蹴った方が入るかも。


凛もさっきからブレイクダンスみたいな蹴りだしてるし・・・え?これはブレイクダンスじゃない?カポエイラ?


いや、言われても違いが俺にはわからないよ・・・。


ともかく蹴りに変えて、隙を見て蹴りを入れる。


おお!人みたいな形してるせいか、根の方を蹴るとこけるのか!


やばい、ちょっと格闘技の方に浮気しそう・・・。


凛のコンボとか見てると特に。


そういえば凛の奴、前にPT組んだ時はまだダンサーのスキル使えなかったはずなのに、今一体何レベルなのだろうか?


フレンドリストを開いて見てみる・・・。


<ステータス>

LV:40

HP:2400/2500

MP:1860/2000

経験値:3580/24000

名前:凛

職業:ダンサーlv8

ギルド:無し

コール:158900c


ふむ。いつのまに、こんなにレベルを上げていたのだろうか?


というか、ダンサーもCBみたいに特殊効果付いているのだろうか?


HPバーが無駄に多気がする。


「あ!馬鹿、KAIN!」


そんな事を考えていたからだろうか?


いきなり湧いた【ウッドマン】2体によって、俺は本日2度目の死を経験する事になった。


こんな死に方は、ありですか?

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