第37話/綺麗だろ?でもこれ、ペット何だぜ?・・・恐ろしい子。
凛が言うには、餌を与えないのはありえないらしい。
ありえないと言われても・・・なぁ?
ところで、餌を与えないとペットは具体的にどうなるのだろうか?
「消滅するわね。その辺りは妙にリアルなのよね・・・このゲーム。」
ふむ。その理屈からいうと、玉藻は既に死んでる事になるのだが・・・まぁ本人に詳細を聞くのが一番か。
使用実験がてらアイテムストレージを開いて、玉藻の護石を使ってみる。
お?何か召喚場所を指定してくださいと書いてる。
このカーソルで指定すればいいのか?・・・とりあえず、俺の横でいいか。
召喚場所を決めると、選択した場所が光り出す・・・このゲーム光る演出、好きだな。
「わらわに何用かぇ?着替え中にこの様な所に呼び出すとは・・・主も鬼畜よのぅ。」
光が収まった所で玉藻は現れたのだが・・・何故、ミニスカのピンクナース?
しかも、白いニーソックスを履いてる途中だったようで、、片足を上げているからスカートの中が見えそうだ。
・・・見せそうで見えないとか、何このエロい生物。
「時に主よ、中身が気になるのはわかるのじゃが、この体制もつらいくてのぅ。そろそろこの【にーそっくす】とやらを履いても良いかぇ?」
くっ、目が離せない。
これが性というものか。
玉藻の奴もそれがわかってて、からかって来やがる。
しかも履く許可を出すと、わざわざ膝の上に乗って来る辺り、確信犯だな。
それにしてもこの尻尾、モフモフしてて・・・ああ、これを枕にしたら気持ちいだろうな。
「しかたなかろう?立って履くのはいささか難しい故。主もわらわの尻尾を堪能できるが故、良いではないか、のぅ?・・・これで良いよいかのぅ。さて主よ、わらわに何か用があったのではないかぇ?」
おっと!そうだった。トリップしてる場合じゃない。
餌の件をどうしてるか聞こうと思ったんだ・・・つうか、そのナース服どうしたよ?
向い側では凛が、何か唖然としてるし。
ん?口をパクパクしてるけど・・・何か言いたい事でもあるのか?
「あ・・・あ、あんた!常識が無いとは思っていたけど、いくらなんでもプレイヤーを捕まえてペットって、どれだけ変態よ!」
いや、変態って・・・というかそもそも常識ないとは失礼じゃないか?
一応これでも、常識人のつもりだぞ?・・・自信はないけど。
まぁ確かに初めての人が見たら、玉藻をプレイヤーだと思うだろうな。
カーソル合わせても【玉藻】しか出ないし・・・でもこれ、ペットモンスター何だぜ?
まぁそれはともかく、餌の件を始めて知ったんだけど・・・その辺どうなのよ、玉藻?あと、その服どうした?
「ふむ。それなのじゃがのぅ、何故かわらわが町を歩いておるだけで、いろいろな輩から貢物が届くのでな、主にわざわざ負担を掛けずとも良いわけじゃ。このなーす服じゃったか?これも先ほど貰った物じゃしのぅ。」
なるほど・・・つまり凛みたいに、ユーザーと勘違いしたプレイヤーが玉藻に貢いでたわけか。
玉藻、恐ろしい子。
というか、いつまで座ってる気だ・・・いい加減、降りろよ。
「冷たい主よのぅ。ほれ、主の好きなこの尻尾にもっと触れてよい故、もう少しこのままではダメかぇ?」
うっ・・・確かにこの尻尾をモフモフするのは肌触り的にも魅力的だが・・・さっきから凛の目線が怖いです。
というか、まだ凛の奴疑っているな。
仕方がない玉藻、済まないけど元の姿に戻って・・・ああ、大型犬サイズの方で!
さて、これで凛も納得してくれるだろう。
玉藻はしぶしぶと言う感じだったが、いつものようにボンっと煙の演出付きで九尾狐の姿に戻った。
あ、凛の奴混乱してる。
「え?え?どういう事?あ!まさか、KAIN。あの掲示板に載ってたのってあんた!?」
ふむ、どの掲示板かわからないのだが・・・俺ってそんなに有名なのだろうか?
なにはともあれ、これで玉藻が俺のペットである事がわかっただろう。
わかった・・・んだよな?何か微妙な顔してるけど・・・。
「小娘よ、言っておくが、わらわが主に手を出すならそれ相応の覚悟をしてもらうぞ?時に主よ、久々に頭を撫でては貰えぬかのぅ?」
「ちょっ!手を出すって何よ!手を出すって!KAIN、あんたのペット躾がなってないわよ!」
いや、躾も何も・・・玉藻、俺の言う事聞かないし。
・・・ああ、それにしてもこのモフモフ感のある肌触りが何とも。
そもそも何で凛は、あんなに過剰反応してるのだろうか?
わからないな・・・ペットなら凛も居るはずだし。
そういえば、凛のペットって何?
「え?私の?私のは【トニトルスループス】。日本語で雷狼のはずよ、これがラテン語ならば。育成してようやくGETしたんだから。」
トニトルスループス?・・・すげー噛みそうな名前だな。
というか開発者の人、ラテン語とか・・・もしかして厨二病か?
それにしても、育成と言う事は凛もシノと同じで育てたのか。
・・・やっぱりこれが正しいペットの手に入れ方だったんじゃ。
見る?と聞いてきたが、わざわざ見せるだけの為に餌代を掛けるのもあれなので辞めておいた。
「それはそうと、あんたがあの掲示板通りなら・・・レベル50の玉藻ノ前を相手にしたのよね?今、あんたレベルいくつよ。」
え?レベル16ですが、何か?
あ、ものすごく呆れられてる。
「・・・あんた、良くそれで行こうとしたわね。死んだらマイナス値大変な事になってるじゃない。」
いや、行こうとしたわけじゃなくて、最初は道に迷っただけで。
・・・そういえば、あの馬を倒してからレベ上げらしいレべ上げしてなかったな。
「はぁ。いいわ、今から私も暇だし・・・3時間くらいなら、レベル上げ付き合ってあげる。」
マジか!助かる。
時に玉藻・・・お前も行くか?
「ふむ。その小娘の事は気になるのじゃが・・・少し用事がある故、今回は辞めておくとするかのぅ。」
ボンっと煙の演出付きで再び人型に戻った玉藻は、そのままふらりとどっかへ行ってしまった。
あいつ、よっぽどの事が無いと戦闘に出ないな・・・ぶっちゃけ、移動手段以外に役立たないんじゃね?
というか、俺の言う事聞いてくれないし・・・。
まぁそれはともかく、今は久々のレベ上げだ!
凛が居るなら死ぬことは無いだろうし、張り切っていくとしよう。
「なら先に【魔窟の森】で待ってるから、会計よろしくね!ごちそうさま。」
あれ?・・・【魔窟の森】とか、嫌な予感しかしないんだけど・・・。
ともかく会計を・・・合計で2500cも取られた。
やっぱり、あいつ食べ過ぎだろ・・・。




