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END OF THE WORLD ONLINE  作者: 岸村改
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第34話/念願の鉱石を手に入れ・・・うおっ!まぶし!

さて、今度こそ正真正銘、本番だ!


凛に連れられて、やってきたのはダンジョンの中盤辺りだそうだ。


ここまで恐竜みたいなモンスターにやたらと出くわしているが、襲ってくる気配はない。


もしかして、このダンジョンって比較的安全なのだろうか・・・実は、殴っても問題ない?


「・・・なんとなく、あんたの考えてる事がわかるわ。言っておくけど、ノンアクティブモンスターが出るのはここまでだからね?それと、間違っても攻撃しちゃだめよ?死ぬから。」


むっ。どうして、凛は俺の思考をそう易々と読めるのだろうか?


凛の説明によるとこの辺りに恐竜みたいなモンスター【ケオプリオス】でも、レベル25はあるそうだ。


大人しそうな顔して、意外とレベル高いんだな。


四本足でノロノロ歩いているから、てっきり雑魚モンスターかと思ったのに・・・。


「丁度いいわね、そこの割れ目なら鉄石かよければ鋼石が出るはずだから、頑張って掘りなさい!私はもう少し先で掘ってるから。」


歩きながら指定された割れ目の前に俺を一人残して、凛の奴はもっと奥に進んでいきやがった。


これでモンスターに襲われたら間違いなく、俺は死ぬな。


ふむ。つるはしの振り回しには気をつけよう。


何はともあれ、まずは確認だ!


右よし!左よし!では・・・ロマンの始まりだ!


とにかく掘る!掘る!掘る!・・・お?何か塊が落ちて来た。


≪【鉄石】を入手しました。≫


KAINは念願の鉄石を手に入れた!


うん、きっとスタンドアローンなRPGならテロップが出てるはずだ。


それにしても、この重たくて黒い塊が鉄石か・・・これ、どのくらい必要なんだろう?


まぁ考えても仕方がない!とりあえず、掘れるだけ掘るか!


石炭掘りで慣れたせいか、比較的少ない回数で塊がボロボロと出てくる。


手に入れたのは、【鉄石】×54・【石炭】×65・【鋼石】×23・【紅蓮岩】×1。


基本的には石炭と鉄石が多く、鋼石がごくまれに出てくるので、それでも10個程手に入った。


しかし最後に【紅蓮岩】という赤黒い大きな塊が落ちてから、一向に鉱物が出てくる気配が無い。


あれから、3時間くらい掘っているはずなのだが・・・在庫切れだろうか?


そもそも在庫という表現であっているのかどうか?


そういえば、PKで不名誉に染まった名前の色が気が着いたら戻っている。


意外と、簡単に取れるものらしい。


「・・・しかたがない、割れ目を変えてみるか。」


一人で黙々と掘っていたが、何も出ないので凛の元へ行ってみることにしよう。


べ、別に一人でさみしくなったわけじゃないからな!ほんとだぞ!


・・・うん。やっぱりツンデレは俺にあわないようだ。


今度、CBにでもやらせてみるか・・・いや、辞めよう。あいつだとうまくやれそうで怖い。



ともあれ先に居るはずの凛と合流するべく、奥に進んでいるのだが・・・お?何やら掘れそうな割れ目を発見!


これは俺に掘れと誘っているのか・・・所謂、やらないか?ってやつか。


よし、なら全力で掘ってやろう!


・・・どうやら俺の思考も暑さと寂しさでおかしくなっているようだ。


気を取り直して、いざ!発掘!


今までの間隔で、つるはしの先を割れ目に入れていくが・・・意外と硬い?


むむっ?こいつは今までよりも力が必要なようだ・・・気合を入れて掘るしかないか。


カンカンと景気いい音がしていた今までと違い、ガツンガツンっと一撃毎に割れ目に刺さっては抜いて、刺さっては抜いての繰り返し。


正直、これで何も出なかったら俺、多分泣くかも・・・お?ようやく一個目の欠片が落ちてきた。


・・・石の塊?


一体なんだろうか?


≪【金剛石の原石】を入手しました。≫


金剛石?・・・金剛石って何だっけ?どっかで聞いた気がするのだが。


拳程の大きさの割に、【鉄石】比べると軽い気がする・・・気のせいか。


ともかく鉱石には変わりないので、続けて掘る事にしよう。


それから50回程つるはしを出し入れした結果こうなった。


【金剛石の原石】×1・【金剛石の欠片】×3・【紅玉の原石】×2・【翠玉の原石】×1


ふむ。正直、見た目ただの石にしか見えないのだが・・・。


紅玉と翠玉は所々で赤とか緑が見えるから、きっと高く売れる気がする。


逆に金剛石とか鉄石とかとは違うが、灰色の石の塊なのだが・・・売れるのかこれ?


まぁ売れれば安くてもいいか。


ともかく発掘の続きを・・・ん?今何か当たったか?


「ギャオ!ギャオ!」


・・・嫌な予感しかしない。


何だろう、俺は今後ろを振り向いてはいけない気がする。


落ちつけ俺、きっと幻聴だ。うん、暑さで疲れてるんだなきっと。


「ギャオ!ギャオ!」


・・・先生、幻聴じゃなかったようです。


恐る恐る振り返ったら何か、【ケオプリオス】が集まってきてるんだけど・・・。


神は言っている!ここで戦ったら死ぬと。


よし、逃げよう!とにかく逃げよう!


まだ包囲されていない内に、全力で走り出したのに・・・何こいつら、めちゃくちゃ足早い!


アクティブ化してないときはあんなにノロノロ動いてるくせに・・・図ったな、ケオプリオス!


だめだ、馬鹿な事やって滑ってる場合じゃない!


このままだとマジで死ぬ。


しかも逃げれば逃げるほど、増えていくんだけど。


・・・これはあれか?


普段ノンアクティブモンスターだけど、仲間が追いかけてたら付いてくるタイプのモンスターか?


迷惑以外のなにものでもないな。


っと、そんな事を考えながら壁際走ってたら、目の前が岩の壁なんだけど・・・何処に逃げろと?


横は・・・ダメだ、防がれてる。


後ろは・・・論外だな。


なら、壁を登って・・・どうやってこの壁を登れと?


こうなったら応戦だ!


幸いにも、武器なら凛から借りたのがあるし・・・でも、これ壊したら弁償だろうか?


まぁつるはしがあるから何とかなるか!


よし、とりあえずは一匹目をこのつるはしで!


≪アイテム:つるはしを失いました。≫


耐久値!耐久値、足りてないよ!


【ケオプリオス】を一発殴ったら、つるはしの先が折れた。


ケオプリオスよ、硬過ぎるだろ・・・鉱石よりも硬いのかよ。


そして不吉なシステムボイスと共に、俺の手からつるはしが砕けて消えていく・・・。


やばい、完全に死亡フラグしかない!


ちょ、誰か!誰か助けて!ヘルプ!マジでヘルプ!


「ギャオ!ギャ」


「ギャ!」


「ギャオ!」


「ふん!」


背後の壁、前の【ケオプリオス】・・・絶体絶命なこの状態。


しかし神は俺を見捨てなかったようだ。


敵の群れが後ろの方から、あらぬ方向へ吹き飛ばされていくのが見える。


凛か!凛が気がついて助けてくれたのか!


遂に目の前に居た【ケオプリオス】が横から何かに打ち抜かれるように飛んで行った。


凛!助けに来てくれ・・・誰?


「お前さん、大丈夫か?」


俺の前に現れたのは凛では無かった。


筋肉隆々、所謂マッチョと呼ばれるジャンルの黒く日焼けしたおっさんだった。


身長は俺より高く、2メートルはあるのではないだろうか?


いや、声だけでおっさんときめつけるのはまだ早い!


まぁこんな野太い声の女性ってのも・・・余り考えられないな。


それにしても顔を見たくても、見えない・・・そう眩し過ぎて。


ともかく助けてもらったのだ、お礼くらい言わなければ・・・。


「ああ、ありがとうたすか・・・うぉ、まぶしっ!」


「誰がハゲじゃ!」


誰も、ハゲとは言ってないだろう


・・・この光の少ない洞窟内で光るその頭がおかしいんだ!

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