第32話/刀よ、しばしのお別れだ。・・・足が痛いです。
「それで、私を呼んだわけ?全く。あんた・・・自分の状況くらい考えてから行動しなさいよ。」
はい、反省してます。
正直、助かりました。
助かりましたが・・・凛さん、路上での正座は正直、足がつらいです。
西洋風な町づくりの為、床のタイルが足に食い込んで、食い込んで!
何で、こんな事になっているかというと、全ては金が無いのが原因だ。
簡単に説明しよう。
刀の状況にオープンカフェで傷心中。
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玉藻から修理の提案を出されて、希望を掴む。
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CBから情報の元、パステージュ山脈に行く事が決定、玉藻が拒否って逃げる。
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仕方がないから一人で行こうとして、金が足りないのでオープンカフェから出られない。
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凛を呼んで、立て替えて貰い、脱出するもお説教を受ける。・・・今ここ。
「それで?まさかとは思うけど、その格好でパスティージュ山脈行くつもりじゃないわよね?」
え?何か問題あるか?
その辺に転がってる鉱石を掴んで戻ってくるだけの、簡単なお仕事じゃ・・・。
「・・・はぁ。あんたに常識を求めた私が馬鹿だったわ。」
むっ?それは俺が常識ないみたいじゃないか。
確かに今までの皆から受けたリアクション的に、完全否定はできないが・・・。
さて肝心のパスティージュ山脈だが、凛の説明によると火山地帯らしい。
俺が想像していた日本の山々とは違い、すぐ近くを溶岩が流れている様な地形だそうだ。
何それ、めちゃくちゃ暑そう・・・これは、全裸で行くべきなのだろうか?
「めちゃくちゃ暑いからって全裸で行ったら、火傷で死ぬわよ?」
ふむ、全裸はダメか・・・では、どうすればいいのだろうか?
「【アイスロック】がいるわね。後、鉱石集めるなら【つるはし】も・・・仕方ないから私が立替ついでに、ついて行ってあげるわ。」
おお!そいつは有りがたい。
アイテム購入するにしても、金がないからな、俺。
ちなみに【アイスロック】とは、使うと一定時間体を冷やしてくれる魔法石だそうだ。
「金が無いって・・・そういえばあんた、山賊を倒したんでしょ?何か手に入れてないの?」
ん?PKでもアイテムが手に入るのか?
言われるままにアイテムストレージを開いてみる。
血染めのシャツ・折れた曲剣・レザージャケット黒・綿のタンクトップ黒・布のベルト紺・デニムのズボン黒・アーミーブーツ黒・玉藻の護石
うわ・・・ガラクタしかない。
それでも多少でも金になるならと、血染めのシャツと折れた曲剣を俺は店売りする事にした。
二つ合わせて100cって・・・。
ちなみに玉藻の護石だが、どうやら取引不可能アイテムらしい。
これを使えば、玉藻を何処に居ても呼び出せるらしい・・・まぁ今度試してみるとしよう。
「そういえばあんた、何でパスティージュ山脈に鉱石取りに行くのよ?」
ああ。凛には言ってなかったな。
俺は、移動しながらボロボロになった2刀の刃を見せ、こいつを修理するためだと伝える。
「ふ~ん。そうなると、その武器は使わない方がいいわね。外してアイテムストレージに入れておきなさいよ。」
納得してくれたのか、凛は積極的に他にもアドバイスをくれるのだが・・・。
<ステータス>
LV:16
HP:1000/1000
MP:1000/1000
経験値:300/4500
名前:KAIN
職業:侍lv2
ギルド:無所属
コール:600c
特殊項目
ペット:九尾狐
<武器>
右手武器:無し
左手武器:無し
追加スロット数:0
<防具>
頭:無し
上着:レザージャケット黒
上半身:綿のタンクトップ黒
腰:布のベルト紺
下半身:デニムのズボン黒
脚:アーミーブーツ黒
腕:革の指開きグローブ黒
追加スロット数:0
<ジョブスキルカードスロット>
カードスロット1:パンチlv5
カードスロット2:剣技lv15
カードスロット3:ステップlv2
カードスロット4:キックlv1
追加スロット数:0
<固有スキル/発動可能スキル>
固有スキル:
・剣術強化
・闘志
発動可能スキル:
・ブレイクダウン
・一刀流【五月雨】・【虎牙】
アイテムストレージ
羽織・着物・帯・袴・草履・玉藻の護石・黒霧の刀・夜刀桜花
何故、レザー装備に戻したし・・・。
「だって刀を装備していないのに、和装しても暑いだけよ?幸い闘志があるからオートヒーリングは使えるし。はい、あとこれ。」
そういえばオートヒーリングあったな・・・あれ?今まで発動してたっけ?
まぁ死ななかったという事は、きっと発動してたんだな、うん。
そして凛からの取引画面で、渡された物を見てみる。
【アイアンナックル】・【ブレードシンガード】・・・武器?
アイアンナックルは、鉄の拳ってことだよな・・・つまり手に着けると。
ブレードシンガード?・・・シンガードって脛当ての事じゃ。
ともかく、渡された武器を装備してみる。
おお!意外としっくりくる。
特にブレードシンガードの脛当て正面に小さな刃が付いている感じが実にいい!
このまま蹴りを撃ちだしたら、斬撃が飛んだりしないのだろうか?
・・・出るなら是非撃ってみたい。
「武器が無いじゃ厳しいでしょ?職業補正は無いけど、当分それを貸すから何とかしてみなさい。」
ふむ。丁度いいので、ついでに放置してたパンチとキックのスキルカードを鍛えるとしよう。
さて、丁度聖王神殿に着いた事だし、それでは今度こそ!
いざ、パスティージュ山脈へ!
凛の後に続いて、俺も聖王神殿から転送される為、紋章に飛び込んだ。
<武器>
右手武器:アイアンナックル
左手武器:ブレードシンガード
転送されながらふと思ったが、何で足装備なのに左手武器に装備されるのだろうか?
開発者の手抜きか?
そういえば、凛・・・お前もパスティージュ山脈まで行くんだね。
てっきり、買い物だけに付き合うものだと思ってたよ、俺は。




