第24話/俺の後ろに立・・・ねぇ、これ流行ってるの?
さて、久々に最大のピンチです。
・・・道に迷いました。
周りは似たような、木・木・木で、正に森!
・・・うん、いっきに気温が下がったな。
というか、これだけ似たような木ばかりでは、迷っても仕方がないと思うのだが・・・皆は迷わないのだろうか?
ともかく愛馬を手に入れる為にも、まずはこのよくわからない森を抜けなくては。
ここまでまっすぐ歩いてきた訳だし、このまま戻れば辿り着けるはず。
そうして来た道を戻っているはずなのに、かれこれ1時間くらいは歩いていると思う。
そして不思議な事に、森の入り口付近ではあれだけ馬というアクティブモンスターが居たのに、現在は一匹もモンスターに遭遇しない。
てか、マジで出口どこだよ!
「ようやくか・・・。」
それから30分くらいして木々の途切れて居る場所を発見。
俺はようやく森の外に出たのだが・・・鳥居?
目の前には赤い鳥居が並ぶ石畳の道が・・・どうやら奥まで続いているみたいだ。
はて?おかしいな、俺は森の入り口に戻ったはずなのだが・・・。
「お主。侍がこのような所に何用かなの。」
ん?誰かいるのだろうか?
鳥居を進もうとしたら声が聞こえたので辺りを見渡すが、誰もいない。
ふむ。これはどういうことだろうか?
まさか、ゲームのやり過ぎで幻聴でも聞いたのだろうか?
その場合、俺の脳味噌はもう手遅れな気もするけど・・・。
「誰かいるのか?居るならちょっと道を教えて欲しいんだが・・・。」
うん、返事がない。ただの独り言の様だ・・・。
大声で幻聴に対しての独り言・・・うわ~俺、今すげー痛い人だ。
誰もいないから良かったけど、気をつけよう。
「道?まさかお主も、玉藻の君へ挑戦しに来たのでは?なの。」
「うおっ!びっくりした!人、居たよ。」
何このドッキリ。
いきなり後ろから声が聞こえて来て、振り返ったら人が居るとか。
最近はこの手のネタが、流行ってるのか!?
チュートリアルイベント(?)でも少女にやられたしな・・・。
さて、落ちついて良く見てみると、凛より少し小さい150センチくらいと思われる忍者が居る訳だが・・・。
良く見てみると顔は口元が黒のマフラーで隠れているが、髪は黒のショートカットで目は緑色だ。
全身を忍び衣装に身を包んでおり、腰には短刀が装備されている。
・・・顔出で忍者が務まるのだろうか?
声からして・・・少女だろうか?
いや、CBみたいなも居るからな・・・外見や声で判断は危険だ。
「・・・驚き過ぎではないか?なの。いくらなんでも傷つくなの。」
あ、いや・・・ごめん。
ところで、道は教えてくれるの?
「玉藻の君が目的ではないなら、何故こんな所になの。すまぬが、これから私は挑戦に忙しいなの。」
いや、目的も何も道に迷ってるんだが・・・それより玉藻の君って何?ボスか何か?
少女にすげージト目で見られてるんだけど・・・。
別に俺は、ご褒美です!って言うタイプの人種じゃないんだが・・・だが悪くない。
おっといけない、危うく何かに目覚める所だった。・・・忍者恐るべし。
「お主には関係無いなの。忍者のクエストだから帰るといいなの。」
いや、だからその帰り道がわからないのですが・・・ん?クエスト?面白そうだ、詳しく。
俺の行動に呆れた忍者の説明によると、このクエスト【白面美女の秘密】は職業カード忍者が、秘奥義のスキルカードを手に入れるのに必要なクエストらしい。
内容は取ってもシンプル。
この先に居るボスの玉藻が護る、勾玉を取ってくるだけの事。
まぁその勾玉を取るのが一苦労らしい。
「お主には関係ないのがわかったか?なの。」
うん。クエストは関係ないだけど・・・それってパーティー組んでもできる?
「・・・お主、いったい何を考えてる?なの」
いや、だって玉藻ってあれだよね?・・・白面金毛九尾狐。
それなら是非、一度は見てみたいじゃないか。
それにしてもこの忍者、さっきから語尾があれなのは、意図的にやっているんだよな・・・キャラ作り?
「これは口癖なの。・・・はぁ。仕方ない連れて行って上げるから、さっさとパーティー寄こすの。」
・・・珍しい口癖だな。
何はともあれ、帰り道はわからない俺はこの忍者について、玉藻見物にしゃれこむ事にした。
パーティー申請が受理された所で、忍者のステータスを見てみる事にする。
<ステータス>
LV:24
HP:1200/1200
MP:1200/1200
経験値:3500/8400
名前:シノ
職業:忍者lv1
ギルド:無し
コール:50000c
この忍者・・・シノっていうのか。
「よろしく、シノ。」
「よろしくなの。」
さて、これでパーティーは組めたわけだが・・・。
ところで基本的に忍者って、どういう攻撃するの?
話を聞く限り戦闘も有りそうだし、その辺の情報が有った方が連携とか取りやすいだろ?
あ、すげージト目・・・え?そんなにおかしなこと聞いた?俺。
「レベルといい、知識といい。・・・お主、初心者か?なの。なら、玉藻の射程に入らないようにして隅で座ってればいいなの。これは元々私のクエストなの。」
うん、どうやら出しゃばったら邪魔になりそうだ。
ここはシノの言う通り、大人しく見物していよう。
しばらく鳥居と石畳を進んだ俺達の前に、一つの社が現れた。
シノは気にせず社の中へ入っていくのだが・・・え?まさか、こんな狭い所で戦わないよね?
後に続いて俺も中に入る事にしたのだが、社の中に入った途端に俺は落下した。
・・・普通、社の中がデッカイ落とし穴だとは思わないだろ。
周りにシノが見当たらない事を考えると、シノは先に落ちてるのだろう。
それにしても・・・これって、落下ダメージとかあるのかな?