第23話/その幻想をぶち壊・・・したのは運営か!
【強くてニューゲーム】・【選ばれし主人公】そんな事を夢見てた時期が、俺にも有りました。
現実は・・・予想通りの絶望だった。
<ステータス>
LV:16
HP:1000/1000
MP:1000/1000
経験値:50/4500
名前:KAIN
職業:侍lv2
ギルド:無所属
コール:600c
<武器>
右手武器:黒霧の刀
左手武器:無し
追加スロット数:0
<防具>
頭:無し
上着:羽織
上半身:着物
腰:帯
下半身:袴
脚:草履
腕:革の指開きグローブ黒
追加スロット数:0
<ジョブスキルカードスロット>
カードスロット1:パンチlv5
カードスロット2:剣技lv15
カードスロット3:ステップlv1
カードスロット4:キックlv1
追加スロット数:0
<固有スキル/発動可能スキル>
固有スキル:
・剣術強化
・闘志
・剣双乱舞
発動可能スキル:
・ブレイクダウン
・一刀流【五月雨】・【虎牙】
はい。【白銀の鞘】なんて無かった・・・。
スキル・一刀流奥義【飛燕】なんて存在しなかった。
はい。鎧武者と戦って手に入れた物は全て、失ってました。
逆に黒霧の刀の鞘は戻ってたけど・・・。
「はぁ。うん、いきなりチートは良くないな。」
巻き戻ってしまったのはしょうがない。
幸いにも、チームを組んで倒した酒天童子の経験値は入っているみたいだ。
まぁ俺は何もして無いんだがな・・・。
さてと、気を取り直して本来の目的に戻るとしよう。
そう、崇高かつ雄大な計画・・・愛馬の調達を!
幸いにもCBはギルドメンバーと合流を果たして、今後の方針を考えるとかで別行動だし。
【桃源の里】に戻った際、チームもパーティーも外れてる。
なので凛とも別行動だ・・・。
よし、俺の本当の戦いはこれからだ!
・・・打ち切り漫画みたいなセリフだった、縁起悪い。
忍びの森、再び!
途中、ポーション系アイテムを購入しようとしたが、金が無かった。
・・・和服に金をつぎ込んだのが、ここでダメージになるとは。
さて、ここからは回復は座るしかない。
「行くか・・・。」
おそらく、1時間位は経っただろうか・・・。
現在、俺のHPバーは半分ちょっと下回るの黄色。
いや、あれだね。やっぱり馬を手に入れるって、大変なんだね。
戦国武将はこんなのを、良く手に入れたな。
ああ、前田慶次は別だな・・・あいつは松風から寄って来たはずだし。
俺にも、寄ってくる馬はいないかね・・・ん?
ジャストタイミング!馬が一頭来るじゃないか・・・これが所謂フラグってやつですか?
「ブヒィ、ブヒィーン」
あれ?なんか耳を伏せてないか?・・・確か馬がそういう行動をとる時って。
「ぐぶっ!」
全力で体当たりを受け、思いっきり吹っ飛ばされた俺は3~4回転がると、ようやく止まった。
全く、攻撃のおかげで回復してたHPバーが、完全に赤色の危険ゾーンになったじゃないか。
「ブルルル。」
未だ、怒りが収まらないのかこちらへと走ってくる馬。
俺が一体何をしたと言うんだ。・・・あ!そういえば馬は、アクティブモンスターか。
しかし、このまま何もせずに鞍付けに挑戦しても死ぬな・・・。
流石にデスペナルティーは痛い・・・よし、殺ろう。
「一刀流【五月雨】!」
≪スキル発動・一刀流【五月雨】≫
走ってくる馬に正面から走り出し、ギリギリの所でモーション制御の右回転の勢いに乗り、馬のすぐ横にずれる。
そのまま斬撃を繰り出すが、すれ違う速度が速いせいか首ではなく、胴体の真ん中あたりを斬りつける事になった。
続くモーション制御により、通り過ぎる寸前で後ろ右脚に斬り返しを放つ。
馬はすれ違い様に紫色へ変色していたが、蹄の音からして通り抜けた所で方向転換しているようだ。
急げ急げ!頼むから速く。
俺の思いが通じたのか、通常よりも少し速い速度で虚空に、最後の水平斬りを放てた様に思える。
その瞬間、俺はモーション制御が無くなると同時に、斬り終えた反動を利用して馬へと振り返る。
しかし、馬と俺の間は2メートル有るかどうか・・・。
「一刀流【虎・・・え?」
「・・・ヒヒーン。」
もう一つのスキルを放つ為、すぐに牙突構えをしたが・・・俺の目の前で崩れ落ちると砕け散った。
あれ?何で?・・・あ!黒霧の刀の毒か、忘れてた。
何はともあれ、撃退完了!
おっと、アイテム【馬油】なる物をGET!
説明を見る限り、どうやら切り傷に効くらしいので早速試してみる事に。
おお!HPバーが半分まで回復した。
それにしても、勢い余って殺してしまったが・・・もしかして、この奥に馬も上位版とかが居るのだろうか?
気になるし、とりあえず奥へと進んでみよう。
っとその前に、少し馬を狩って【馬油】をGETしておこう。
しばらく適当な馬を狩り【馬油】を集めつつ、俺は【忍びの森】の奥へと進む事にした。
それにしてもこの馬油・・・使うたびに肌がすべすべしてるのは気のせいだろうか?
【忍びの森】も奥へ進むにつれて、段々馬が減ってきたようだ。
ふむ。どうやら馬は奥には余り居ないようだ・・・。
仕方ない引き返そう・・・あれ?
ところでこの森、来た道が塞がっているようにも見えるのだが・・・出口何処?
少し短めでしたでしょうか?




